どうも、そいる塾長です。
本日は「自立学習」について。この「自立学習」という言葉が非常に厄介。使う人によって、また聞く人によって違った意味になっているような気がします。
そしてその「自立学習」ができる子を育てるための新たな指導形態「空間系(集団個別式)」。
SOILでも大切にしていきたいものなのですが、どう定義し、どのように塾に取り入れていくか一度整理してみます。
集団個別方式(空間系)ってどうなのよ?
TwitterのTLにもこの集団個別方式(空間系)の塾を運営されている先生がいらっしゃいます。
今日は自分にとってとても魅力的でありながらわからないことだらけのこの形態の指導方法について考えてみたいと思います。ぜひぜひコメントなどでご指導いただければと思います。
開校までに塾見学にたくさん行くことができれば良いのですがなかなか時間と資金がね…。
指導者に高い能力が求められる空間系
一度に全員が全く異なる学習を行うのを管理しつつ、それぞれに対応していく指導方法。これはかなりの技量がないとできない方式だと思うんです。
当然多科目に対応できることは大前提ですし、臨機応変な対応が求められて行くと同時に、生徒一人ひとりの進捗管理がとても難しい。
ただ自分としても自主学習こそが、勉強において最も大切な部分であるという考えなので、その意味では、受け身ではなく授業内で生徒が能動的に学ぶこのスタイルは非常に気になるところ。
ただ受け入れられる層がやはり一定レベル以上でないと難しいのかなという印象もあります。もしも能動的に学べない子を受け入れてしまったならやはり手がかかってしまう印象があります。
そういった子をいかに早く「自立学習」ができる段階に持っていけるかがこの方式で一番求められる能力なのかなと。
市場の評価
この方式が一人でやっていく上では理想系かなとも思うのですがやはり足踏みしてしまうのが経営面での問題。
よく耳にするのはまだこの形の有用性が世間で認知されていないという話。あくまで授業をしてもらうことに価値を置くという考えが根強く、このスタイルをただの自習と区別してもらえないとのこと。
よく自習室で質問対応はしてもらえますか?という質問を保護者さんから受けます。当然無料でという意味です。これが厄介だなと。どうやって伝えるべきか。
自習とは?質問とは?授業とは?…この辺の認識が生徒や保護者さんによってバラバラなんですね。
例えば、生徒が自習室で英語の勉強をしていて、「この単語の意味ってなんですか?」と質問される。
我々塾や学校の先生からすれば自分で学ぶことを重視するのが当然。だからこそ正しい対応は”教えない”ことです。ここで教えてしまってはその後自分で英単語を調べ能動的に学ぼうとする機会を潰してしまう。
しかし世間には違った認識がある。「丁寧な指導」「わかりやすい指導」という言葉への誤解です。
ここで英単語の意味を教えてあげるのが「丁寧な指導」「わかりやすい指導」だとするならば生徒を潰すだけ。結局生徒に楽をさせているだけで完全にその場しのぎの指導。もしかしたら明日のテストには有効かもしれない。ですが今後その子が勉強する間ずっと横についていてあげなくてはいけない。
それでは必ずどこかで限界が来る。だからこそ”自立学習”ができるようにしてあげないといけないわけです。
「自立学習」という言葉の意味
「自立学習」という言葉が、大手学習塾のテレビCMで流れるようになってくるとともに世間でもこの重要性は認知され始めたかと思います。
しかし本当の意味で「自立学習」とは何かということは理解されていないようです。そもそも定義自体が難しいもの。
おそらく世間のイメージはこんな感じでしょうか…。
勉強には勉強法とかコツとかがあって、それをうちの子はわかっていないから勉強ができないんだ。だからそれを塾で教えてもらえば「自立学習」できるはず!
「うちの子は勉強のやり方がわからないんです」という相談は本当に多い。ですが残念ながらそんな簡単なことではないんですよね。
もちろん勉強法はあります。これから私も勉強法についての記事をアップしていくつもりです。
それだけで大きく変わる子はいる。最近話題の学校の意味不明な課題。馬鹿みたいに大量の書き取り練習や、カラフルノートまとめ。ああいう間違った勉強法を正すだけでも効果はある。ですが「方法」だけでは全く変わらない子がいるのも事実。
その違いは何か。これは難しいのですが、学習障害や発達障害といったものが原因でなければ間違いなく「意識」と「考える力」の差かなと。これらもまた定義がとても難しいのですがやはりこの辺を抜きにして勉強ができるようになるかを考えてはいけないように思います。
例えば社会のテスト勉強をするために「まず教科書を読みましょう」と言うと、もうこの時点で差が出る。しかも圧倒的な差です。どう教科書を読んでいるか、そしてそこでどれだけの情報を得ているか、そしてそれがどれくらい頭に残るか。
社会は暗記科目だという場合の「暗記」のレベルの差。ただの丸暗記か理解を伴った暗記か。イイクニつくろう鎌倉幕府で年号は暗記しても、鎌倉時代がどのような時代で、歴史上どのような意味を持つかは理解していない生徒がいる。それでは暗記法を教えたところで意味がない。
これらは勉強に対する「意識」と「考える力」がもたらす差。「自立学習」ができるようにするということは本当に難しいタスク。
だからこそそれをできるようにするのが塾の役割だと考えるわけです。
単に自習室へ放り込んだり家でやれといって勉強法を伝えたらあとは本人次第、ではやはり難しい。勉強の「型」が身につくまでのサポートは必要ではないかなと。放置でできるようにするのは難しい。管理は必要だと思うんです。
優秀な高校生であってもやはり完全放置は難しい。だとするとより「意識」の低い小中学生は言うまでもありません。
そしてそこには当然我々の労力が必要となるわけで本来はその対価を得なければならないということになるわけです。
だからこそ、それを授業内でしっかりと仕込んでいくことが大切なんですよね。単なる知識の伝達ではなく「意識」「考える力」を身に着けさせて自立させていく授業。ここにとことんこだわりたい。めっちゃ難しいんですけどね。
当然小学生や中学生には知識の伝達としての授業も必要。現在の学校状況を考えても口が裂けても学校の授業をちゃんと聞いていれば大丈夫なんて言えません。高校生であっても通っている学校によってはそれは同じ。
どうやって短い授業時間でそれを両立させていくか。そのためには当然授業外をどのように管理していくかが非常に重要となると思います。
集団個別方式(空間系)をどう取り入れるか
理想は、授業で完結させることですが、それだと個々の能力差がどんどん広がるなとも思うわけです。
だからこそどこかで集団個別方式(空間系)を取り入れたいとの思いもあります。
今の塾でやっているテスト前対策講座やサポートを行う補習がこの形なのですが、無料でやっています。ここで自分が指導することで学生講師の指導力不足を補うという意味もあったり、自分が全員を見る機会とすることで成績アップはもちろん、それによる宣伝効果も狙ってのことです。
ただこれはもう少しシステムをきっちり作っていかないと大変。せっかくのこちらの熱意が正しく伝わらずクレームの対象になったりして…。
本当に無料でやるのがいいのかどうかを含めて色々考えていかねばなりますまいなと。
ちょっと考えているプランはあるのですが、はたして上手くいくかどうか…。またどこかでお話したいと思います。
今日はこのへんで。
コメント
一度にたくさん答えると大変なので(^_^;)
うちの例で言うと、受け入れる基準は決めてます。それはテストの点数や通知表などではなく、「うちのやり方に納得して、ついてこれるかどうか」ですね。その辺りは、最初の面談でしつこいくらいに言います。そして判断するのは体験授業での様子を見て。ここで「あ…この子は無理だな」と思ったら、後の面談で率直に言います。なので、うちは他とは比べ物にならないくらい体験授業からの入塾率は低いと思います(笑)
でも、このやり方になったのも定員近くになってから。開塾当初はそんなこと言っていられませんから、受け入れて無理やり何とかしてました(^_^;)
あと、集団個別は雰囲気づくりが大事です。勉強する気のない子には「勉強しないなら帰っていいよ」と何度も言いました。それを聞いている周りの子が、「ここは勉強する場所なんだ」と認識してくれれば、後はどんな子が来ても大丈夫です。というか、そういう子は体験授業の段階で自分から「無理」だと悟るようです。
まあ、最初なので、こんなもので(笑)
たかとりーな先生!お忙しいなかありがとうございます。やはり誰でも受け入れるのは難しいのですね。う~ん、迷います…(;_;)