【そいる塾長の種まき勉強法】過去問を用いた勉強法の話をしよう(その2)

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

前回に引き続き、過去問を用いた勉強法についてのお話。今回は第2弾。

今回は過去問と学習計画について。

第1弾はこちら

【そいる塾長の種まき勉強法】過去問を用いた勉強法の話をしよう(その1)
過去問を使った勉強法のお話。過去問は正しく使って最大限の効果を出しましょう!

過去問で自分の弱点を見つけるというお話を前回はしましたが、今回はそれを踏まえて、まずは自分が入試までに何が必要かを考えていく必要性について。

地図がない状態では計画なんて立てようがありません。過去問は悩める受験生に地図を示し、そして現在位置を教えてくれる存在です。

受験勉強となると本来の学問のあり方から多少外れますが、今回は合格することを第一に考えてお話します。

例えば将来化学を極めたい青年がいて、某京都の国立大学の工学部を志望した場合、化学は極めていても国語や英語で絶望的な点数をとれなければ届かない。つまり大学で化学が学べないということになります。

受験ではどうしても入試科目と、その得点の優劣で合格不合格が決まります。(推薦入試でなければ…)

となるとその大学で化学を学びたければ、推薦入試以外の方法では英語と国語の点数をしっかり取るしかない。

つまり合計点を上げないといけないわけです。

そういう意味で少しドライに合格点を意識して計画を立ててほしいのです。

すくなくとも過去問からどの科目でどれくらいの点数をとって合格するのかのイメージは持っておきましょう。

 

合格点から逆算する学習計画

以前、私の塾の生徒のお姉さん(お姉さんは生徒ではありません)が、高3の秋頃に塾を訪問。

とても優秀な子で、人生で塾に通ったことがなく、部活動で全国大会に出場しながらこの後、京都大学の理系学部に現役合格することになります。

その子から学習相談を受けたのです。

その相談内容がこれ。

JK
JK

これ(D判定)で合格できますか?

これは本当に困るんですよね(笑)

あくまで私達が言えるのは可能性が高いか低いかの話であって、合格できるかどうかは言えないです。

しかも実際に指導したことがない初対面の子で、本人の実力はおろかどんな性格でどんな勉強をしているのかもわからない状況。

で、それを判断する材料が今回はマーク模試と京大模試の成績表しかないわけです。

そこでできる限りのアドバイスをしたのですがそれがこの合格点のお話。

マーク模試の結果は問題ない。だからこの際無視。京大模試を見ると絶望。特に理系科目。

そのときの合計点をもとに今後どれくらいの点数が取れるようにもっていくかを相談しました。

本人は得意の英語と国語を伸ばすと言い張ったんですけどね。私からすれば結構上限に達しているかなと。つまり伸びしろが小さいと判断。だから苦手な理系科目、特に数学で勝負することに。

真面目で基礎力はある子だったので、とにかく標準レベルの問題まで取りきる。これが最も効率よく、かつ大きく点数を伸ばせる方法だと考え、これを最優先の目標に掲げ、2次試験までの勉強計画を立てました。

結果、英国はやはり生徒自身が予想したよりも点数は伸びず、逆に数学で基本問題をしっかり取り切れたことで点数が倍増。無事合格となりました。

これはあくまで一例。しかも単純化してお話している面はあります。それになにも苦手科目を伸ばしなさいと言っているわけでもありません。

受験勉強においてはとにかく限られた時間内で最大限合計点が伸びる勉強計画を立てるべき

簡単な話、3割以下→6割→8割→9割→満点とそのフェーズごとに伸ばす難易度、つまりかかる時間は異なります。これはさらに科目によっても、志望校の問題によっても、自分のレベルによっても異なります。

だから安易に人のアドバイス通りにやるのは危険な面もあります。あくまで自分の現状や特性に応じた計画をしっかり立てるべき。

それを教えてくれるのが過去問なんですよね。

計画は過去問が決める

とか言ってますがもちろん、学習計画を決めるのは過去問だけではない。すでに自分の弱点が分かっているならそこをさっさとそこをやれば良い。絶対にそれで点数は上がるはず。

しかし過去問をやることで見えてくるものってやっぱりあるんですよ。

一方で、「どこまでやるか」これは過去問さんに聞いてみないとわからないわけです。

大学入試レベルになると終わりがない。

先程書いた「伸びしろ」を過去問から探すのは重要なミッションです。

例えばセンター英語で、発音問題4割、文法6割、長文も6割の子が全体で7割に持っていくなら何を勉強するか。

これは絶対に「長文」なわけです。なぜなら配点がでかいから。

しかも長文は一個できるような力がついたなら、当然ほかもできるようになるわけですから。できるようになるまでのハードルは高くても得るものはでかい。

ただし、そのために基礎文法力が足りないのであればもちろん最初に文法はやる。

ですがこのとき、無意味に文法問題で満点なんていう目標を立てて伸びしろのないところに時間と労力を突っ込むなら、文法7,8割(あくまで長文を読むためのレベル)にとどめて、できる限りはやく長文問題に対応する力を伸ばすべきではないかと。

発音は最後ですね。時間があったらで。発音は英語の学習では大切ですが、受験までの限られた時間でできないなら受験が終わった後ゆっくり取り組めばよいわけです(極論)

合格するために点数がとどかないなら受験期は、受験期だけは合格するための最短ルートを走るべきではないかと。

それは何も「現代文は本文を読まなくても解ける」みたいなアホなテクニックを使えとかいうことではありません。

できるようになりたいもの、できるようにならなければいけないものの中で、確実に点数アップにつながるものから順に倒していくという戦略を立てましょうというお話です。

 

Studyplusを活用せよ

私は受験生には専用の冊子を作って過去問演習の結果を記入、分析させてきました。伸びる子はやはりしっかりこのノートを握りしめて自習室にいます。でも最近はこれ。

塾用のStudyplus for schoolの導入はSOILでも必須かなと。

紙でもいいのですが、生徒だけでなく塾としては圧倒的に管理がしやすいし、生徒のモチベーションの維持にはStudyplusは最強。

塾では当然生徒から過去問に関する質問をたくさん受けます。そこで問題の正解や解き方ばかり教えても意味が無いんです。

どうすれば本番までにその問題が解けるようになるかを指導する事が重要

そして当然それを生徒自身にも意識させていかなければいけません。

そこで、私や担当の講師からのアドバイスをもとに、先程書いたようなミスのパターンを書出したり、弱点単元を書出したりするのはもちろん、次回の過去問演習までの学習カリキュラムを書き込んで自分でマネジメントしていくということが重要となります。

そしてその学習の成果確認こそが、次なる過去問演習なのです。

これこそが学習計画の正しい立て方だと考えます。地図もないような荒野にたち、目的地までの道程を思案してもどうにもならんのです。

計画は計画通りにすすめることが大切なのではなくて、計画通りにいかないイレギュラーに気づくためにこそ必要なのかなと。だから厳密な計画を立てるよりも、計画をこまめに修正し、最終目標になんとしても到達するための手段をその都度再構築していくことが大切なのです。

去問演習の履歴では得点の推移はもちろん大切ですが、なぜ今回上がったか、なぜ上がらなかったのかをしっかり意識して分析しなければ、得点が伸びてもそれはただのまぐれになってしまいます。

そしてなによりそんなやり方では本番に挑むときの自信につながらないのです。もっと言うなら目標地点までたどり着く自信にもつながらない。

次回の過去問演習までに何を変えるのか。そこを意識せずに時の流れに身をまかせていても得点は伸びません。そしてその対策が効果を生むことを知ることで自分の歩いている道が間違っていなだと認識することができるわけです。

受験では点数だけでなくこういったメンタルの部分が大きく影響します。諦めてしまったらそこで試合終了ですからね。諦めるなら本当に不可能だということがわかった上で諦めましょう。

 

ではそれを踏まえて次回は過去問演習後の対応パターンについて考えてみましょう。

今日はこのへんで。