京都の高校入試が変わって大変なことになりそうな件3

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。
2027年度からの京都公立高校入試改革の内容がようやく確定したようですので、これまで2回にわたって書いてきました予想を振り返りながら、最終的な分析をしていきたいと思います。

まずは概要

これまで書いてきた内容はこちらから。

教育委員会から上記のような動画が公開されておりますので概要はこちらから。

こちらの2つのPDFが12月に発表された内容です。

ポイント➀ 普通科の独自枠に変化

まずは普通科から。
「独自枠」が専門学科だけでなく普通科にも適用されていますね。
つまり、現在の前期選抜(ここからは旧前期選抜と呼びます)同様、A1、A2など各高校独自の方式が残ったということです。

しかし、旧前期選抜と大きく異なる点がありますのでしっかり理解しておきましょう。

普通科独自枠の注目ポイント
  • 募集定員が大幅増(30%→50%)
  • 科目ごとの配点が独自設定に

例えば山城高校普通科A1方式ですと、旧前期選抜(2026年度入試)ではA1方式、A2方式ともに48名の計96名(全320名の30%)だったものが、新前期選抜では独自方式であるA1方式で112名、A2方式で48名、残り160名が統一方式になり、50%が独自枠となります。
※パンフレットによると新方式では独自枠50%が原則となるようです。

また配点も国数英が60点、理社が40点、面接30点に報告書135点(報告書はどうやら135点縛りなのかな…)と配点を学校ごとに自由に設定できるようになっていますね。

普通科の独自枠では、テスト自体共通枠と同じ統一問題を使用しますが、生徒ごとに得意科目などの適性で独自枠の方が有利・不利という状況が生まれます。これにより同偏差値帯の学校選びでは少し新たな基準が加わったといえるかもしれません。

選考順は独自枠→共通枠なので、どちらも同じ高校を志望した場合は独自枠と共通枠で2回チャンスがあるだけでそこまで気にすることもないでしょう。

気になる点

すこし気を付けないといけないと思われる点が一つ。

独自枠が50%になったということは、旧中期選抜を踏襲する共通枠の定員も50%になったということ。

これは内申点195点(副教科2倍)という武器が使える枠が大幅に減少したということです。

言ってしまえば、副教科2倍のところで点数を稼いでいた層にとっては大きく不利となる変更です。

逆に内申点が足りなくて志望校を下げていた層は独自枠でチャレンジしやすくなります。
より一層模試の判定などが重要になりますね。(模試会社さんは設定変更大変だろうな…)

個人的には良い傾向かなと思います。


ポイント② 専門学科の独自枠

これまでいろいろと予測してきましたがようやく確定しました。

専門学科の独自枠で心配していた点は以下の2つ

  • 普通科廃止の堀川・嵯峨野
  • 試験科目の変更

普通科廃止の堀川・嵯峨野について

堀川高校探究科

予想通りだったのは堀川高校探究科。単純に普通科を廃止して、その分の募集人数を探究科に全振り。
ただし、今回の方式でD方式という新たな方式を、定時制高校を除き、唯一設定してきました。

定員10名で英国数の独自試験3科目計300点に面接150点とシンプル設計。報告書すらなし。

これはどっちなんだろう…。私の勝手な予想では、大学入試の総合選抜型を意識したものなのか、それともお受験のためのお勉強しかしていない生徒だけになると学校行事などが成り立たないからという、これまで旧前期普通科でささやかれていた噂通りの意図なのかのどっちかでしょうか。

学校の目的が何にせよ、D方式の定員10名の枠に出願する猛者はいるのか疑問です。
どこかの高校の強化指定部活のように、裏で声かけておいてA2方式へ誘導するみたいなことしないと、そもそも志願者がいないような気が…。

この辺は近々アドミッションポリシーを堀川高校が発表してくれるでしょう。

嵯峨野高校こすもす科

こちらはある意味予想通りといいますか、普通科枠がこすもす共修と名前を変えて残りましたね。

ポイントは従来の普通科枠120名に関しては、こすもす共修科となるものの、試験自体は独自試験の受験が必須となるものの、報告書の配点が独自枠では断トツの270点
英数国独自試験300点+理社共通試験80点+報告書270点となり、当日点:内申点≒1:1.4と、共通枠に近い比率となっております。

ただし内申点ではなく報告書ですので、内申点以外も加味されるのか、副教科2倍など共通枠の計算方法が適用されるのか等、どのような計算になるのか不明です。ここまで配点が多いと今後しっかりと説明されるべきかと思いますが、内申点で勝負したい生徒にとっては、嵯峨野が受け皿になるでしょう。

独自試験科目の変更

ここに関しては前回の記事で書いた通り変更はなく…。

堀川・嵯峨野・西京の御三家は英数国独自問題+理社共通問題のパターン。

何度でも言いますが、個人的には改悪だと思っております。理科の独自問題は要るってばよ…

ただ御三家+桃山・山城・紫野も科目間の配点を見直し独自色を出してきております。

国:数:英:理:社 ※(共)は共通問題
  • 堀川 150:150:150:40(共):40(共)
  • 嵯峨野(自然) 100:200:100:80(共):40(共)
  • 嵯峨野(共修) 150:150:150:40(共):40(共)
  • 西京 100:150:150:40(共):40(共)
  • 桃山 0:100:100:100:0
  • 山城 80(共):100(独60+共40):100(独60+共40):60(共):60(共)
  • 紫野 100(独50+共50):100(独50+共50):100(独50+共50):50(共):50(共)

桃山は面白い配点だと思いますが、塾としては桃山しか理科の独自問題がなく、対策が大変になりそうですな。ま、どこも難関私立対策っていう名目で全員対象にやるんでしょうが、実際趣向が違いますのでね…。

まとめ

まとめ

まだ細かいところで気になるところはありますが、今後どこかから突っ込まれて教育委員会から都度発表があるでしょう。
また毎年見直しされてブラッシュアップされていくのではないでしょうか?あまりに頻繁に変更されても困りますが、ここから10年変えませんではそれこそ問題です。募集状況や実際の入学者を見て入試科目や配点を見直すのはアリだと思いますが。

とりあえず2027年度入試の方針が固まりましたね。現中2生はこれをもとに志望校選びを始めていきましょう。

ポイントはこれまで以上に実力>内申です。内申がいらないと言っているわけではありません。
内申だけではしんどいよということ。

逆に内申だ取り辛い特性の方には少しチャンスが広がりました。最後まであきらめず頑張っていきましょう。

変更初年度は何かと心配がつきものですが、SOIL会員、および育星舎グループ会員の皆様は全力でサポートしていきますのでご安心ください。

今日はこのへんで





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