「新高1の勉強作法」たとえば英語(後編1:「英語表現=英文法」のお作法)

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

前回に引き続き、新高1生のための勉強のお作法について。今回は英語の後編。英語表現=英文法の授業におけるお作法についてお話します。

前編はこちら。

「新高1の勉強作法」たとえば英語(前編)
高校生になる前に読んで欲しい。高校で英語を勉強するための心がけを。今回は前編。何が中学と違うのか、それだけでもまず理解しておきましょう。英語は高校1年生がなにより大切です。

さて、前回の内容をまとめますと、高校の英語は難しくなる。だから丸暗記せず、考えるということを通じてしっかりと理解していかなけれないけませんよ、的な私にしては毎度おなじみのお話だったと思います。

高校生の英文法

”理解”という意味ではやはり高1で何より大切なのは英文法ですね。私の言う英文法は文法問題を解くためのものではなく英文を理解するためのもの。英語学習の全ての土台となるもののことを言っております。

中学英語が未完成な方

中学英語で詰んでいる人はもうこのあと地獄しかないです。詰んでいる自覚があるならまだ良いのですが、ほとんどの人が自覚がない。

特に単語力と英文法。

学校によっては中3~高1レベルみたいな単語帳を持たせてくれたり、何なら1年間まるまる中学英語の復習に充ててくれる高校も。私立・公立問わず結構あります。中学英語が未完成の方はありがたく最後のチャンスだと思って取り組みましょう。

と言いたいところですが当然これで”普通”の高校からは1年遅れるわけです。そのあとどうなるかは考えなければいけませんがね。

学校でなにか復習させられるならそれを使えばよいですが、中学範囲をケアしてもらえないならば単語なんかはこちらの速読英単語の入門編で中学英単語を復習しながら読みやすい長文を音読して意味を取る練習を一日10分とれば良いでしょう。

続けられるかはあなたしだい(笑)

こんなこと言ってもまぁやらないのはわかっています。やらないから今の英語力になったのですから(-_-;)

こういう子はもちろん英文法も激ヤバだと思います。

せっかく高校から出された春期課題の問題冊子も適当にこなすだけでしょうし、そもそも勉強に対する姿勢から改めて欲しいものですが、もし本当に心を改めて英語と向き合うなら、私が作った「炎の英作文200」に取り組んでほしい。

ただの中学基本文200本ノックです。

ですが中学の勉強や最近の入試対策であまり触れる時間をとってもらえない英作文を通じて文の構造から英文を捉える練習をしてほしいのですよね。

ただ、私が一番心配しているのは自分は英語が得意だと思い込んでいる勘違いくんたちです。

英語ができると勘違いしている方

まずは、品詞を叩き込んで下さい。

最初は基本となる4つの品詞(名詞・動詞・副詞・形容詞)だけで良いです。これがないと単語の暗記も文法理解も3倍以上時間がかかる。

前回も言いましたができれば良いのではない。時間をかけてはいけないのです。そこから入学後最初の授業で習う(はずの)文型と主語、動詞、目的語、補語、修飾語という後の役割、節・句の概念をしっかり身につける。

これら文構造の構成要素をしっかり理解して高校英語を学んでいく必要があります。これが文法問題を解く際の着眼点、英文和訳、英作文などすべての英語の問題と向き合うための基礎となります。

英語表現の授業で学ぶことになりますが、実はコミュ英の授業でも必要になるんですね。これがないと長文和訳が単語の意味をグリグリして都合の良い日本語訳を作り出すというお遊びになってしまう。

あとでもう一度言いますが、文構造は本当に大切です。そしてもう一つが文法各単元の「本質」部分を理解するということ。「本質」とか言ってますが、そんな大層なものではありません。

簡単に言えば「その文法は一体どんなもので何をするためのものなのか」ということです。

しかしそれは4択問題で正解することでもなければ、決して日本語の意味(訳)のことではありません。例えば、不定詞の名詞的用法だと「~すること」とかしか答えることができないタイプ。

こういう方にとって、文法は文のパターンであって、文法=意味といった対応関係でしかない。

数学で言えば、「おうぎ形の面積=半径×半径×中心角/360度」という公式だけ暗記しているせいで、「半径が4、この長さが2πのおうぎ形の面積は?」なんて聞かれると手も足も出ない人と同じです。

こういう人は数学を学ぶときにすべて「公式を教えて下さい」ということになる。公式とはいかなくても結局問題のパターン化だけ。だからパターンから外れるいわゆる応用問題が解けないわけです。

本当はおうぎ形の面積を求めるのに公式なんていらないし、問題パターンなど存在しない。「弧の長さがでてきたときは~」みたいなパターン化で解いている人はすぐに限界が来るはずです。

本当にデキる人は「おうぎ形の面積=半径×半径×中心角/360度」も公式とは思っていませんからね。

では数学ができる人はこういったものを…、やめましょう。今日は数学の話ではなかった。

このままいくとクモワとハジキの話でおわってしまう(-_-;)

話を戻しまして、多分新高1のなかには「こういう数学の問題は出来ないけど、英語はできるもん」と思っている人もいるかも知れません。

でも、結局同じです。結局それは例文なんかのパターンという公式を暗記してそれにハメていくだけの解き方しか出来ていないということです。高校では詰みます。

あなたが一流進学校にお通いで”ない”ならば、テキストの問題そのままに定期テストも出題してくれるため、しっかり丸暗記で得点できるでしょう。

しかし入試で詰みます。結局詰みます。

数学よりそれに気が付くのが遅れるんですよね。入試対策を始めてから気が付く。そしてそのタイミングでは正直手遅れです。そこまでの勉強が意味のないものになりかねないし、そこから修正しても間に合わないんです。

だからこそ高1の最初に。

自分はできると勘違いせず、いや「できる」と思うのであればこそこういった勉強法に切り替えていってほしいのです。

「英語表現」授業対策

こちらは英文法の授業ですね。(あってる?)英文法を勉強する心得みたいなのは前編でお話したので、今回は具体的にどう勉強を進めていくかについてです。(重複するのはお許しを。前回何書いたかおぼえてましぇん)

おそらく皆さん今お手元に複数のテキストがあると思います。まずは薄い問題集が1~2冊あるかなと。これが基本的に授業で使うテキストになります。これをワークブックと呼ぶとしましょう。

教材にもよりますが、基本左にまとめページ、右に確認問題ページ。そんで次に演習問題ページがあったりなかったりのやつ。中学のときに塾で使ってたようなテキストですね。

この解説部分と問題が学校の授業で扱う内容となると思います。

もう1冊ワークブックみたいなのがある場合はだいたい演習問題ばっか載っているかと思います。これは「自宅でもっと演習しましょう用」だと思います。

定期テスト対策ならこれらにしっかり取り組めばOK。ただこのワークブックは学校ごとにかなりレベル差がありますし、そもそも薄いだけに情報量が少なすぎ。

そこで自学習に必要となってくるのはもう一冊必ず購入させられる分厚い文法の解説が載っている参考書。

デュアルスコープだのフォレストみたいなのですね。

これに高校英文法が詰まっている感じ。(これも種類によってレベル差がかなりある。)そしてこの分厚い参考書からポイントを抽出し情報量を薄めたのが演習用のワークブックというわけです。

学校の授業をしっかり聞いて、お家へ帰ってワークブックの問題ページを解く

授業する前に問題解いてこいとか無茶振りする先生でもなければ、基本この姿勢でよいでしょう。大切なのは答えあわせの際などに、テキストの左側にある解説ページでは解説が薄すぎるのでその都度参考書(デュアルスコープやフォレストなど)で該当ページを読み込みしっかりその文法を理解することが大切です。

ワークブックの解答が配られない悲惨な高校に通っているなら、頑張って授業を聞いて解答を自分で作るかさっさと学校の勉強に見切りをつけて自分で勉強するかです。正直言って学校で配る教材より市販教材の方がすべての面で質が上。

書いている人が同じでもあえて学校教材の方は不親切な構成にしているのでは?と思いたくなるほどです。正直本が変わると学ぶ内容が変わるということはないです。

JK
JK

でも定期テストでは学校教材と同じ問題が出るから・・・

こうなるわけですが、そもそもそういう勉強をしてほしくないんですよね^^;

指定校狙いで学校評定欲しいなら・・・という気持ちは分からなくもないですが、問題ごと暗記して何になるのかなと。聞かれている文法は同じならどんな問題でもできないといけないんですよ、本来は。

ということで基本復習ですね。と、ここまでは普通のお話。

本題はここから。

わたしが1年で最も重視してほしいのは英文法それは決して英文法の知識を頭に叩き込んでほしいと言うだけのことではありません。これから学んでいく高校英語、いや大学入試英語の全ての基礎となるものをこの英文法から学んでほしい。かっこいい言葉でいうと高校英語の「本質」でしょうか。といっても文字通りの「本質」ではありません。あまりこういう言葉を安易に用いると怒られるのでね(^◇^;)

あくまでここでの定義は、なぜそうなるのかという学問を学ぶ上での重要な視点と言うくらいに考えて下さい。例えば、先程の不定詞の名詞的用法で(中学英文法の範囲内での)「本質」というならばまず「動詞の名詞化」、ただこの理解だけでもいいです。

「~すること」という訳は、この動詞の名詞化を表す一欠片にしか過ぎません。日本語の意味を丸暗記するだけでは何の役にも立ちません。

先程大切だと書いた「文構造」で大切となる「品詞」「句と節」を理解していると、この「動詞の名詞化」から、この不定詞句が文章の「目的語」に使えることが理解できます。

だからこそ、目的語に動名詞と不定詞をとる動詞の区別の話ができるわけです。ここからが高校のお勉強というのは前編で書いたとおりです。

他に例をあげるなら、苦手な人が多いのは「分詞」でしょうか?「分詞とは何か?」という問いに対して明確に文法的な本質を示す説明ができますか?「形容詞」「名詞を修飾」「補語」みたいな言葉が浮かびますか?間違ってもそんな用語が大切と言っているわけではありません。

ですが、そういった用語が持つ言葉としての用法や文における役割、そして使い所がイメージできるかどうかが大事なんです。これまた前回も言いましたが、このような知識を最初難しく感じるとは思うのです。おぼえちゃったほうが速いと。

でもこうやって解くことで暗記量が減るんです。例文暗記は大切です。ですが、このような理論をもとに例文を考察すれば暗記しなければいけない部分なんて極わずかだと気付くはず。一文丸呑みが2秒でできて一生忘れない人なら別ですが、何千もある高校の基本例文を丸暗記するくらいならこの考え方を用いて暗記量を減らして下さい。

そして入試問題で出題されるひねった問題、つまり暗記した例文からの変換では対応できない問題もこの考え方から紐解けば基礎的な要素が1つ2つ組み合わされただけのものであることに気がつくはずです。

英語も数学も同じ。応用は基礎の組み合わせなのですから。こういったものを中学校で学べる人は極少数でしょう。そんな教え方ができる先生は英語科にはほとんどいません。(必要性を感じてすらいないのですから仕方ありません。)中学より幾分かマシですが高校でもあまり巡り会えません。

自称進学校には根性暗記!と叫びながら授業をする先生がいっぱいです。

ということで、もしも高校で英語の授業が始まり、「あちゃー!」と思った人はこちらの参考書で、文法に対する考え方をリフレッシュしてみて下さい。

こちらの参考書は、決して1冊で大学入試や高校英文法がどうにかなるものではありません。なんてったって気合入れれば2,3日で読めます。

あくまで「なぜ?」というところに焦点が置かれているので、高校英文法を網羅しているわけではありません。

皆さんはこれから学校で1年間がっつり高校英文法の授業を受け、そして定期試験を通じて細かな知識を頭に叩き込み、再度受験勉強で復習まで行っていきます。だから「深める」勉強に関しては、復習やなんならテスト勉強、受験対策のときで良いと思います。

大切なのはその文法単元の「本質」(何度も言いますがそんな深い意味ではない)を理解することと、どうしてそうなるの?と考える視点、文法的な視点を獲得してもらいたいのです。

ということで、1年生の間の高校英文法を学ぶ上でのオススメの勉強法はしっかりと学校指定の文法書、または参考書を読む習慣をつけることです。

事前に文法の本質的な部分の理解と文法的な視点をもっていれば全く違う形で授業を受けることが出来ますし、学校教材も違って見えてくるかもしれません。

ただこういった学校指定の参考書は”固い”。読解力や自分で考える力がないと最初は辛いかも…。学校で買わされているのはこのへんですかね。

塾で私の指導を受けているような子であればこの辺の参考書を使いこなせるようにしていくのですが、学校ではいきなりポンと渡されて放置プレイですから本棚に眠ったまま高3になるのも無理はない。

しかし授業で使う薄いワークブック系の問題集はこの参考書に対応している場合が多いので、上手く使いこなせるに越したことはありません。参考書によっては慣用表現や構文を、対訳をポンと載せて羅列するだけということもあります。なんなら知りたいことが載っていないことも多々あります。

本来そういったちょっと足りないところもしっかり自分で考えて頭の中でもぐもぐしながらしっかり吸収してほしいので、まだ自分で噛む力がなく、こういう参考書では丸暗記になってしまう!という方にはこんなのもすすめておきます。

メチャメチャ分厚いです。一応高校英文法で必要になるものは一通り網羅していますし、一般的な参考書に比べ解説が丁寧、かつ授業で教えるような口調で書いてあるのでどうしても分厚くなります。

学校指定の参考書より、なぜそうなるのかに重点が置かれているので暗記に頼らない英語を意識する方にはおすすめです。一応今は必要はないと思いますが、アウトプット用のこちらも。

これはまた別のところで書くことになるであろうネクストステージやアップグレードの代わりですね。これらは2年からやるところが多いかと。

この辺の問題集の使い方についてもできない子がやると悲惨なことになるのでどっかでお話したいところですね。1年時からネクストステージのような入試問題に取り組む必要はないとも思いますので、この成川のアウトプット用は、余程勉強時間に余裕がある意識高い系の方でない限り、使うとしたら全文法が終了し、入試対策に入ったタイミングで良いです。

ネクストステージよりは解説に(全ての問題に対してではないですが)「なぜ」といった項目があり、選択肢を選ぶ着眼点も書いてあります。4択問題の演習では答えが何かなんてどうでもよく、どこをどう見てどう判断して選択するべきかを書いてほしいんですが、どうしてもネクステなんかの解説はその問題で使われている文法知識が書いてあるだけ。

そうじゃないだろって思うんですがね。ただひたすらとき続ける可愛そうな受験生がたくさんいるんでしょうね。それでは何周しても入試本番は解けないんですが…。

で、1年生で文構造を意識しながら、英文法の問題演習を進めていく際にオススメの問題集をご紹介しておきます。

こちらの問題集も私の言う「正しい英文法に向き合う姿勢」を作ってくれる1冊だと思います。学校の進度に合わせて、学校のワークブックと併用で日常的に取り組むのが良いのではないでしょうか。

そいる塾長のおすすめ英語の参考書 「英文法基礎10題ドリル」
そいる塾長 どうもそいる塾長です。 こちらのカテゴリーでは進学塾SOILで設置・使用する教材のうち市販されていてかつ自学自習でも役立つ参考書・問題集などをご紹介します。どちらかというとレビューというよ...

こちらで紹介しましたがこれを数周すればある程度の感覚英語から矯正できるように思います。

さて、ここまでは主に英語表現の授業対策として英文法の話をして来ました。次はちょろっとコミュニケーション英語についても触れておきましょう。…と思いましたが、長くなったので今日はここまで。

次回にコミュニケーション英語の話はまわします。これでは後編じゃないな。タイトルを後編Ⅰとしておきます

コメント