【最も危険な大学受験⁉】中堅国公立大学狙いの憂鬱

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

今日は大学入試のお話しです。私大難化が止まらないなか、今一番危険なのが中堅国公立を狙う層ではないのかなと思いまして。ちょっと脅し気味に書いていますがお許しを。

中堅国公立狙いがなぜ危険か

ずばり私大難化が原因です。
私大難化についてはこちらの記事からどうぞ。
https://soil19.com/greatdepression
もちろん私大が難化したために中堅国公立にターゲットを切り替える方が多いのも原因として考えられるのですが、今回私がお話ししたいのはそういう意味の危険性ではありません。
ずばり中堅国公立志願者は”全落ち”する危険性が高い
ちょっと衝撃的な言い方かもしれませんが、以下そう考える理由を見ていきます。
決して中堅国公立をやめておけという意味ではなく安易にこの辺ならいけるだろうと思うと”死ぬ”ということです。

センター7割でOKという甘い罠

中堅国公立と言えば、関西(京都の高校生が志望するところ)で言うと京都府立や兵庫県立、京都教育、京都府立医大の看護、あと滋賀大などですね。あとは国公立至上主義の高校が激推ししてくる地方国立…。
いずれもセンターボーダーが高くて7割台くらいのところですね。
実はこの辺が最も危険なんですよ。
国公立はセンターで要求される科目が多い。これが国公立の難しさで多科目をバランスよく勉強せねばならず高3デビューでは間に合わないわけです。
多科目をバランスよく勉強する…これが危険なんです!
なぜかというと、こういった中堅国公立大学は京大阪大神戸大などと比べ2次試験の科目数が少ない。下手すると小論文のみ。となるとセンターで満遍なく7割とれればOKという勉強をしてしまいがちです。だって記述式でハイレベルな2次試験対策が必要ないからです。
私大に絞ると科目数が3で済みます。「だから楽」というのはある意味幻想で、その分その3科目は尖らないといけません。逆にそこに苦手科目があると残り2科目でカバーするのは至難の業。
とてもじゃないですがセンター7割レベルの力では関関同立など足元にも及びません。
そこへ来てこの私大難化の「世界恐慌」です。産近甲龍の合格最低ラインが8割越えなんて状況。これまたセンター7割レベルではもはや突破が非常に厳しい状況です。
ですので武器となる科目がない、または苦手科目が私大3科目にあるような人にはたとえ多科目を勉強することになっても中堅国公立は私大よりも有利な状況となります。
それでその志望校に合格できるなら問題はないのです。合格できれば。
合格できなかったとき、本当の恐怖が訪れる。

国公立の偏差値に現れない難しさ

予備校の偏差値表をみると私大に比べ国公立の偏差値は驚くほど低い。
これは当たり前で上で書いたように3科目のみで偏差値を計算する私大と多科目で計算する国公立ではわけが違う。どうしても多科目の勉強はそれだけでハードルが高く全体としての偏差値は低くなります。科目数が異なる大学を偏差値で比較してもしょうがないのです。
そしてもう一つ、国公立には合格を阻む最大の壁が…。
全て一発勝負であること
センターには魔物が住んでいます。
この辺の記事をぜひ。
https://soil19.com/kakomonhorror1
https://soil19.com/kakomonhorror2
https://soil19.com/kakomonhorror3
中堅国公立はセンターでこけたら試合終了
メンタルが弱いと即退場という熾烈さが国公立にはあります。だからこそ中堅国公立に絶対合格なんてことは誰にも約束できないわけです。
となると滑り止めの私立大学が必要になるわけですね。

国公立受験者のプライド

高校から「国公立信仰」を植え付けられた国公立第一志望の生徒たちはやはり国公立を志望することにプライドを持つ。
多科目の勉強をこなす素養をもつ彼らはおそらく学校でも成績は良好なはず。まじめに頑張ってきた子たちが多い。ま、それは定期テスト対策なんですが…
そんな彼らが滑り止めの大学を考えると…。
そうです、当然ある程度”名のある私大”になってきます。親の世代の頭の中では私大の評価は一昔前の難易度のまま。
滑り止めだからといって安全圏を容易に受験できないのです。気持ち的に…。
「最低関関同立…」、「最低産近甲龍…」だってそうです。中学のときに自分よりはるか”下”に位置していた同級生が内部進学や指定校推薦でSNSで遊びまくっている様子を見せつけながら合格通知を見せつけてきます。
しかしもはや中堅国公立志望者がこのあたりの大学を滑り止めにするのは認識が甘いと言わざるを得ません。

私大対策をしない国公立志願者

JK
JK

過去問も解かずに同志社受けに行ったら英語が難しくてびっくりしたけど合格しちゃいました♪

こんな人もいます。
ですがこれはだいたい京大志望者など。圧倒的に上のレベルを持っていて同志社で要求される記述式にも対応し、理系だと数学と物理で満点近く取っちゃうような人だけ。
中堅国公立の生徒でこれはない。
関関同立はセンターレベルじゃないんです。
分かりやすい例を言えば今年センター日本史で8割超えの生徒が同志社で5.5割です。立命館はもっとひどいでしょう。
彼は神戸大志望。圧倒的な英語と国語力(両方とも8.5割)がありましたからなんとかあまり対策せず同志社に合格しましたが普通はそうはいかない。
私大の社会科が一番わかりやすいですがセンターより難しいとかそんなレベルの話ではないのです。
もはや別物
そう考えるべきなんです。
産近甲龍なら…と思うかもしれませんが先ほど書いたように合格最低点がうなぎ上り中で、もはや一つのミスが合否を分ける戦い。
となると大切なのは対策です。
過去問研究で私大特有の問題形式に慣れたり、求められるレベルの学習をする必要があります。
しかしセンターのために多科目の学習をする生徒にはその時間がない。
そして何より「国公立信仰」の高校には中途半端なセンター対策はしても私大対策をしない。したとしても各大学1年分ずつ演習とかそんなレベルです。
そもそも関関同立対策なんてのがおかしいのです。そこをまとめている時点でそのコースや講座に価値はないです。全部別物ですから。
そんな状況でろくな対策もないまま私大入試ツアーに突っ込んでいくことになります。
私大難化で合格最低点が上がった今合否を分けるのがこの対策が必要な部分。以前ならそれ以外でカバーできた部分がもはやカバーできなくなってきていると言えるでしょう。
だから今年聞いたところでは第1志望の慶応・早稲田に合格し、G-MARCH全落ち、唯一早慶以外で合格したのが東洋大という話も。
これぞ対策の有無が合否を分けた好例でしょう。
無対策では滑り止めを2ランク下げないといけないということです。
センター前は「一応受けとくか…」みたいな国公立志望者も当然センターでこけると必死です。センター利用で滑り止め…なんて舐めたことを言っていた人も青ざめます。
急いで私大の出願先を増やしたりするわけですが、立命館志望者が関大、龍谷志願者が京産大といった風に”横”に増やすばかりで下に増やさない。
この段階でもまだ複数日程あっても一日だけしか出願しなかったりする変な強気を見せたりします。
そしてそこから泥沼に。
次々届く不合格通知。
焦ってB日程、C日程、後期とプライドをかなぐり捨てて出願するもそんな大学ですら恐ろしい倍率を目にしてメンタル崩壊です。
Fランと呼ばれる大学の倍率が跳ね上がり、後期になれば阪大志願者が近畿大に落ちる時代です。
今はまさに”世界恐慌”なんですよ。
それに大学入試は倍率が1.6倍ごときでギャーギャー言う高校入試とは違うんです。”名のある大学”というのは近所で評判の偏差値60程度の高校に合格するのとはわけが違うんです。大学入試は”全国大会”ですからね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
私大難化は皆さんが思っている以上です。今年も相当きつかったようです。またその辺はまとめた記事を書きますが、思っている以上に現役生とその保護者さんの意識が低い。
最初にリンクを貼った私大難化の記事のPV数が受験前より受験後に伸びるんです。
落ちる人は落ちて初めて気づく
厳しい言い方ですがアナリティクスを見て思いました。
あの記事は受験が終わった人に向けて書いたわけではありません。新高1、2生の保護者セミナーでお話するようにまとめたものです。
情報を持っている人ともっていない人では勝負にならないのです。
高3になってから塾に…。そのとき手遅れになっていなければいいですね。
塾で勉強するのは生徒だけじゃないんです。
保護者さん、あなたは本当にちゃんとした情報を持っていますか?
今日はこのへんで。

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