どうも、そいる塾長です。
今日は2019年嵯峨野コスモスの理科を解きながら実況中継風に書いていきます。
傾向と対策を知ってしっかり準備していきましょう!
嵯峨野コスモス2019理科の傾向と対策
50点満点、試験時間40分で大問4つ(小問は19)。ここ5年の出題傾向を見ていると地学分野から出題がなかった2015を除き、単元は物理・化学・生物・地学分野から一問ずつという感じ。あとは短文での記述問題が出題されます。この辺は普段から意識して取り組む必要がありますね。
2019年度の合格者平均は合格者平均は専修で31.3、共修で28.0と大体6割前後。
解答に用いる知識は教科書レベルの基礎的内容ですが、問題が見慣れない形式であったりと思考力を重視した問題となっております。
まずはこういった問題のとっかかりとしてどのように思考をスタートさせていくかについて演習をつんで慣れていく必要があるかと思います。
難易度については、あくまで嵯峨野コスモスを受験する生徒にとっての難易度であり、嵯峨野コスモスの問題内での相対的な評価です。他の専門学科の難易度や共通問題の難易度とは基準が異なることをご理解ください。
簡単に言えば…
- 難易度:易 →解けないと絶望
- 難易度:標準 →解けたら合格ライン
- 難易度:やや難→解けると数学で差がつけられる
- 難易度:難 →解けなくても気にしなーい
という感じにしております。あくまで個人的な見解ですので悪しからず。
ちなみに市販されている嵯峨野コスモスの過去問ではこちらがオススメです。
では早速解いていきましょう。
第1問:物理分野(浮力)
第1問は物理分野で浮力の問題。
リード文が長いので必要な情報にアンダーラインを引くなど読み落としがないよう気を付けましょう。
(1)難易度:易 計算
バネの伸び計算させる基本問題。
(2)難易度:標準 浮力の原理
教科書レベルで浮力の原理(※浮力の大きさは、物体が押しのけた水の質量と同じになる)をしっかり理解していれば難しくはないですね。
大小のおもりが同じ密度で、かつ質量が大=小×2ということは体積も大=小×2。ということから図4X、Y、Zはいずれも質量が同じ。体積がx<y=zとなり浮力も同じくx<y=zとなります。よって沈み込む深さは浮力が小さい順になるということが分かると思います。
(3)難易度:標準 浮力の原理
これまた先ほど同様、浮力の原理を用いた思考問題。
ただし、風船を沈ませるため、水圧の知識もないといけない。知識自体はない人はいないと思うがそれがこの問題で出てくるかがカギ。
風船なので水中に沈めると水圧がかかります。そして水圧は浮力と違って深くなると大きくなりますね。(※浮力=物体にかかる上下に水圧の差=物体の形変わらなければ一定)
ということで深く沈めることで水圧が大きくなり風船がしぼみます。そうすると水中の物体の体積が小さくなるため浮力も小さくなります。よって「沈んでいく」という解答が得られるということです。
第2問:生物分野(動物)
会話形式での長いリード文があります。そこまで読み落とす危険性はないと思いますのでしっかり問題を解いていきましょう。
(1)難易度:標準 科学史
細胞の発見者の名前
科学史はおぼえてなかった…なんてことにならないように。中2の教科書(大日本図書)のp88に載ってますね。科学史やトピックスはしっかり見ておきましょうね。ロバート・フックさんはバネの人だけではないですからね。
関係ないですがこの本↓なかなか面白かったですよw
(2)難易度:易 基礎知識
受精卵から親と同じ形になるまでの過程について
「過程」という言葉に注意して解答しましょう。
(3)難易度:易 基礎知識
両生類の呼吸について
サービス問題。
(4)難易度:やや難 思考問題(計算)
仮定に対して条件を考慮しながら計算をする思考問題
- 体長が100倍
- 跳躍力は筋力に比例、体重に反比例
- 筋力は筋肉の断面積に比例
- 体重は体積に比例
こんなことが問題文に条件として設定されています。
ポイントは理科や社会の計算問題でもよく出されるアレが思いつくかどうかですね。
これです。
体長ってのは長さ。つまり
- 筋力は筋肉の断面積に比例
から、長さが100倍なら断面積は1002倍。ということで筋力も1002倍ということが分かります。
- 体重は体積に比例
ここから長さが100倍なら体積、体重は1003倍になるのが分かります。
- 跳躍力は筋力に比例、体重に反比例
最後にここから考えると…
ということで解答が導き出せると思います。
無視の巨大化っていう仮定はよく見ますが、そこから条件を与えて計算させるのは面白い。嵯峨野の理系がどういう子を求めているのか伝わってくる面白い問題でした。ごちそうさまです。
(5)難易度:標準 思考問題(短文記述)
対照実験の考証
①で対照実験となるための実験の条件を記述させ、②でその結果についての考察を短文で記述させる問題。
①に関してはリード文から光の有無が捕食に影響するかどうかを確認する実験であるのは明確なので「光ありとなしで他の条件をそろえた飼育環境を用意する」というのは容易に思いつくと思います。ただし対照実験のポイントとして「ほかの環境は同じにする」というところが記述できていなければ0点ですね。
②に関しては光が捕食に影響する場合の結果を記述するため、「光のあるなし2つ以外が同じ条件下で同じように餌を食べるかどうかを調べればわかる」ということは簡単に分かると思います。
テーマが対照実験という中学理科でも最も重要な実験方法の理解を尋ねる問題であり、問題レベルとしては非常に易しい。やはり記述形式がネックだと思うので理科の記述では「何を書けばいいのか」というのを理解できるよう記述問題の演習をしていきましょう。
ポイントは記述に含まれるキーワードの語句説明をするような感覚で書くということです。
つまり普段の学習から短文記述の問題を意識して用語を説明できるように暗記していく癖をつけておくことが重要です。
第3問:化学分野
比重や水溶性についてなど気体の性質をすべて表にしてくれているので、知識ではなくデータの読み取りを重視した問題。
こういう問題があるべき姿ですよね(こないだコスモスの1年生が周期表丸暗記テストさせられてましたが…^^;)
(1)難易度:易
塩素の密度を求める問題
表から塩素の比重を読み取り、空気0.0013g/cm3に掛け算するのみ。
比重の用語説明も問題文中でしっかりされているので、できないといけないサービス問題。
(2)難易度:易
下方置換法に適した気体の選別
最も適したをどう読むかは気になるところですが、一覧表から水溶性があり、比重が1よりも大きい(空気よりも重い)気体を選ぶだけですね。これもサービス問題。
(3)難易度:易
気体の推定
3つの条件が問題文中にあります。
- 水酸化カルシウムと塩化アンモニウムを反応させて発生
- 色はなく、臭いがある
- アルカリ性
いや、これ…塩化アンモニウムの時点でアンモニアってわかるやつやん…^^;
(4)難易度:易
ヘリウム10Lの質量を求める問題
1L=1000cm3はさすがに問題ないと思うので
ヘリウム10Lの質量=空気の密度0.0013g/cm3×10000cm3(10L)×ヘリウムの比重0.14
でOK。サービス問題。
(5)難易度:易
化学反応式
嵯峨野は化学反応式好きですね。高校化学で重要ですから当たり前ですが。
ということで、まずは表からアルゴン、ネオン、クリプトン、キセン(希ガス)が反応しないことを読み取って残りのエタン、メタン、水素を燃焼させる化学式を書くだけ。反応でできる物質も、それぞれの化学式もともに表に書いているので係数で数字合わせをするだけのお仕事です。サービス問題。
第4問:地学分野(地震)
オーソドックスな地震の問題。
(1)難易度:易
地震の発生時刻
P波の速さと観測地点の初期微動到達時間が記載されているのでただの算数の計算です。
(2)難易度:易
震源までの距離
地震の発生時刻が(1)で出せたらあとは初期微動の記録された時間からP波が到着する時間をだしてこれまた算数の計算。
(3)難易度:標準
震央と震源の距離
震源の深さなんで図を書いてみましょう。
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