「そいる塾長が解いてみた」2018年度京都公立高校前期選抜【国語】

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

こちらの記事は2018/2/18に前のブログで書いたものを自分でリライトしたものとなります。リライトといってもほとんどそのまんまですので入試直後にパッと解いた感があふれています。その辺踏まえてお読みください。

 

 

2018年2月16日に実施された京都公立高校前期選抜の問題をぱぱっと解いてみた感想(&ちょこっと解説)を。

前期選抜の問題はこちらからどうぞ。
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※以下、詳しく解説はしていませんが、問題画像とともに着眼点などには触れていますのでネタバレが困る方(まだ解いていない受験生の方)はご遠慮ください。

 

 

本日解いてみたのは「国語」

大問1

難易度:易

大問1は昨年と同じく読みやすいやわらかめの文章で、設問も非常に易しい。

ずばりここで高得点を狙ってほしい。

記述問題も条件が明確抜き出す箇所、用いる箇所がみえみえなので解答要素は容易に見つけられたと思う。

これで取れないようであれば中期もかなり厳しい。至急対策すべき。

この問題なら国語の評定が2の生徒でも読解問題は満点取らせる自信はある(笑)

ただそういう子に、(3)「真摯」を読ませる自信はないですが(涙)

なお出題された作品はこちら。興味のある人は是非。

 

前のブログでは生徒に少しでも興味を持ってもらおうと入試で出題された作品を読んでブログに感想文をアップしていたのですがしばらくお休みしております。

ちなみにこちらの作品も未読です。ごめんなさい。

前のブログは記事を全削除しましたが全てこちらに移行していますのでので、そのうちそちらの記事も徐々に再アップします。私のブログでダントツの不人気記事なんですが…(笑)

 

 

大問2

難易度:やや難

大問2は昨年に引き続き哲学がテーマの評論文で抽象度が高く読みにくい、これぞみんなが嫌がる評論文という感じですね。

「読んでいて内容が頭に入ってこなかった」という哲学が出題されたときあるあるを言ってしまった人も多かったのではないでしょうか。

なお出典はこちら↓

ご覧の通り、本文自体は公立入試で中学生の入試に出題するべきものとは思えないレベルかなと。

東京大学出版の教養本てことで一応大学生くらいを対象に書かれた文章ではないでしょうか。

公立入試の共通問題で出題する必然性は感じませんし、去年の問題とかぶる部分があって出題センスを感じないですね。(さくっと批判してみました笑)

しかし、案の定設問のレベル設定は緩い。

課題文が難解な場合は設問は緩い

これはよくセンターレベルの入試演習しているときなんかに高校生に言うことなんですが、まさにこれ。

抽象度が高い文章ほど、論旨だけをしっかり抑えるように読めば、問題設定はシンプルにそこを捉えているかどうかを聞いてくれるので、ある意味楽。

とはいえ、なかなか中3生には難しい。特にこのレベルの課題文で入試対策してきていないでしょうからね。教科書掲載の評論文のレベルからぶっ飛ばし過ぎではないでしょうかね。

京都の公立入試の問題ってぶっちゃけ面白くないんですよね。センスない(2回言ってみました笑)

まあ高校入試は公立も私立も問題つくるの下手ですね。(喧嘩を売り始めました笑)

出典はまだしも、問題設定が甘く、模範解答は突っ込まれたら昨今の京大や阪大みたいに困ってしまう問題が盛り沢山です。

文句はこの辺にしておいて、あえて間違えそうな問題をあげれば読解問題より(6)の文法問題かな。(生徒が質問してきたので書いただけなんですが ※その子は正解してました。)

「少しずつ」を副詞と見抜けるか。「少し」と「ずつ」で切ってしまって、名詞と副助詞って考える人が…、いやそんな選択肢がないので間違えようがないですね。

「少し」で形容詞と考えた人はパニックにでもなっていたのでしょう。うん、きっとそうだ。

語尾が「し」で形容詞って古文かい!(笑)

つまり問題自体はどれも難易度が高いわけではないので、(私は中3生にも高校生と同じく「マーキング」という手法を用いた読解法を教えていますが、これを使って)あまり深いところまでの内容理解にこだわらず、書いてある語句を丁寧に分析しイメージ化できたかどうかが鍵となりそうです。

また、内容自体もよく読めばシンプルな対立構成に収斂するので(うちの中3には講習で教えた「2項対立構成」を使ってマークした)本文のキーとなる語句を処理できたかどうかも勝負をわけたかなと。

つまりここでとれる人ととれない人が明暗を分けたかなと。

「国語が得意だと思ってたけどこの問題で死んだ」という人は大学入試で国語は得意科目にならないと思うので頑張りましょう。

もしかすると高校入学後最初のベネッ○の模試ですごくおだてられることはあるかもしれませんが、確実に大学入試の現代文では平均レベルとなるので頑張りましょう。(あー怖い。)

でも実際のところ、京都の公立入試問題では、問題を解く際の読解処理を「花子」「一郎」(7)でやってくれている(これも講習で口酸っぱく言いましたが花子と一郎はかわりに読解してくれるお助けキャラであることは忘れてはいけない)ので、彼らの誘導に乗っかって(7)の□の中をしっかり読み、標識となる語句(今回の問題で言えば「逆に」など)を探せば一瞬で記述問題の解答要素は見つかりますね。

うん…、これでは分かりにくいので一問だけ解説してみましょう。

本当は動画解説したいんですが、今は録画する時間と場所がなくてね・・・。

時間ができたら作りますのでしばしお待ちを。

ということでブログで解説というクソめんどくさい難しいやり方に挑戦。

 

大問2の(7)の②

 

YとZの□の間にある「逆に」に注目。

これを「相互構成的」というキーワードが書いてある第8段落から探しましょう。

 

すぐに見つかりましたね。赤□でかこった「逆に」の前後を読みます。

この青線の部分がY緑線の部分がXの解答要素となります。

こんなものは記述問題と言っても実のところ脱文補充問題なので、どこを書けば良いかは問題がほとんど教えてくれています。

中期と違って記述が多い前期ですが、正直いうと、こんなもの記述式の問題などとは言いません。

本当の記述問題っていうのは…   と言いたくなってしまうくらいの問題です。

本文で解答要素となる部分を見つけたらその文章の語句をY、Zの□にうまくハマるように組み替えるだけ。

例えばYの問題。

今探し出した解答要素は青線部。

「自己の概念は、既存の関係性から影響を受けてかたちづくられる」

Yの□のまえには「他者との関係性に」、うしろには「され」とあるので

「自己の概念は、既存の関係性から影響を受けてかたちづくられる

「関係性に」につながるように文の要素の順番を並び替えて…

「自己の概念は既存の関係性から影響を受けて自己の概念はかたちづくられる

このままでは17文字。15文字におさめるために「かたちづくられる」を言い換えて・・・

「影響を受けて自己の概念は形成される」…模範解答

なお「形成」という言葉は本文中の「かたちづくられる」の左隣の行に書いてあるので言い換えは簡単ですね。

 

Zの問題

Zの方もやってみましょうか。難易度はこっちのほうが高いかな?

まず、緑線部を見てみましょう。

「そのような自己のありようが、翻って、関係性の形成と維持に影響を与えてもいるのである。」

問題ではZ□のうしろが「に影響を受けて形成、維持され、私たちを・・・」となっている。本文では「影響を与え」、問題のZ□のうしろでは「影響を受けて」となっているので英語の受動態のように、緑線部を受け身の文に変換する必要があります。

「そのような自己のありようによって翻って、関係性の形成と維持に影響を与えられいるのである。

受け身の文にあわない助詞や不要な部分を削っていくと…

「そのような自己のありようによって、関係性影響を与えられている」

Z□のうしろ「に影響を受けて…」にあうように更に削りながら用語の順番を並び替えて…

関係性がそのような自己のありようによって関係性が影響を与えられている

関係性がそのような自己のありよう」

これで16文字。先程のXと同じように左隣の行をみるとこの「関係性」は「他者」との関係性のことだとわかるので…。

他者との関係性がそのような自己のありよう」・・・(模範解答)

こんな感じでしょうかね。

解答要素は簡単に見つかりますし要素を合成する必要もないですが、文の構成にあうように変換できるかどうかの記述力が必要でした。

採点基準が不明なので、ここまでガチガチにこだわってやらなくてもよいのかもしれませんが、白紙で出してしまった人は本当にもったいない。

せめて解答要素を見つけ出して、それっぽく解答を作っていれば部分点があったかもしれませんね。

しかしブログで解説はめんどくさい。動画取ったほうが速いな(笑)

 

大問3

難易度:易

いつも通り大問3は古文。馴染み深い「徒然草」で本文も短いので簡単だったのではないでしょうか。

前期の古文は難易度が高いという路線をやめたのでしょうか?

中期で出題されても今年は簡単だったと言える問題。中期より簡単じゃね?たしかに中期よりは長いですが。

これも講習で話していた「高校入試古文にはファンタジー・SF作品も多い」を思い出してもらえたかな。

徒然草なら最後の一文がすべて。この辺も講習受けてたら分かっていたはず。

「深く信をいたしぬれば、かかる徳もありけるにこそ」

この一文ですべてが分かってしまうシンプルな文章。

非常に読みやすい上に、これまた大問2(3)で「加奈」さんと「健太」くんがほぼネタバレしながら会話してくれているので、問題も簡単だったはず。

係り結びの問題が解けなかった私の生徒は切腹ですな。もしくはカンチョー(笑)

上位校狙いなら大問3は満点必須でしょう。

 

まとめ

以上。今年の前期選抜国語を解いた感想です。全体としてみれば難易度は昨年よりも簡単という印象。

ただし読解問題が苦手な人というか、論理的な読解ができない人には大問2が厳しかったかもしれませんね。

あとは抽象度の高い語彙からのイメージ化ができない人。100%意味がとれなくてもいいけど0%になるときついわね。

あと昨年度の問題よりも模範解の根拠が明確なのは良かったかな。

大問2の難解な文章に心を折られていなければ高得点で他の人に差をつけられるのではないでしょうか。

ということで昨年度よりは平均点は上かな?

そろそろこの辺のデータはちゃんと発表して欲しいものです。

京都の受験システムは他府県に比べたら遥かに遅れていますね。

それにしても高校入試なんで解くのは簡単ですがブログで解説はホント大変だ。

恥ずかしいから嫌だけどこれからは出来る限り動画をアップしよう。

どうせうちのシステムなら声だけでこのイケメンを世界に発信しなくていいわけだし。

次回は数学と英語のどちらか解いてみます。(2018/2/18更新)

 

今日はこのへんで。



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