どうも、そいる塾長です。
過去問に関する勉強についてダラダラ徒然なるままに語って参りましたが、いきなりのスピンオフ企画!私が受験で実際に経験した「本当にあった怖い話」を紹介して参ります。今回は怖い話の第1弾。受験生は怖くて眠れなくなるかもしれませんのでご注意を!(笑)
ここまでの過去問のお話シリーズはこちらからどうぞ。
すでにちょいちょい精神論のお話になってきておりました過去問の勉強法について。ここからは完全に精神論になるかもしれません(笑)
しかし私は受験ではこういったことを軽視してはいけないと思うんです。
この勉強法は学力の向上には関係がないかもしれない。ですが、ある意味学力よりも将来役に立つ場面が出てくるかもしれない能力が身につくかもしれないと思うのです。
今回はあえて「怖い話」という形にしました(笑)
入試の「怖さ」を知るとともに、それを克服するためのお話をせねばなるまいと考える次第であります。
本当にあった怖い話 その1
1月、センター試験終了後自己採点をさっさとすませ、見事にセンターで”失敗”したことを悟っていた私は翌日、(一応)意気消沈して学校へ点数の報告に行き、帰りに食堂へ立ち寄ると、食堂に大勢の友人たちが集まってお互いのセンター結果を報告しあっていました。
そこに一人の友人がやってきて今から自己採点をすると言うわけです。
すごいメンタルだなと。
自信があったようです。彼は超難関、某国立大学志望。センターには自信があったようです。
数学、国語…と順調に自己採点は進み、ガッツポーズを連発。
ところが英語の採点を初めて間もなく、彼の顔から血の気が引いた。そしてぼそっと呟くように言ったのです。
あれ、この問題…俺…解いた記憶がない…
私の記憶が正しければ英語の第3問。全4ページの問題だったのですが、A,Bで2ページ。ページをめくったところにCの問題が配置されているような感じでした。
その「C」の問題のページを解いた記憶が無いというのです。「C」の問題は1問だけ。たしかに問題用紙の選択肢には何もマークされていなかったし、文章にも何も書き込まれていなかった。
一問ぐらい大丈夫やって。そこは間違えている前提で採点したらいいやん。そんなに変わらへんて。
こんなことを言う生徒もいました。
しかしここまで読んだみなさんはもうお気づきですよね…?この話の本当に怖いところ。
友人たちが言うような簡単な話ではないんですよね…。
そうです。
彼は「この問題を解いた記憶がない」といった。
つまり第3問はBでおしまいで、次マークするのは第4問だと思いこんだ可能性があるということです。
そして最後までそのことに気が付かず試験は終了した。
ということは…
第4問の最初の答えだと思ってマークした解答欄が、実は第3問のCの解答を書くべきところだったかもしれないということです。もしもそうだとすると…、ここから全てマークが一つずつずれている可能性が出てきたということです。
彼は必死でした。必死に試験中の記憶を呼び起こそうとしました。
あれ、やっぱりこの問題解いたのかな…、いやこんな文章の話を読んだ記憶がない。絶対解いていない!
マークシートで塗るの忘れて空いているところがあったらそもそも気づくはず。絶対一問分詰めてマークしている気がする…終わったわ…
いや、そんなちゃんと確認してないし、もしかしたら一問飛ばしていることに気が付かず、続きの問題はちゃんと正しいところをマークしててずれてはいないかもしれない…
いや、でもずれてマークしないように次の解答欄にマークすることだけ考えてやってた気がするからやっぱり詰めてしまってるきがする…
こんな風にずっと頭を抱えていました。
そこに一人の友人がトドメの一言を放ってしまったのです。
なんで最後の問題をマークしたあとで、その番号と問題番号確認しなかったん?それさえしておけばずれてるかどうかわかるのに…
・・・
悩んだ挙げ句、彼は夢を諦めました。
どうしても浪人と私立大学には通えない環境だったので、英語のマークがずれたという前提でセンターリサーチに自己採点結果を提出。その点数でも合格の可能性がある大学に進学しました。
なお、マークがずれていなければ英語は9割、ずれていたなら5割ちょっとになると言っていた記憶があります。
今以上に第4問以降の配点が大きい時代でした。
センターの点数が返却されない時代。実際はどうだったのか。彼のマークは本当にずれていたのか、それは誰にもわからないのです。
例えばセンター試験の過去問演習をするときのお話
さてちょっとだけ真面目なお話を。
今回紹介した”彼”。彼がもっと本番気をつけていればよかったのに…なんて思っているなら大間違いだと思います。
本番に気をつけるのではありません。やるべきは練習時。問題は練習時になぜ対策を打たなかったのか。この一点だと思うのです。
それが本番を意識しているかどうかというお話。
例えば前回紹介した赤本。
これは数学ですがこれだけの収録数になると本当に分厚い。もはや凶器。
もしかしてこんな分厚いものを一生懸命に手で抑えながらノートやルーズリーフを計算用紙にしたりなんかして解いてません?
(普通はそうなってしまうんですけどね。)
でも本番はこれですよ?↓
センター試験本番、あなたが過去問演習のときに計算用紙として使っているノートやルーズリーフはなく、問題文の余白部分に計算します。
であれば、過去問演習のときも本番と同じスペースで計算する練習をしないといけません。
もちろん解答はマークシートにしっかりマークする。時間を測るのは当然。
もちろんもちろん、そこで使うのはシャープペンシルでなく本番に使う予定の鉛筆。
本番だけそんな狭いスペースで計算しようとすると、スペースを節約するため、無意識のうちに途中式を飛ばしたりすることがありますし、何より思い通りに書き切れないので計算式があっちこっちへ飛び散ってしまう。
そして普段シャーペンに慣れている人は小学生以来の鉛筆はかなりめんどくさい。
そして最初の開始10分と最後の終了間際10分では時間の感じ方は全く違う。
これがかなりのストレスです。
そしてこのストレスが思いもかけないミスやパニックを誘発するんです。
もっとも恐ろしいのはマークミス。
もうこの話はしなくても大丈夫ですよね?(笑)
本番で100%の力を発揮するために練習では120%の力でやっておく。
とにかく”彼”のようにならないために、絶対にマークミスがおきないように様々な対策を講じておくことが大切です。
私は必ずマークする前に問題番号を確認しましたし、最後にマークした番号と問題の番号が一致しているか全てをマークした後で確認しました。
実際試験中にマークがずれていることに気が付き、無事対処できました。
こういったトラブルは事前に予測可能。起きることが分かっている事態は備える事が可能なんです。
だからこそ如何に本番に近づけて過去問演習をするかが大切。
私は自分の生徒には極力本番と同じ問題用紙を用意し演習させます。どんなに経費がかさんでもこれは私のこだわりです。
本番の臨場感を少しでも感じさせてあげたいから。
学校や塾によっては過去問を、問題ごとに演習し解説します。苦手な問題形式のみ対策してるならまだしも、問題をぶつ切りに解いて出来たからと言って安心するのはやめましょう。
それはあくまでその問題がとけるというだけの話。本番に同じことができる保証にはなりません。
もちろんどんな対策をしても100%にはならないかもしれない。
だからこそ…
普段の練習で120%くらいの力で取り組んでおく。
もしもの事態で20%削られてもまだ100%。それなら大丈夫でしょ?
それくらいの気持ちでやろうということです。
大切なのは、通し稽古。必ず本番と同じ環境で練習しておく。
過去問演習の最大の目的は時間配分。最終的には必ず通し稽古で時間内に解き切る練習が必要です。
またある問題を同じ15分で解くにしても、ぶつ切りにして解く15分と、80分のなかの15分として解くのでは全くの別物になります。
例えばセンター試験の国語の漢文や、英語の第6問。順番通りに解く方からすれば最終問題ですね。
体力も集中力も切れ掛かっているかもしれませんし、ただ15分で解くと考えるのと、残り15分しかないと思って解くのとではプレッシャーが違います。
だからしんどいですが、メンタル面まで考慮して演習するなら過去問はすべて通して演習することが大切になるんです。
漢文が苦手だから漢文だけやる。それは基礎の勉強としては大切ですが、実践演習ではない。
つまり漢文力は伸びても入試での”本番力”はのびない。
今回のお話で出てきた”彼”。たしかに彼はかわいそうです。ですが、それは彼の責任。もしもこのブログを読んでいる高校生や浪人生がいて、来年のセンター試験で同じようなマークミスをしたなら当然それはその人の責任。
運が悪かったのではなく、実力不足。そこまで考えていなかったということ。戦略的敗退。
まだまだ紹介したい怖い話があります(笑)次回は番外編の②としましょう。同じく本番を意識することの大切さと具体的な対処法。そしてメンタルコントロールのお話をしたいと思います。
今日はこのへんで。
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