中学生に定期テストの過去問をやらせる件

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

今日は過去問は過去問でも中学生の定期テストの過去問について。TwitterのTLでも定期テストの過去問を使用することの是非について喧喧囂囂状態ですのでその点について今日は自分の考えを。

定期テストの過去問使用問題

Twitterですとどうしても議論が噛み合っていないように思われるので自分の考えとともに少し整理してみようかなと。

まずは肯定派の意見から。

入試やったら過去問やるやん!

いくつかあるとは思うのですが一番大きいのはこれかなと。

あらゆる勉強で過去問で勉強するということの有用性は確認されているわけですがそれはなぜか?

簡単にいえばこうでしょう。敵を知る

何を相手が求めているかを知るために過去問を見るわけです。

ある意味では出題者側(大学など)もこういうのを聞きますよと予め出題の意図を示すことで求めている生徒(求めている力を受験勉強で身に着けた生徒)に来てもらえるというメリットがあります。

受験となるとあまりに学習する幅が広いのでこうなるわけです。

しかし例えば中学1年生の最初のテスト。生徒はまだ定期テストというものを見たことがないわけです。

だとするとその雰囲気を見せておくことは得点向上につながるのは間違いないわけです。

それに定期テストならではの問題というのは間違いなくあります。

塾のテキストには載っていないし、なんなら入試では絶対に出題されない問題も。

数学の用語問題なんかが一番わかりやすいかなと。

そういった問題は定期テストでしか演習できなかったりする場合も。

ですので肯定派の意見として問題傾向と対策のために過去問をやらせているということになるのかなと。

一方否定派の意見とは

過去問をやらせることで定期テストで問題を的中させて喜んでいる塾がある。

予備校の広告でも「毎年〇〇大学で的中!」みたい広告をよく見かけますが、これって保護者さんや受講生には受けがいいのかもしれませんが我々同業にはすこぶる評判が悪い。

これに対しなかには「ずるい」という論調も見かけるんですが、ずるいというのは違うかなと。

予備校の場合出題傾向から予測し狙われそうな問題を予測してテキストを作成するわけで、問題が的中するのはその努力の賜物であって的中すること自体に何も問題はありませんよね。

おそらくはそれを宣伝することによって消費者におかしな感覚を植え付けることに対する危惧からの批判ではないかと。

なぜなら予備校の本来の目的は入試問題に対応しうる学力を身に着けさせることであるので、問題が的中しなくても合格できないといけないわけです。

だからこそ売りにするべきはそこではないでしょうと。

しかしこれは塾でも同じで〇〇塾でやった問題がそのまま出題されたなんてことをうらやましそうに保護者さんも生徒も話すわけです。

実は私が中学生の頃毎回ある塾で演習した問題が定期テストに出題されているということがありました。問題を買っていたなんて噂が流れました。

しかしここで保護者さんには冷静に考えてほしい。

そんな塾があるとして、その塾は入試の問題は買えるのでしょうか。その後の大学入試の問題も買えるのでしょうか。

もし中学の定期テストを買えるとしてもその先はないわけです。

確かに塾で演習した問題がそのまま定期テストで出題されるとするとして、あなたならその問題以外の演習も同じように力を抜かずに勉強できますか?

もちろん問題を買っている塾なんてないでしょう。しかし学校の先生が手を抜いて毎年同じ問題を使いまわしているとするならば、同じ問題を事前にやらせて問題的中!みたいなことになるわけです。

これではずるいというよりも何のために勉強しているのか分からなくなります。

学校の先生もその過去問を意図してやらせる塾にも問題があります。これこそ「ずるい」と言われる所以かなと。

定期テストや塾での勉強は何のためなのか、ということを考えるがゆえ

これが否定派の意見ではないでしょうか。

学校の先生にお願い

こんな議論が出てくるそもそもの問題は学校の先生の手抜きが原因ですよね。

だって入試ではこんな議論は起きない。つまり…

毎年毎年同じ問題の使いまわしをする学校の先生がいるということです。

私がやっていた塾のエリアの中学校の先生方は幸いにもそんな方はいませんでした。

著作権の問題があるならばまた別の話にはなりますが、やはり問題の癖が強い先生の問題は私も過去問を使って指導していました。

  • 問題設定が拙く何を答えたらいいのか京大生でもわからない問題を出題する先生。
  • 中学範囲を無視した出題をする理科の先生。
  • 時間配分を無視した問題作成をされる国語の先生。

このように先生にクセがあって独特の問題を出題してくる場合は過去問を見せながらその対策授業を行ったりすることもありますが、そもそも全く同じ問題が繰り返し出る中学校はありませんでした。

あくまで過去問をやらせるのは実践問題で試験本番に慣れさせるのと自分の完成度を理解させるためです。入試と同じ目的。決して問題を的中させるつもりはありません。

傾向と対策は受験勉強にも大切だと思うので、そこまで否定される先生はぜひ受験も過去問なしで指導されればよろしいかと。

しかしそんな使用の仕方で異常なほどに的中してしまうのは同じ問題を使いまわしされたとき。

そしてそれが分かっていればどこかの塾が問題を的中されることになり、生徒や保護者からおかしな要望が届くようになる。

「ずるをしてください」という要望です。

生徒にも保護者さんにもそんな自覚は決してない。ただ過去問持っているなら見せてくれよと。あの塾の生徒だけずるいじゃないかと。

内申点が重要な高校入試。そんな気持ちも痛いほどよくわかる。だからこそそんなずるはさせちゃいけないと思うんです。

学校の先生が多忙なのもよくわかります。しかしこの定期テストというのは生徒の学力を測り、人生を左右しかねない大切なもの。そこで手抜きはしてほしくないのです。

市内の学校で問題作成を共有するなど何か効率化する方法はないんでしょうかね。

ときおり定期テストでも大変秀逸な問題を見かけます。

そんな問題はいろいろな学校で出題されるべきだと思います。

逆に問題を作ってはいけないのではないかと思ってしまう先生も。

そういう意味でも定期テストを共通にすべきではないかと。

進度が~という方がいらっしゃいますがそもそも進度がおかしな先生がいること自体問題では?学級閉鎖があったりするともちろん大変だとは思いますが、ある程度先生に対して進度の縛りをかけないと今は自由過ぎてね^^;

この時期にもう教科書すべて終わらせることを諦めているような先生もいて…。

しかしいずれにせよ毎年毎年おかしな対策が打ててしまうような出題になってしまうとその答えを暗記するだけの勉強に走らせることになり本来の良さが失われることにもなりかねません。

こればかりは今は学校の先生の良心に訴えるしかないこと。もちろんほとんどの先生がそんな手抜きなどしていないことは承知したうえでのお願いです。

最近では過去問を配布する学校の先生もいらっしゃいます。過去問を配られるのが塾に通う生徒だけとするならそれは間違いなく不公平という判断だそうです。

これに関してはおっしゃる通り。あくまでテストというものは定期テストでも入試でもあくまで公平な条件のもと行われるべきだと思います。

せめておかしな条件で差がつくようなことだけはないようにしなければいけませんね。

そしてそんなおかしなことをやっている塾が流行るようなことはあってはいけないなと。それは子どもたちにおかしな学習態度を植え付けるだけ。

定期テストで点数を取ることが目的のような勉強は何の役にも立ちませんからね。

今日はこのへんで。

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