どうも、そいる塾長です。
自立学習という選択肢
現在塾業界で第3極となりそうな勢いのある自立学習型の学習塾。
高校生には映像予備校というジャンルがあるものの中学生向けで映像一本のところはあまり聞かないのでこれが第3勢力ということでよろしいでしょうか。
まだあまり認知されていないジャンルですね。京都も大手の自立学習塾がまだあまりたくさん進出していなかったので認知度は低いと思います。
有名所としては「授業をしない塾」さんです。検索したらすぐにでてきます。FC教室が京都を含め全国いたるところにできています。
こちら授業はしないものの、授業料(授業しないから授業料じゃないか…)は決してお安くはないのですがそれでも高校生にはかなり人気ですね。こないだトイレの盗撮で捕まった教室もたくさん生徒さんがいらっしゃった模様です(悪意はないですよ)
京都にはあらたに別の自立学習大手チェーンが進出。京都でもこれから認知度が高まってきそうです。
簡単に言えばこの自立型は、講義を受けるために塾に来るというのではなく、塾で先生の管理のもと自分で学んでいくというスタイルです。
こう書くと保護者さんからすれば…
それ自習しにいくのとどう違うの?
なんて思うのではないでしょうか。
自習は無料…なのにお金とるの?的な…。
たしかに有料自習室もあるし、自習塾というジャンルもあります。しかし今回私が紹介するのは自習とは完全に異なるものです。
何が違うかと言えば学習管理です。
もちろん個別での指導、映像の授業、さらにはグループでの指導が組み込まれていたり、逆に質問対応のみのかなり自習に近いかたちのところもあり、塾によって中身はかなり違う様子。
しかしどこも共通しているのは学習管理。これがメインだと思います。
学習計画を一人ひとり立案し進捗管理。勉強法とともに具体的な指示の下勉強を教えながら自立学習ができるように導くというわけです。
今は教育ICTの進歩によって様々なツールが使用可能です。
これにより塾外までしっかり管理ができるようになっています。
この辺もどこまで、その程度まで管理するのか、という点では塾ごとに異なるようですね。
逆に集団塾や個別指導塾がこの手法を取り入れているというパターンもあります。
保護者さんの誤解
このように説明してもなかなかピンとこない方が多いと思います。
保護者さんの中にはどうしても根深い誤解があるんですよね。
しかし塾をやっている側からすればその重要性はいたいほどわかります。
だから保護者さんは、学校や塾には、わかりやすく丁寧な授業を求める。
ですが塾へ通うも成績が上がらず面談に向かうと塾から言われるのは…
自分で勉強する時間をしっかりとって、自分で考える力を育てましょう。
塾の先生や学校の先生は実際こう思っていることがほとんどなわけですよ。
どうしてもここにギャップがある。どちらが正解とかではないんですけどね。
ただ、授業だけ聞いても成績は上がらないのは間違いないです。
じゃなかったらクラスにいる塾にも通わず勉強ができるこんな感じの子↓はなぜ存在するのか?
授業なんてもんはわかり易かろうが面白い授業だろうが、勉強をしやすくしてくれるお助けアイテムにすぎないのであって、そこで得たものを使って自分で頭と手を動かしてアウトプットする時間を取らなければ自分の力にはならんのです。
もっと言えばインプットも不十分ですね。授業を完全に丸覚えしてもテストや入試で問われる全範囲は網羅できません。特に大学受験ともなれば絶対に授業で網羅は不可能。
ドラクエで言うとバイキルトやスクルトです。こんな魔法使っても実際に攻撃しなかったら敵にダメージは与えられないんですよ。言うなら授業は補助魔法。(わかりにくい例えでごめんなさい)
学ぶのが生徒本人である以上、勉強を教える側は補助魔法しか使えないんです。
その効果が高いのがわかりやすい授業だったりするということ。つまり家帰って自分で勉強しようという動機づけになる授業です。”やる気”が出ると言っても良いでしょうか。
しかしここで絶対に保護者各位に間違ってほしくないのが…
これをお求めの保護者さんが多いと感じるんですよね。できない子のお母さんほど多い気がします。わかりやすいってそういうことじゃないですよ。
あとはこんなの…
先生がいなくても自分で出来なければテストでできませんけどいいですか?
よく考えてみてください。
先生が答えを教えなければできない、予想問題を外したらテストで解けないなんて状態は、お子さんの力に関しては塾に通い始める前と何ら変わっていないのではないですか?
だから宿題が出るわけです。これをやらないと自主学習の時間が0になるという人の場合、0を掛け算する以上学力の伸びは0になると思ったほうが良いです。
あと言いにくいのですが…
これは後の自習室のところでお話するとしましょう。
このあたり、やはり塾としては生徒本人だけでなく保護者さんにも理解してもらいたいところですね。そういう指導をしていかなければいけない。
道具を使う練習を一緒にするのが自立学習型の塾
本来は自主学習は自宅ですれば良いわけです。わざわざ自習室でやる必要はない。
しかし当然家に帰ってしまうと気持ちが弱くて勉強ができない子がいます。
またちゃんと勉強する時間はとっていてもその道具の使い方が無茶苦茶な子もいます。
しかし講義のみを行う塾では家に帰ってしまわれるとそこが見れない。だからしっかりした塾ではテストをし、その結果から、授業で与えた道具の使い方をどこまでマスターしたか、その習熟度を見るということですね。
しかしその方法で子どもたちの自主学習のスタイルを構築していくにはなかなか時間と根気が必要です。
そこでこの自主学習スタイルの構築に特化したのが今回ご紹介している自立学習型の塾ということです。
結局どんなかたちの塾にとっても生徒の成績を上げる、もっというなら学力を上げるためにはここがちゃんとできるかどうかが全てな気がします。
もちろんそうでない塾も今やここを無視していては他塾に勝てないところに来ていると思います。
必ず何らかの形でこの自立学習を取り入れています。
それが自習室です。
自習室の有無とその利用
一概に自習室と言ってもその扱いは塾によって異なります。
例えば講師が常駐していて質問対応や学習管理を行ってくれるならそれは自立学習の塾が併設されているようなものでしょう。そのクオリティーがそれに及ぶかどうかは別にして。
もしくは全くそのへんノータッチの学習スペースの提供としての自習室。これは家だと誘惑が多くてできない人のため。それでも自分で学ぶ時間がとれるので、少なくとも自宅よりはやりやすい子は確実にいるでしょう。
あと、自分の能力が原因ではなく幼い兄弟がいる、自分の部屋がないなどの家庭の状況により、より集中できる環境を欲している生徒はいるはずです。
自習室批判をする方が見られますが、たしかに家で”も”勉強できるようにならないといけないとか言うんですけど、自習室がそれを阻害する要因みたいにおっしゃるのはどうかなと。
おそらく批判されているのは「強制自習が子供の自主性を削いだりする」というようなものだと理解しているのですが、みずから自習室で勉強したいと思うことを甘えだとか塾依存だというのは違うのではないでしょうかね。
図書館なら良いのでしょうか?
たしかに自宅で全く出来ないとかは論外ですが、特に勉強をし始めたばかりの子なんかは、まず自習室で勉強する体力とできるという自信をつけたら徐々に自宅でも…というふうな感じでも良いと思います。
そういう意味では自主学習に必要な能力がまだ備わっていない子が、自習室すらなく自主学習は全て自宅でという塾に通うのは大変危険だと思います。
少なくとも時間がかかります。
だから自習室がなくても良いなと思うのは小学校から鍛えてくれる進学塾くらいですかね。
自習室ではなく、しっかり授業中に自立学習の方法と正しい姿勢を仕込みきる。
これができると自習室という利益にならない部分を削ぎ落とし、さらにテスト対策のようなサービスで塾で自主学習させる必要もなくなります。授業をすればあとは各自家でビシッと求められるレベルまで上げてくる。
生徒が塾依存しないから、塾の先生も年間休日がたくさん取れるというわけです(笑)
これが理想なんですけどね。
しかしこれは塾にも生徒にも高いレベルが求められるわけです。
あくまで授業内でやりきらないいけないわけですから。あとは生徒次第になる。信頼しうる生徒でないと痛い目にあいます。
だから途中入会は厳しいですね。できない子は論外。一定レベルが求められます。だから当然途中入会には入塾テストがある。なんなら定員制でそもそも途中入会の募集をしていないでしょうね。
中学生で勉強ができなくなって途中から通いますと言った場合多くがこの自主学習の習慣はない子だと思うので、科目指導以上にそういった勉強スタイル、ちゃんというと学習への姿勢を身に着けさせてくれる塾を選ぶべきだと思います。
そしてこれは無料でやってもらうものという感覚をそろそろ改めて行かないといけないと思います。
特に最近個別指導塾がしんどいのがこれです。まず個別には自立学習ができるレベルの子はなかなか来ない。それに加えてそもそも全科目指導できない以上、自立学習を採用する他ない。
しかし個別指導という指導形式のため授業料をこれ以上あげられない。保護者がそれを認めない。
そこで登場するのが「自習で見てください」という矛盾に満ちた言葉。
自習なのに「見る」わけです。
保護者さん、それ自習やないやないですか。これで疲弊する塾。
そして「見る」ことによりいつまで立っても自立学習ができるようにならない子どもたち。
塾の自習室に言っても意味ないから行かへん。だってこないだも単語の意味わからんから質問したのに自分で辞書を引けって言うだけやし。それやったら自分でできるっちゅうねん。
えー!なにそれ!面倒見が良いって言ってたのに!塾に電話して言うたげるわ!
みたいなのね…。あるよね~(^_^;)
辞書引ける言うんやったら最初から引けよと思うのですが。塾の講師はGoogle先生か?便利な道具だと思っているんでしょうね。
答え知りたいだけやったら答え写せよと。
勉強ってそういうことじゃないやろと。ほんでこの子この後絶対家で辞書引いたりしませんからね(笑)
本当に大切なのはこういう勉強に対するおかしな姿勢を正しく矯正していくこと。
そしてこの子の場合保護者さんの勉強感も矯正しなければいけない。
このクレームで万が一ビビってしまった力のない教室長が長文の全訳を配ってあげたりなんかしだしたら…、もはやこの子は自分で考える必要がなくなり勉強しなくても良いことになる。
しかし一つも力はついていないですからね。そして毎回先生に全訳を要求するようになる。
先生はしんどい思いをし、生徒はなにも力がつかない。そして月に何万円の授業料。いやそれ迷惑料払っているだけちゃいますの?みたいな感じです。
これをまず保護者さんが理解しなければ、塾はご機嫌をとるため今日も都合の良い塾になろうとします。
しかしそれはお子さんのためにはなりませんよ。お子さんが塾に通って楽に勉強している風を演出したいだけならまだしも、成績を上げたいなら根本的に考えが間違っています。
生徒が自分で考えて答えを導き出すことができるようにする。これが目的であるということを全員が忘れてはいけないと思うのです。
結論
で、SOILはどうするの?(おまけ)
私は講義型の塾をやるのであれば小学生のうちにこの辺をどれだけしっかり仕込めるかが重要だと思っています。だから小学生の部門に一番力を入れると思います。
それはSOILの使命として高校生をサポートできる塾であるためです。
中学生になったとき、高校生になったとき、そして大学生になったときに困らないように指導したいのです。
そして小学生は集団で講義を受ける練習をちゃんとさせたい。なぜならその後10年近くは中高大と講義型の授業を受けていかなければいけないわけですから。それを最大限活かしたいのです。
だから小学生は極力講義型の授業を中心に添えてこの自立学習のスタイルを浸透させるような講義がしたい。
中学もやはり講義は重要だなと。ただ入試となってくると求められるレベルや必要なレベルは個々に変わってくる。だから個別対応の時間を増やしていきたい。
だから講義に対して個別対応だったり自立型の時間を増やしていきたい。
そして高校生に至ってはSOILで自分が育てた生徒であれば自立型メインで行きたい。だって講義は学校で十分じゃないかと。必要なら映像授業で良い。
もちろん私が必要だと思うもので全員にやりたいところは一斉講義にすればお互い効率は良い。
しかしやはりいちばん必要なのは自分のスタイルで勉強することだと思う。
高校生になるまでにはそのスタイル(勉強に対する正しい姿勢)を仕込んでおけるかが勝負。
それが出来なければ崩壊。
逆にそれがない途中入会をどうするかですね。こればっかりは他の子と同じ条件では受け入れられないでしょうね。少なくとも個別指導や強制的な塾の管理下での自立学習の時間を取り入れる必要はあるでしょう。
つまりはSOILはなんでもありな塾にするつもりです。教室のスペースや経営上、最初はある程度制限はかかってしまいますが、最終的になんでもアリの塾にしたい。
生徒に一番ふさわしい形がいつでもとれるような塾ですね(完全に理想論ですが)
次回予告:勉強法を教えてくださいという保護者さんへ
今日はあまり勉強法という言葉を使わなかった、勉強法と言うとこれまた保護者さんの中には、何かテクニックやコツみたいなノウハウ、つまり秘密のレシピがあってその通りやれば三つ星レストランで出てくる料理が作れる的なお考えを持ちの方がいらっしゃると思うんです。
しかしね、保護者さんのキッチンにはそのレシピを活かせるような調理器具がなければレシピに載っている材料が冷蔵庫に入っていないわけです。
それになによりフランスで何年も修行したようなシェフの腕は保護者さんにはないのです。
しかし料理本にはそれが可能であるかのうようなキャッチコピーが並ぶ。
これは塾でも同じですよ。
勉強法なんてのは今日書いたところで言うと単なる”道具”にすぎないのです。
そんなものはちゃんとした塾であれば集団だろうが個別だろうが授業内でも指導します。
それが出来ないのは知らないからではないのです。
知っていても出来ないのです。
この勉強法のお話はまた詳しく別のところで。
今日はこのへんで。