
どうも、ご無沙汰しております。SOIL塾長です。
本日は京都の公立高校入試改革の概要がつかめてきましたので、ここいらで一度整理しておき、これから起きるであろう”変化”について考えてみましょう。ということで生徒や保護者から聞かれた質問にお応えする形でいろいろな観点から書いていきます。
ただし未だ発表されている情報がすくないため、ほとんど独断と偏見に満ちた個人の主観に基づいたお話ですので、その点踏まえてお読みいただければ幸いです。
最近堀川・嵯峨野の普通科廃止が発表され、私立無償化の流れと合わせて波乱の2027年度入試となりそうな予感(悪寒)💦
既に発表されている入試改革の概要
教育委員会からは2025年6月現在このように発表されています。
https://www.kyoto-be.ne.jp/koukyou/cms/?p=6959
このなかから重要なポイントをまとめてみます。
2027年度入試より、従来の前期選抜と中期選抜を2月下旬に1本化
普通科については、以前より前期選抜の意義について問われていましたし、関東などに比べて京阪神の公立高校入試(中期選抜)の発表が遅すぎて、中学の卒業式で半数ほどの生徒の進路が定まっていないというおかしな状態も解消されます。
出願も1度で済むので学校の先生の負担も大きく軽減されるでしょう。
一本化された前期日程(仮称)は2日間の日程で選抜
現状間が開いていた日程をくっつけたようなものです。
大学入試の共通試験のように、共通学力検査と独自学力検査との合計点で判定みたいなパターンはこの文面ですとなさそうな気配。大学入試の共通テストのように公立受験者は全員共通学力検査受験必須にするパターンもあるかなと思ってたのですが、普通科を志望しない生徒にとっては負担が増えなくてよかったですね。
堀川・嵯峨野は普通科廃止(専門学科のみ募集へ)
それぞれ探究科とこすもす科のみの募集となります。
これまでの普通科の定員枠は専門学科の追加枠(堀川80名、嵯峨野120名)として組み込まれます(増員分の枠は通学圏に制限:京都市・乙訓地域のみ出願可能)
なお嵯峨野こすもす科の追加枠は全て共修コースとなるとのこと。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d3fb48ea4d4b558fecaa30877e12f3fb47af34c
上位層に限って言えば、入試改革以上にこの変更が京都の高校入試に大きな影響を与えそうです。
何より、もともと普通科が存在しなかった西京高校も合わせ、京都公立「御三家」と呼ばれるトップ3の高校から普通科がなくなると…ある問題が出てくるのです。これは後ほど…。
内申点について

確定しているのは、1日目の<共通枠>の選抜方法。
普通科と一部職業系専門学科が対象となる入試では、現状の中期選抜と全く同じ配点で、内申点の扱い同じということのようです。このことからも入試問題自体が大きく変わることはなさそうですね。
これは確定しているようです。
<独自枠>もこれまで通り検査項目と配点は各校自由に設定するようなので、現状から大きく変わることはなさそうですが、普通科廃止の堀川と嵯峨野の選抜方法に変化がないかは注視したいところ。
次にどうでもいいことですが、必ず聞かれると思うので書いておきますね。
テスト日程的にこれはあり得ないと思われます。これまで学校側は年内の三者懇談で私立と前期の志望校を決定し、前期発表後2月下旬に中期選抜の志望校決定という流れでしたが、正直公立高校に関しては学校側も前期選抜は落ちても中期がある前提で進路相談している感がありました。
しかし今後は私立同様、年内の三者懇談で決めたことを年が明けてからひっくり返さないでしょう。「内申点に入るぞ」と脅すことはあっても、学年末テストから1か月後の入試の出願に間に合わせるのは難しいと思われます。
「私立専願にすれば最後の定期テストさぼってもいい」なんて言う生徒がいましたが、今後は全員さぼってもいい(定期テストより入試対策させてくれ)的な流れになりそうです。
※さぼれとは言っていないので念のため
ただそうなると「11月の定期テスト(ここも懇談資料作成のため日程変更はできないと思われます)で教科書全部終わらせる」なんて怪物先生が現れそうな気がしないでもない…💦
1日目の〈共通枠〉入試
こちらが現行の中期選抜にあたる試験で、最大3校3学科受験可能とあり、現状の➀第1志望第1順位、②第1志望第2順位、③第2志望という形は維持のようです。これに2日目の<独自枠>で1校1学科を加えて、2日間で最大4校4学科を同時に出願することが可能になるということですね。
定員が割れた学校のみ出願できる③第2志望は、定員割れを起こす学校が限られていることもありあまり活用されていませんが、これまで通り前期で倍率など様子見をして…ということができなくなり、不人気校でなくともうっかり定員が割れてしまうことも増えそうなので、出願の際はしっかり③第2志望まで検討して書いておくべきかもしれません。
読んだ限りでは明記されていません。
大学入試での推薦枠のように、<独自枠>が第1志望確定で受かったら行かないといけないパターンも万が一あるやもしれませんが、おそらくは出願時に順位を付けられる仕組みになっているだろうと思います。
案内を見ると「〈共通枠〉は最大3校3学科受験可能」との表記が…。どうやら〈共通枠〉は普通科専用というわけではない模様。
現状前期中期の両方で割合募集している学校・学科については、新制度でも継続すると考えていいのではないでしょうか。
難関特進系専門学科が100%〈独自枠〉で募集するのは現状通りなので、ここで「3学科」となっているのはつまり、これまで通り開建高校や工学院高校など一部の職業系専門学科の募集は〈共通枠〉でも実施するという意味でしょう。
となると問題は独自試験との兼ね合いです。
多分これまで通りできるということですかね。<独自枠>だけで募集すると定員を満たせないところもありそう(開建以外ほとんどが無理そう…)ですし、〈共通枠 〉で募集することで、第2順位とか第2志望でも出願できるようにしておきそうですね。
ただしこれまでのように「前期がダメだったら中期に向けて5教科頑張る」という方法がとれなくなりますので、合格の可能性を高めたければ共通学力検査と独自学力検査の両方の対策を打っておかないといけません。そういう意味ではこれまで前期で進路を確定させていた層にとっては負担増となります。
果たして上位層以外でどれほどの生徒が真面目に共通学力検査と独自検査の両方の対策を打ってくるのかは疑問ですが、「遅い時期まで受験勉強するのがいやだから私立でいいや」というのは防げるのかもですね。
2日目の〈独自枠〉入試
案内によると前期選抜で実施されていたこれらの方式は改革後も<独自枠>となりそうです。
ただ普通科の「推薦入試枠」として機能していた前期選抜A、B、C方式。強化指定の部活など実質的な推薦枠は意地でも残すでしょうから、おそらく残るでしょう。
B方式(現状は学力検査なし)やC方式(現状は共通学力検査より易しい独自検査)は<独自枠>の方で残るのは間違いないと思うのですが、問題はA方式。
現行のA方式に関しては共通学力検査3科目が必須でしたので、これを1日目の共通学力検査で代替するのか、<独自枠>の方に切り替えるのか不明。
前者だとすると1日目2日目両方の受験が必須となり、案内にある文章と整合性が取れないため、A方式を廃止して現行のB、Cだけに集約する可能性もあるかもですね。
いずれにせよこの辺はちゃんと”推薦”とか”総合選抜”という名前を付けてほしいです。ABCは分かりにくい。
実質的に”部活動で入学する”場合は事前の「お声がけ」が必須(お声がけした生徒で定員を満たせば…)のところが大半なのに、「前期選抜A2方式、B方式」なんて募集の仕方をしているのは問題ではないでしょうか?事前に合格の確約を出しているなら、本当の意味で前期選抜の時点で”選抜”は行われていないですよね。ならば間違ってそもそも合格できないような子が出願できないように制度的にも”推薦必須”とかにしないと大問題なはずなのに、なぜかこの辺ゆるゆるな高校受験…。
この入試改革をきっかけにこの辺の闇も払しょくされたら良いなと思います。
先ほど書いた通り特進系専門学科については、これまで通り独自試験で100%は変わらない模様。普通科と同時に出願するだけで、入試事態に大きな変化はなさそうです。
衝撃的だったのは堀川高校・嵯峨野高校の普通科廃止(これについては後ほど考察しますが、大きな動きを生みそうな決定です)
桃山高校、山城高校、紫野高校など特進系専門学科を持つ高校が、今後どう動くかはわかりませんが、普通科を残すとすると、これまでのように前期で紫野アカデミアを不合格になったら、「中期で紫野普通科を受験するため、3月まで勉強を続けないといけないの勉強をしないといけない」という”罰ゲーム的”な流れは解消されるのでとても良いことですね。
これまで桃山自然科学、山城文理総合、紫野アカデミアなどの専門学科は独自試験が5科目ではないため、前期選抜にない科目の勉強をさぼりがち(そうせざるを得ない面もあるが)なのもこれで解消されます。
ある意味勉強の負担は増えるので、「科目数が少ないから~」なんて理由で上記専門学科を目指すような子には完全逆風です。
個人的には、スポーツ推薦枠や職業系専門学科ではなく、一応特進系専門学科で国公立大を目指すなんて言っているわけだから、高校受験では5科目全部勉強しとけよとは思います。高校入試で入試科目を減らすのは、小中高一貫塾で大学入試を指導する立場からすると意味が解らないレベルで悪手です。
ただこの辺のお話はあくまで普通科を残すなら…です。
入試改革により予想される高校入試の変化
さて、制度の外殻は見えてきましたが、問題はそれにより引き起こされる問題です。
先ほど述べたように、堀川高校と嵯峨野高校は普通科を廃止し、専門学科1本化を決定しました。
堀川・嵯峨野が普通科を廃止すると起こる問題

ズバリこれです。京都の入試で内申点が大きくかかわってくるのは公立普通科の入試のみ。
専門学科は内申点の割合が非常に小さく、オール5の生徒が落ちて、オール4すらなくても”実力さえあれば”合格する世界です。
そしてそんなオール5に近い生徒たちが、専門学科の滑り止めの第2志望で受験していたのが堀川普通科・嵯峨野普通科。
専門学科はダメでも、内申点があれば中期選抜で高校名が同じ普通科には行ける、しかもこの2校は入学後学ぶカリキュラムが専門学科と普通科で差異がないというのが魅力だったわけです。
もちろんこれまで不合格になっていた受験生が第1志望の専門学科で合格できる可能性は高まりましたが、そもそも専門学科特有の入試に対応する力がない”内申点が良いだけの生徒”が行き場を失うことになります。
特に行き場を失うのは、第1志望が専門学科ではなく、普通科の生徒たちですね。

これが難しいのです。正直言って内申点でオール5をとる力と、難関専門学科の問題を解く力は別物です。
定期テストで満点取れても難関専門学科の問題が解けるとは限らない。

どちらが大事とかそういう話は置いておいて、両立しない中学生はたくさんいる。
特に現状の専門学科の入試では、塾のサポートの有無という経済的事情も大きく影響してしまうのは間違いないです。高校受験が中学受験の”お受験”のように塾で過剰対策されるようになってしまった現代では、そんなの通用しません。
「塾なんて行かなくても教科書を理解していれば解ける」というのは高校側の常套句ですが、それは全員が平等に教科書だけを与えられて勝負するならであって、進学塾で”教科書以上”をばっちり対策している生徒がいるならもうそれは平等な条件ではないといえます。
繰り返しますが、堀川も嵯峨野も専門学科と普通科では入学後のカリキュラムにはほとんど差がない。
”専門”である探究活動も、普通科は専門学科と同じようにやっているわけで、違いは入口の入試だけといって良いでしょう。
ところが出口の大学合格実績だけはえげつないほどの差が出てしまっている。
堀川高校普通科の生徒は、ほぼ全員が中学時オール5に近い成績。でないと受からない。
それが大学入試となるとこの有様…。(下記リンクからご確認ください)
https://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/info/higher.htm
怒られるかもしれませんが単刀直入に言うと、悲惨です。
高校が入学後、普通科の生徒を伸ばせていないのは間違いないです。厳しい言い方をすれば”潰している”とも言える。
しかし別の見方をすれば、あの専門学科の入試問題に対応する力のない”内申点が良いだけの生徒”に現在の最難関高校で学ぶ力はないとも言えるのです。
個人的には今回の堀川・嵯峨野の普通科廃止は良い判断だと思います。入学後同じカリキュラムで進めるなら入り口はそろえておくべき。でないと当然ついていけない生徒が出るのは当然です。
内申点はいいけど実力はない。実力はあるけど内申点はない。こんな矛盾が生まれる評価制度自体に問題があるのは言うまでもありませんが、この変更が内申点偏重に楔を打つきっかけとなればと思います。
万が一専門学科が内申点重視に切り替え、報告書の配点を引き上げたら知りませんが…💦
とにかく京都のトップ校(私立の洛南も含め)に合格したければ内申点より実力つけましょうってことです。

堀川探究に関しては問題ない
昨年度の探究科の志願者数が238名。定員が240名になると定員割れですが、ここに普通科志望の48名や嵯峨野・西京などからのランクアップ組が流入し、倍率としては問題ないところまではいくのではないでしょうか。大手進学塾がポンプ役となって押し込んでいくと思います。
これまで探究科を不合格になっていた生徒が入学してしまうと、探究科としての平均は下がるかもしれませんが、特に問題にはならないでしょう。上記の通り、普通科第1志望の受験生とは”質”が変わります。内申点が足りず公立を回避して洛南など難関私立へ専願で進学していた層もいますし、取りこぼしていた優秀な生徒も留めることができそうです。
堀川は大阪の北野高校と比較されがちですが、圧倒的な京大合格者数の差を生む最大の原因は生徒数。堀川240名(探究科は160名):北野320名。探究だけで考えれば半分の人数で合格人数を競わされているわけです。メディアは”数”しか言わないですから。
やや

昨年度前期選抜のこすもす科志願者は自然科学と共修合わせて340名。
定員が320名になると、ギリギリですがどこまで堀川に喰われるかということと、普通科志望の82名の層が、どこまで負担増となるこすもす科志望への変更を決断するか、そして桃山・山城・紫野などの専門学科志望者が志望レベルを上げてくるかがカギとなるでしょう。
大手進学塾はこれまでの嵯峨野こすもす志望レベルの層を堀川に突っ込み、桃山・山城・紫野などの専門学科志望者や、普通科志望レベルの層をこすもす科に突っ込みそうな感じはします。(前期で普通科志望の子はそもそも大手進学塾には通っていないような気もしますが…)
桃山自然科学⇒嵯峨野コスモス(自然科学)の流れは学科の性質的にはありそうですが、立地的に難しい。嵯峨野こすもす科がきついと判断して、わざわざ遠い桃山に通っていた北エリアの生徒ならあり得ますが、わざわざ南エリアの嵯峨野へ変更するかは疑問です。
個人的には(ものすごく偏見ですが…)嵯峨野高校のあの落ち着いた雰囲気は普通科の内申点をしっかりとってきた層が醸し出していると思うので、内申が足りなくて山城文理総合や紫野アカデミアを受験していたような層の雰囲気とは合わないような気もします。
結論として、募集に関しては堀川よりはやや心配という結論になります。
では専門学科で御三家を不合格になったオール5の生徒はどこを受験するの?
今回大きな改革をおこなった堀川・嵯峨野。その影響が他校にも影響を与えそうです。
堀川・嵯峨野に次ぐ難易度の普通科といえば、桃山・山城・洛北あたり。

そもそもオール5クラスでこれまで堀川普通科を志望していた受験生が、この辺の公立高校を受験するとは考えにくい。
また御三家専門学科を第1志望にしていたような受験生の多くはこのあたりの普通科を滑り止めにはしないようにも思えますが、もしもこの内申点TOP層が、桃山・山城・洛北などの普通科を受験するとなると、その分合格基準となっていた内申点が上がり、合格判定はかなり難しくなります。
オール4くらいとっていれば余裕です、なんて言われていた学校が蓋を開けてみれば超難化という可能性も。そこまではいかなくとも少し内申点基準は上振れてきそうな気はします。
一方で公立普通科を受験しないとすれば、私立への流出が拡大します。このあたりのレベルの生徒ですと洛南・同志社・立命館など難関校から京女・東山・大谷・花園などのいわゆる特Aコース。私立無償化もあり、この辺の志願者が増え難易度が上がるかもしれません。

公立専門学科⇒公立普通科⇒私立の流れが、公立専門学科⇒私立という流れに変化するというのが今後の流れではないでしょうか。
上位層(準トップ層)の私立流出を防ぐには<独自枠>の併願制しかないでしょうね。
大阪の入試システム(共通C問題と独自配点)のようにすればそれも現実味がありましたが、”独自”学力検査が今回明記された以上、ここから10年は変わらないでしょうし、入試制度ではなく、学校の仕組みで対処するしかなくなりました。
余談ですが、私立無償化になると特待生として客引き集めていた私立高校はどうするんでしょうね。制服代とか修学旅行が無料になるのでしょうか…。それとも奨学金給付?
このような変化が他の学校にも出てくるのではないか、という不安があります。
他の高校が普通科を廃止する可能性は?
市立の堀川と府立の嵯峨野が示し合わせたように普通科廃止を発表しているので、他校ともある程度コンセンサスを形成したうえでの変更ではないかと思います。少なくとも抜け駆けではないと信じたい。
なお西京附属中学が定員増加を発表しています。
https://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000342482.html

まるでこの高校入試改革にあわせたような動き。中高一貫組を増やし、高校入学組を減らすのかな?
だとすると上で予想したように堀川に上位層を持っていかれる危険性を考慮したのかな?と考えるのは深読みしすぎでしょうか…
怖いのはこれから年度末までに次々学校側の改革が発表されていくパターン。遅ければ遅いほど受験生は対応できなくなるので、少なくとも1年目はこの2校だけにとどめてほしい。
そのうえで入試改革後1年目・2年目の専門学科・普通科それぞれの出願状況を見ながら各高校が独自のタイミングで改革していくのではと思います。
御三家以外の学校も「100%独自枠」にしてしまうという可能性については、そもそもトップ校と呼ばれる堀川・嵯峨野と違い、その他の特進系専門学科を設置している高校で<独自枠>100%にして定員を満たせるのかという問題があり、単願しかできない独自枠で定員が割れたらそこで試合終了なので、そのような大胆な変化はできないのではないかとおもいます。
こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、大部分の生徒にとって特進系専門学科は”専門”のところが魅力なわけではなく、単に普通科よりレベルが高いからという”特進系”であることが理由。
「探究授業は大学入試の総合選抜で有利」とはいえ、今やパンフレットに「探究」の文字がない学校を探す方が大変です。専門学科なんてない他府県や私立でも「探究」はしているわけです。それこそ総合選抜のために探究っぽいことをやっている学校もあるわけで。
逆に言えば難関国公立大を目指す生徒でもなければ(特に難関私大を目指すなら)、わざわざ”特進系専門学科”に進学し…
☑ 成績をとっても指定校推薦がもらえず…
☑「探究」に時間を取られながら…
☑ 入試科目でもないのに「研究」なんて名前が付いた入試対策のための追加授業や補習を受け…
☑ (強化指定の)部活は諦める
なんて必要もないので、普通科の方がいろいろと都合がいい。
そういう意味では、桃山・山城・紫野などは普通科を継続するでしょう。

最近定員割れが心配な洛北高校は普通科を縮小または専門学科化して中高一貫コース拡大はしないのでしょうか?今のままではジリ貧な気もします。
指定校推薦狙い
余談ですが、特に指定校推薦狙いで高校・学科を選ぶ人にとって、専門学科への1本化、もしくは逆に専門学科の廃止などという変化は大きな問題。
コースが分かれており、上位コース(専門学科)が国公立や難関私大一般入試で実績を出すことで、”推薦枠”を獲得してくれて、下位コース(普通科)がそれを享受するという”おかしな構造”が魅力なのに、一本化されたらその仕組みが崩壊します。(悪い顔で書いています笑)
人気の鴨沂高校ですが、偏差値帯が近い紫野高校と違って専門学科がないため、難関大学への合格実績が振るいません。そのため指定校推薦枠も増えず、入試偏差値の差以上に関関同立、産近甲龍への合格者数が少ないのです。

そう考えると現在特進系専門学科を設置している学校が専門学科を廃止することは難しいですし、堀川嵯峨野のように難関私大への指定校推薦を捨てる(「一般で受けたら受かるところを推薦なんてする必要はない」※〇峨野高校教諭談)ような度胸もないでしょう。
私立です。しっかり明確にコース分けされており、最上位コースは一般入試、真ん中のコース以下は推薦という先ほど書いた”仕組み”がはっきりしており、そもそも推薦の数が大人の事情で公立より多いですからね。
公立に生徒をせき止めていた堤防が、私立無償化で本当に低くなってしまい、いつ決壊してもおかしくない状況です。もはや中堅公立高校に通う意味とは?って話になりかねない。10年後に一体公立高校はどれくらい残っているのか…。
私立無償化については今のところ本当に無料になるの?という感じで皆さん懐疑的な感じ。無償化といってもなんやかんやで足が出るってところが引っかかってる感じでしょうか。しかしこれが浸透すればするほど、例えば鴨沂高校の倍率は確実に下がると思います。人気の理由が立地と校舎では私立の勝てませんよね。
現在高倍率の学校ですらこんな心配をしないといけないのに、毎年定員を減らして対応している不人気校は、開建高校のようにそもそも名前まで変えるぐらいの変革をしないと生き残れない可能性も。

「大学入試」というキーワードが通用しないレベル帯の学校ほど「普通科」での集客は難しいわけで、特進系ではない専門学科への1本化は現実味があるような気もします。
大学入試では入試のハードルを下げることで集客するのは下位校の常套手段。偏差値が下がると科目数が減る。
この手法を使うなら<独自枠>創設しかない。しかし職業専門学科は軒並み定員割れ。となると総合選抜対策という新たな大学進学へのルートを売りにした開建スタイルの乱立…。いや乱立したら意味がないのですが…。
やっぱり統廃合しかないか…
特定の地域では工業高校が再注目されています。一部上場企業に高卒でどんどん就職し、中小企業まで回らないといわれています。
にもかかわらず京都の職業系専門学科の不人気ぶり。
「普通科で推薦⇒適当な4年制大」という価値観で本当に良いのか。
公立高校の踏ん張りどころはこの変にあるのではないかと思います。
最後に
いずれにせよ、大きな変更は早めに発表してほしいものです。
現2年生から影響が出るわけで、発表が遅ければ遅いほど対策が打てなくなります。
堀川と嵯峨野の普通科を目指していた現中学2年生は、あくまで堀川・嵯峨野という高校に通いたいなら専門学科対策をせざるを得なくなったわけです。あと1年8か月で…(勉強面では全く問題ないと思いますが)
改革が受験生にとって良いものとなるよう祈っております。
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