京都公立高校中期選抜の【傾向と対策】

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

本日は京都公立高校入試(特に普通科)の本番ともいえる京都公立高校中期選抜について。まずは【傾向と対策】ということで中期選抜の特徴と攻略法を解説します。前期が終わったら中期の対策をするわけではないので特に公立普通科志望の方は今からしっかり対策を!

こんなのが届きましたので急遽過去記事をリライトしてまとめました。

例によって細かい入試の情報をコピペしてもしょうがないですので、要項には書いていないことや書いてあっても細かすぎて伝わらないところを何回かにわけてポイントを書いています。

ちなみに前期選抜関連のお話はこちら。

いつも通り基本的な仕組みはこちらの教育委員会のページでご確認下さい。

中期選抜の特徴

中期選抜では内申点が195点(5教科3年分+副教科3年分×2)と当日の入試の合計点200点とほぼ同等の扱いとなります。

よって入試当日には合否が半分決まっているようなものです。

音楽など副教科の評定をどこかで1上げれば、入試当日数学で正答率が10%以下の難問を解いて2点稼ぐのと同じことになります。

まだ1年生や2年生なら副教科を頑張るべきなのは言うまでもありませんね。

だから京都では3年時に私立入学を決断する人が多い。頑張るよりも入試の”仕組み”を変えたほうが早いと言うような判断がおきてしまいます。

だって3年生になってやる気を出しても公立高校は受け入れる気がないのですから。

そのための前期ということなのでしょうが、それならもう少し前期は尖がってもいいのではないかと。

正直私がお話した限りでは高校の先生もこの内申点に意味を見いだせないでいる様子。多くの私立高校が入試当日この内申点を加味しないところをみれば明らかではないかと。

京都の公立高校が本当に優秀な生徒を獲得したいなら仕組みを変えるべきではとも思えますね。

※なおあまり気にしなくていいですが中期選抜の合否判定の仕方が単純に足し算した合計点勝負というわけでなくややこしいのでそれはまた別の記事でまとめます。

 

中期選抜の傾向と対策

全体的(特に国数英)に入試制度が変更されてからやや難化傾向にありましたが、数学の易化傾向によりここ2年は落ち着いている。

その他問題レベルだけでなく、説明問題が増えるなど多少の問題形式の変化がありました。

数学の易化傾向は顕著ですが英国は一昔前よりも断然高得点(8割以上)が取りづらい状況は継続中。

過去問演習の際はそのあたりを注意して、あまり古い問題を解いて簡単だと勘違いすると困りもの。そういう意味では過去問と合わせ市販の予想問題なども演習しておくべきかと。

2年前(2016年度入試で)、数学の問題レベルを上げすぎてから、この2年で落ち着かせた感じがありますので中期の数学は今年もそこまで暴れないかとは思います。

あの時は数学の難易度が他科目に比べ差が出すぎていました。お偉い先生方もネットで批判したりしてましたし、流石にあれは失敗だったかなと。

ただ内申点が重視の中期選抜では、これまでの入試問題では当日の逆転が難しかったのですが、難化すると少しは当日の逆転に希望が持てる人も増え、良い傾向だと個人的には思うのですが、昨年の問題レベルを見るとやはり内申が大切ですね。

中期選抜の問題レベルは前期選抜よりも確実に易しいレベル設定です。

とはいえ逆に内申点で逃げ切ろうとしている子が当日あまりにやらかすと一気に逆転されてしまうので注意が必要です。

基本問題をどの科目でも絶対に落とさない学習が大切。

 

中期選抜攻略法

基本的に入試というのは闇雲に努力するだけではダメです。作戦をしっかりたてていきましょう。

そのためにもまずは、自分の学校の合格ラインを見抜く必要があります。もちろん京都の公立高校はそれを発表しないので、様々な塾がブログなどで予想ラインを立てています。

ただこれは、大抵模試会社さんの追跡情報などをもとに行っているだけ。

ということでこちらの大阪進研さんのサイトを参考にしてみてくださいね。

それでもサンプル数は全体には及ばないのでアバウトなラインとなります。

当然毎年倍率も違いますし、何より問題レベルも違うので信頼し過ぎは禁物です。

紫野、鴨沂、朱雀なんかは特に倍率だけで合格最低ラインが大きくかわりそうなイメージなので、志望校調査が発表されてから倍率を見てしっかり相談した方がいいです。

ただし第一次調査の結果見てウホウホ言いながら飛びつくと本番の倍率見て大事故を起こしかねないのでご注意を。考えることは皆同じです。

また合格ラインのお話などは別の機会に!

合格後のコース分けに注意

これ考えていない人はホントに注意しましょう。

旧来の入試制度ではⅠ類とⅡ類、私立高校のコースはそもそも別入試のため入り口でしっかり考え選べますが、現状の公立普通科のコース分けは合格後。

学校によりけりですが、本人の希望をもとに入試の得点や内申点にベネッセの学力テストの結果も加味して決定されるようです。

コースでなにが変わるかという点ですが、大学進学です。

単純に上が国公立大コースと下が私立大コースで分けるところが多いです。

履修科目や授業数が大きく変わってくることがあるので、レベルがどうのこうの言う前に大学はどっちに進むつもりか考えておきましょう。

入る時は同レベルでも出る時は天と地ほどの差が出ることもあるので。

国公立狙いだが、その高校にはギリギリで受かるかどうかって場合はちょっと注意が必要。

ついに山城もコース制を廃止。これで堀川、嵯峨野、洛北、鳥羽など上位校はほとんどコース制ではなくなりましたのでこの辺受験する人はあまり気にする必要はないかと。

ただしあくまで国公立信仰が強いのでそうでない方にはしんどいかもしれませんね。

そういや東大って、入学時は大きく類だけ選んで入学後に学部を振り分けられます。これと同じですね。航空機つくるぞって言って入学した友人が、数年後飛行機の素材を研究してましたw

 

どうやって合格ラインを超えるかの作戦を立てよ

合格ラインは参考までにしてもらうとして、とにかく合格最低ラインを超えれば合格は可能。

内申点と合わせてどうやって合格最低点を超えるかを考えましょう。

合格最低点を超えればそれでいいというわけではないですよ。入学後のこともありますので。ですがここを越えねばその学校には行けません。ということでまずはここを超えましょう。

となるととくに過去問での演習結果は大切です。時々保護者さんが、秋頃に勇み足で買ってしまい子どもにダメ元で解かせてみちゃう。またちょっとずつ味見程度に解いてしまう。

絶対やめて下さい。

過去問は現状分析から当日最高のパフォーマンスを引き出すための貴重な資源です。

無駄使いは絶対ダメ。少なくとも各科目全範囲履修を終えるまではポイポイ解かないように。

中期選抜の問題形式は五ツ木・京都模擬テストとほとんど同じ。

ただし現在は前期選抜を意識しているのか難易度が入試本番より高めに設定されているかなと。ですのであくまで模試は判定や偏差値を見るようにして得点は気にし過ぎないように。

ということで得点率に関しては冬休み入る前に一年分古い年度のものを解いてみる。

※塾に通っている人は塾の先生の言うとおりにしてね。

ちなみに以下で入試問題は入手できます。

とにかく、まずは合計点を最低点より1点でも上回るために何の科目のどこで何点をとりにいくのかしっかり考えましょう。

もちろん公立中期選抜以外でも同じなのなのですが、特に試験ごとの特徴を抑え、自分にとって最も効率よく得点をあげられるのはどこかを見つけましょう。

「とにかく頑張る」では受験は勝てません。

肝に銘じてくださいね。

 

科目ごとの攻略法

以下、各科目の簡単な勉強のイメージを書いておきます。各人の得意不得意や学習レベルは考慮していませんのでご了承下さい。

英語

リスニング12点、筆記が28点。

リスニングは筆記に比べて非常得点しやすいでしょう。

「聴く」耳を育てることも重要ですが、リスニング問題特有の聴き方と解き方、メモのとり方やメモから聞き取れなかったところを推測する力など、リスニングテスト力を身につけましょう。

筆記は基本長文型で出題され、その中で文法や語句の問題が半分弱、残りは読解です。

苦手な人には時間短縮が得点アップの肝なので、先に問題を読んでから本文を読み、パラグラフリーディング(段落ごとに読んで内容を頭でまとめ、問題を解いていく方法)していくなど、大学入試でも使われる長文読解の基本テクニックをしっかりマスターしましょう。

読む速さ自体をあげたい人には、返り読みをしない前から読むテクニックを身につけていきます。語順、構文から語句にしっかり助詞の意味をつけてあげて、語句の役割をしっかり意識しながら読めば返り読みは防げます。

なれないうちは一文を前から読み切ってから、どういう意味なのか自分の頭でまとめ、次を読むというペースでも良いでしょう。

慣れてきてからは、音読しながら意味をとるようにすれば良いです。

これは発音や英文の音の流れなどというよくある抽象論から言っているのではなく、音読という作業をすることで日本語を挟まずに文の意味を取る練習が可能だからです。

いちいち日本語に置き換えずに英語のままで意味が取れる=内容がイメージできるように練習しましょう。

苦手な人はゆっくりでもいいし、難しい構文は立ち止まって考えても良いので徐々にスピードを上げるようにしましょう。

英語はできる人からすれば満点もよく出る貴重な得点源。

英語が得意なのに得点が伸びない不幸な人は何が原因かしっかり考えましょう。

以下私が昨年の中期選抜を解いてみた感想です。実際に演習した後で大丈夫ですので是非一度目を通してみてください。

国語

古文と現代文が書く1題古文では大抵短い説話が出題されます。

文法は係り結び程度しか尋ねられませんが、読解する上では知っていればかなりの強みに。

自分で学ぶ場合、高校の参考書は重たすぎるので、難関専門学科でも目指さない限り不要です。

高校の文法の入門編のような知識は学校の便覧に記載されている事が多いのでそちらだけでもしっかり頭に入れて読んでみましょう。

現代文では国文法、漢字、語句の問題が結構な配点を占めるので、対策のし易いこのあたりから攻める。読解問題も基本的に尋ね方が毎年あまり変わらないので対策を打ちやすい。

国語ではこの尋ね方は結構重要なので、過去問での練習が最も有用です。

ジャンルは評論、物語、随筆と出されますが、基本的に柔らかめの文章なのでまず読めないことはありませんが、ジャンルで得手不得手がある場合しっかり対策を打ちましょう。

国語は得意な人からすれば何も対策を打たずとも35点当たりをとるので、ここでコケると痛い。

正直定期テストの点数はあまり関係ない科目(漢字や語彙力は除く)なので、国語の評定が3しか取ったことのない男子でも勉強の仕方次第で当日36点くらいまで持っていけます。諦めず頑張りましょう。

これまた昨年の問題を解いてみた記事です。

理科

問題を難しそうに見せようとする出題者の努力は見えますが、問題のリード文が長いだけで、正直何もひねりきれていない問題が散見されます。

なぜ語句問題をひらがなでわざわざ書かせてくれるのかも意図が不明。

とにかく簡単です。一問一問を見れば定期テストよりも簡単だと感じる人もいると思います。

現状で模試の得点が低いような人は、単に復習不足である場合が多く、定期テストで得点できていた問題が模試で出来ていないだけという場合が多いです。

しっかり時間をかけるべきは理科と社会。

「理科と社会は裏切らない。」

ここが得点できずに落ちたなら努力しなかった自分を恨むしかありません。

基本問題さえしっかり抑えれば30点台は必ず超えていくので頑張りましょう。

昨年度ちょっと嫌な感じがしたのが理科。難化というほどではないかもしれませんが少し出題傾向に癖があった気がします。

一度こちらの記事を読んでみてください。

 

「そいる塾長が解いてみた」2018年度京都公立高校中期選抜【理科】
2018京都公立高校入試【中期】の理科の問題を実際に解きながら書いた記事です。各問題の分析やアプローチの仕方、勉強法なども書いておりますので参考にしてくださいね。

 

社会

地理分野は、学校の定期テストの問題は先生の趣味にかなり左右されますが、この入試では知識周りは割りと貧弱でも対応しやすい思考問題が多め。

思考問題といっても基本的な資料と地図の読み取り、そしてちょっとした計算。

ここがクリアできるかどうかが楽に高得点を狙うカギ。暗記に走りがちな社会ですがここだけは絶対にクリアしておきたい。

他は理科と同じで問題を難しそうに見せようとする出題者の努力は見えますが、問題のリード文が長いだけで、正直何もひねりきれていない問題が散見されます。

難しいキーワードや時事ネタをちらつかせはしても問題はちゃんと教科書レベルの基礎知識で解けることばかりですので騙されない。とにかく簡単です。こちらも一問一問を見れば定期テストよりも簡単だと感じる人もいると思います。

(以下りかのコピペw)
現状で模試の得点が低いような人は、単に復習不足である場合が多く、定期テストで得点できていた問題が模試で出来ていないだけという場合が多いです。
しっかり時間をかけるべきは理科と社会。
「理科と社会は裏切らない。」スプリングは標語として教室に掲示しております。

ここが得点できずに落ちたなら努力しなかった自分を恨むしかありません。
基本問題さえしっかり抑えれば30点台は必ず超えていくので頑張りましょう。

こちらも解いた感想をどうぞ。

 

 

 

 

数学

もっとも重要なイメージの数学をなぜ最後に持ってきたかというと、それは最も得点が伸ばしにくい科目だからです。

受験者平均得点も低く高得点者自体が少ないので、普通の子たちが高得点を狙うには他科目に比べ不向きな科目です。

2年前に異常な難易度の上げ方をし、各方面から怒られてしまったので昨年度は随分おとなしくなりましたが、数学の評定が5の子でもなかなか30点台を叩き出すのは難しいかもしれません。

ですがここで注意です。

30点台をとるのは難しくても20点台をとるのはもしかすると国語並に簡単な科目です。

というのも基本問題だけで毎年18点分用意されています。ここを確実に取ってからあと1~2問とければ、はい20点獲得です。模試ならこれで偏差値は60近くまで行ってしまいます。

ある意味楽ですね。

ということで評定が5の生徒の点数が28点、3の生徒の点数が23点くらいでその差が5点くらいしかないことが多々あります。

数学で30点オーバーはかなりデキる子でなければいけないので自分が問題丸暗記という血と汗と涙で数学の評定を5にしたような子は残念ですが数学に過度な期待はしないことをおすすめします。

過度な期待をすると、応用問題ばっかり練習して、結局当日応用問題は解けずじまいで、基本問題でミスをして取りこぼすようなことになります。

気をつけましょう。

最後は数学の解いてみた感想を。

 

 

 

 

 

まあ、こんな感じでしょうか。理科社会は今の時期からしっかりと!

また志望校調査の結果など出ましたら書いてみたいと思います。

今日はこのへんで。