どうも、そいる塾長です。
江國 香織「つめたいよるに」
こちらは江國さんの初期短編集「つめたいよるに」(9話)と4年後に出版された「温かなお皿」(12話)の合本。
ちなみにタイトルの「つめたいよるに」と「温かなお皿」という題名のお話は収録されていません。
こちらは両方本のタイトルということです。
2001年センター試験国語Ⅰで出題
で、こちらの最初に収録されている「デューク」が2001年センター試験国語Ⅰで出題。
短編(というかショートショート)ですので、問題文として原文がそのままフルで出題。
ただ国語Ⅰの出典ですので解いたことがある方は少ないのでは?
かくいう私もこれまで解いたことはありませんでした。
ネットでは「試験中に感動のあまり泣き出す子が続出した」なんて書かれていますが、そもそも本番国語Ⅰなんて解く人がそんなにいるのか…?
都市伝説でしょうかね(笑)
私が以前お話した実話「国語Ⅰを間違えて解いて号泣する少女」ならまだしも…。
「号泣する少女」が気になる方はこちらを(笑)
ただ、本番でこんな作品出てくれたらうれしいですけどね。
犬派の私は自分の犬のこと考えて鼻がつーんとしてしまうかもしれません。
こちらうちの愛犬「ボンクレー」。はい、これが世界で一番かわいい犬です。異論は認めません(笑)
わたしの場合、この子の事を考えるとどうしても泣けてしまう。家に迎えた日から別れの日が来ることは決まっているわけで。
ああ…涙出てきた(笑)
ただ私とボンの関係は「デューク」と主人公のそれとはまた違う関係かなと思うので、この作品にはそこまで感情移入はしませんでした。
それでも犬(動物)ものはだいたい泣ける。志村動物園でも泣けるおじさんです、私(笑)
それはさておき、さっき問題を解きましたが問題自体もとても解きやすい。
センター物語によくある何も考えなくても満点取れる問題ではないでしょうか。国語嫌いには怒られそうですが。
私の生徒で気楽に解いたら崩壊したじゃないかという生徒がいたら4日以降に私のところへ。精密検査します(笑)
これで間違える人は多分物語文の解き方がわからない人であって、物語文が読めない人ではないだろうなと。解法のほうに難ありかなと。ラストの表現問題が嫌いな方は練習しましょうね。典型的で易しいセンターの物語文の問題と言った感じ。難易度も全く高くないです。
多分中学生でもいけると思いますよ。
一応問題と解答はこちら↓
2001センター試験国語Ⅰ第2問
読書感想文
これ解いて「デューク」が好きと感じた人は間違いなくこの本は買って損はなし。
学生の皆さんに紹介すべき作品とはこういうものを言うんでしょうね。
確か昨年もどっかの予備校が模試で江國香織さんの作品を使っていたような。なんか解説に「今年は女流作家が来るぞ~っ」て書いてあった気がします。
あ!そういえば当たってるやん!
2018年の出題はこちらですね。
江國さんと仲良し井上荒野さんですね。
これが気になっております。
江國さんは文体が優しいんですよね。作家さんのドヤ顔感がない。読んでてストレスがない。
作風、文体ともにも本当に爽やか。春の風のように心地よいです。
日常の出会いや別れ、悩みや気付き、そしてそこにある、ちょっとした寂しさだったり幸福感というものが感じられる作品とでもいいましょうか。
この作品では、前回紹介した「キャベツ炒めに捧ぐ」とおなじく食べ物がよく描写されているんですが、秀逸です。
江國さんて料理がうまいのでしょうか?それとも食べるのが好きなだけ?
それが日常の寂しさや、なにげない幸せに上手くアクセントをつけているように感じました。
ただし、私のようなビール大好きなおっさんには少し苦味が足りない感じは否めません。
江國さんの作品て、決してジュースではないんですが、お酒で言えば飲みやすいカクテルかな。
スクリュードライバーとかモスコミュール?
ビールのように苦味はないんですがジュースみたいにグビグビはいけません。
私は2時間くらいで読了しましたが、それでも結構途中、余韻に浸るという足止めを喰らいましたね。
それは幸せな余韻で、翌朝もちらちら読み直しました。
飲み終わった後、いつまでもほんわか舌の上に残る感じの後味が素敵なんです。
悪酔いや胃もたれは全くないですが、ずっとほのかに酔っていられる感じでしょうか。
また飲みたくなる、いや読み返したくなる作品です。
なんで学生向けのブログで酒に例えているんだ!(笑)
お酒は20歳になってから!!
スクリュードライバーみたいなのをグビグビいってはいけませんよ!大学入学後いちびってはいけません(関西弁で教育的指導)
とりあえず、最後に私のお気に入りのお話を。
「つめたいよるに」から
☑ デューク
☑ 鬼ばばあ
☑ 夜の子供たち
「温かいお皿」から
☑ 晴れた空の下で
☑ コスモスの咲く庭で
☑ 冬の日、防衛庁にて
☑ 特別な早朝
このへん特に好きですね。
「冬の日、防衛庁にて」は女性でないと書けないなと。これぞ女子力!
逆に「コスモスの咲く庭で」はおっさんの私がニヤッとしてしまいました。とくにヨーグルトの瓶のくだりね。
「特別な早朝」は恋する是非学生諸君に読んで頂きたい。こういう幸福感忘れてたなあ…(笑)
本来この作品はクリスマスに紹介すべき作品でしたかね。クリスマスの時期に設定されている作品が多いので。
とか言っているうちにクリスマス。受験生にとっては人生最後の楽しめないクリスマス。乗り切りましょうね!
今日はこのへんで。
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