塾選びのポイント(3)中学生の【指導スタイル別】ぴったりな塾の選び方

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

「保護者さんへの手紙シリーズ」第3弾も前回に引き続き、中学生のための塾の選び方。今回は指導スタイル別塾の選び方について。これまたなんだか選び方というより私の塾観をダラダラ書いているだけで参考になるかは分かりませんが、お付き合いください。

 

ぴったりな指導スタイルを見極める

 

前回の目的別のところでも少し触れましたが集団塾と個別指導の塾など、中学生のお子さんにぴったりの指導スタイルを見極めるポイントを解説します。どうしても自分が今個別やっているので個別に厳しくなってしまうのはご容赦ください。(そろそろ怒られそう…汗)

 

集団形式

まずは定番の集団形式の学習塾。

大手進学塾から個人塾まで。個別指導よりも選択肢は少ないものの塾のカラーが出やすい形式です。集団なので教室全体で統一されたカラーが出ますからね。

合う合わないがはっきり出てしまいます。しっかり選びましょう。

個別と比べると指導レベルは総じて高い。「塾長や先生の人柄」を除けば当たり外れは少ないと思います。簡単に言えば、恐怖支配をする塾から、暖かく包み込む系の塾まで様々です。

集団と言えど、講師とは人間的に波長が合うほうが当然良いのでその辺はしっかり確認。

あと個別と比べると料金が安い。大手進学塾は高いと言っても個別とは授業数が違いますからね。

それに集団はセット料金みたいなものですから。

バラ売りの個別に比べると単価は高く見えても結局は割安です。個別は最安値だけみれば安いんですが結果高くなる、もしくは高かなるから取り切れないというトラップがあるので注意ですね。

逆にピンポイントで塾を利用したい人は集団塾は不要な授業も取らなければいけないデメリットはあります。

ただ、中学生に関しては全部やったほうが良いというのが私の考え。ピンポイントでなんていえるのは一部の天才だけでないかと。出来ているつもりになっているかもしれませんが、高校行くとボロが出ますよ。

 

チェック:☑ 時間割

集団塾に通うための最初の問題は塾の時間割に合わせられるかということ。

部活や他の習い事と被ってしまったり、頻繁にランダムな予定が入るお子様には当然向いていません。

あと注意していただきたいのが通常期ではなく、講習期間

だいたいの塾が生徒の部活の練習時間をケアした時間割を組んでいますが、それでも完全に一人ひとりケアできるわけではないのでしっかり講習期の時間割も事前にチェックしておきましょう。

もちろん講習料金もチェックです。

進学塾であればおそらく授業”“が不足することはありません。これで足りないなら授業ではなく自主学習の時間を見直すべきです。

 

チェック:☑ 指導レベル

集団塾はクラス指導ですので、指導レベルやカリキュラムが事前に決まっています。

塾によっては入塾テスト、または厳しい条件を飲んだ人だけが入会できるところも。

ただ個人的にはこのいずれもなくて本当にだれでもウェルカムな集団塾はやめたほうが良いと思っています。あくまで中学の途中入会での話。中1の春や小学とかなら誰でもウェルカムな塾のほうが高感度高いのは当然ですが、中3みたいな受験学年でたくさん入会してくる集団塾は嫌ですね。

クラスをぶっ壊す生徒が入ってくる可能性すらありますので。何にせよそこからの入会で同じ結果が得られるなら…ってなりますよね。新入会の子が自分よりできる子なら我慢できても、できない子が入ってきてそっちに先生が手をかけて自分に手が回らないなんて最悪ですからね。

ま、そんな塾はなかなか…(いや…あるな…)

ゲフンゲフン…そもそも定期テスト対策や、難関校進学、弱点教科などお子様の目的と塾の指針が合っているのかを確認するべきです。

進学塾であれば年度の途中からの入会は”普通は”難しくなります。

そして集団塾に通うなら「自分よりちょっと上のレベル」のクラスに入ることをおすすめします。

ついていけないのは問題なのですが、ついていこうとしないのも問題なのです。入塾時は少し負荷がかかるくらいのほうが良いです。でなければおそらく成績は上がらないと思います。

逆に自分より下のレベルのお友達がたくさんいるクラスに入るのはよく考えた方が良いかと思います。それなら学校でよくないですか?

集団塾のレベルは”上”過ぎても”下”過ぎてもダメ。ちょっときつめくらいがちょうどよい。お風呂だったら43度くらいかな。

入塾時ではなく、希望するレベルに成績があがったときに一番恩恵を受けられる層になることが出来るかどうかがポイントかと思います。

 

チェック:☑ 生徒層

これは集団塾ではとても大切なポイント。もちろん学力レベルだけではありません。

例えば、クラスを編成している生徒の中学別の構成比率を問い合わせの段階で聞いておきましょう。中学のテスト日程はバラバラですので、あまり多様性のあるクラス編成ですと定期テスト対策”は”しづらくなります。

一方で難関校受験対策の進学塾に通うのであればこれはどうでも良いわけです。

しかしこれまた志望校がクラスで多数派なのかどうかという問題が出てきます。大学入試よりは高校入試は各校の差異が大きくないとはいえ、指導レベルが自分に合っている方が望ましいので。

いずれにせよ、お子様が多数派になるか少数派になるかを確認するべきです。

また集団塾でも個別対応が充実している塾はあるので、どこまで対応してもらえるのか確認してみましょう。

 

 

 

 

個別形式

 

個別といっても形式は千差万別。

とりあえず看板よりも教室長で選びましょう。これだけはマストです。

あと、個別指導は学生講師が基本です。上の画像みたいにスーツを着てネクタイ締めていても学生です。個別指導塾の講師の9割は学生と考えましょう。

そして基本的には教室長と呼ばれる人は事務員である可能性もあると思っておきましょう。特に大手ですね。今は一時期の流れと変わって、多店舗展開の仕方が変わっています。

都市部ではコンビニのように小さな教室をポンポン展開。

ひとつの大教室を作るよりも数で勝負です。これが大手進学塾とは違う方式。

乱立する個別指導塾のなかで差別化よりも棲み分けを狙ったかのようですね。お互いに生徒を回しているイメージすらあります。(そろそろ怒られるかな…笑)

そしてだからこそ離職率もめちゃめちゃ高い。とくに個別指導塾が顕著。頑張っちゃうと死にます。そして上がらない給料。上の役職なんて詰まっちゃってて出世なんて出来ないですからね。

大手でもなかにはバリバリ授業をやっている教室長もいらっしゃり、凄腕の先生もたくさん知っていますがおそらく数%です(笑)こういう塾を見つけられたら本当にラッキーです。やはり口コミをしっかり追っていくのが大切ですね。

しかし大手の個別指導の教室長は数年で異動になります。その点も注意です。良い評判を聞いて行ってみたら教室長が変わっていたなんてことは多々あります。

あと…学生講師の方がマシという社員さんをたくさん見てきました。

あと実はこの辺は、FC教室と直営教室で異なります。

FC教室だから良いとも悪いとも言うことはできませんが、FC教室は個人塾のように個性のある教室長がいたりもするので奥深いです(笑)

いずれにせよこの教室長という人で教室が決まります。その辺はしっかり評判を確認し面談時に品定めしましょう(笑)

ただこれは地域にもよります。こないだ父親の故郷に寄ることがあったのですが、そこにもありました大手の個別指導塾。

心配になるんですよね。誰が教えているんだろうと…。この地域は優秀な学生どころか、大学生自体がいないんですがね…。

やはり口コミ、ただし口コミサイトではなく”生”の口コミを頼りにすべきかと。

 

チェック:☑ 指導形式をチェック

1対1~1対3と様々ですが、例えば90分1コマだとすると、先生が一人に当てられる時間はそれぞれ90分~30分まで変化します。それとともに料金も安くなるわけです。

もちろん解説するだけが授業ではありません。演習時間をとることが必要と考えれば、マンツーマンは費用対効果が低くなります。しかし全く自分で勉強ができない子であればマンツーマンでないと授業が成立しませんし、逆に難関大志望の高校生の入試直前期(過去問解説など)もマンツマーンのほうが良いに決まっていますね。

なかには最初の取り決めを守らず1対5とかで授業をする悪徳個別指導塾もあるようなので注意が必要ですね。

 

チェック:☑ 担任制の有無

個別指導の授業担当者が毎回ランダムという塾ははっきり言って避けたほうが良いです。

必ず担任制のところを選ぶ

担任制でなければ個別のメリットが帳消しになる。

ただでさえ責任感の薄い学生講師が多いなか、さらに責任の所在が不明になる。

いくらしっかり引き継ぎを行ったとしても、生徒一人ひとりの情報には言語化できない部分がたくさんある。

これだけは絶対条件。私は担当制を敷いていない個別指導はおすすめしません。自由がきかなくなり料金は割高になりますがそれでも担任制のところを選ぶようにしましょう。

この担任制で講師と二人三脚で勉強していくのが個別の醍醐味ですから。

 

チェック:☑ 学生講師

担任制を敷くと自由が効かなくなり料金が割高になるのは、それこそ大学生を使用する難しさに起因します。

個別指導で良い学生講師と出会うためには保護者さんも、相手が学生であることを認識するべきだと思います。

あの…、うちの子の通っている個別指導塾はみんなスーツ着ていらっしゃるので学生さんじゃないと思います。

こんな保護者さんがいらっしゃいました。ハッキリ言います。学生ですよ。

疑うなら「アルバイト 塾講師」で検索してみましょう。

大学生大募集しちゃってますから(笑)

一部大手が今もやっているこの手法が大嫌いなんですよ。

スーツを着させるのは問題ない。大学生だと言うなというもの。

私がアルバイトしてた「塾なんて塾の半径5km以内を異性と二人で歩かない」なんて規約がありました(笑)

アホでしょ?(笑)

身分詐称はいかんよ。詐称はしていないにしても相手の錯誤を誘うような経営。

美意識が足りませんよね。

(こちらは最近感銘を受けたブログ。あんまり塾選びと関係ないですがこういう美意識のない塾は生徒本位じゃない気がします。一応ご紹介しておきますね。)

たしかに保護者さんからしたら学生よりも社会人、というより正社員が良いと感じるでしょう。

指導力云々の前に責任感が心配という声も。

「うちの担当の学生講師の先生しょっちゅう休みになるし、こないだ数週間いらっしゃらなかったし…」

個別指導あるあるですね。あとは担当の先生がコロコロ変わるというの。たしかどこかでこれが退会理由No.1って言ってた気がします。

しかしですね…

怖い人
怖い人

こちとら高い金は払っとんやぞ、ごらぁ!

みたいなのはやめましょう。彼ら学生講師は決して高い給与をもらっていません。

先程の塾講師募集サイトで担当の先生がいったいいくらでお子さんの授業をしてくれているかがわかります。(怒られるかな…)

今や塾バイトはブラックバイトと呼ばれるご時世。

それでも一生懸命お子さんのために家で予習したり、プリントを作って胃が痛くなるほどお子さんの成績に悩む学生講師がいるのです。(全員とはいいませんが)

それなのに大学のゼミや就活と言ったやむを得ない事情での授業変更を認めなかったり、無茶な振替を要求したりしていては先生から離れていきます。

たしかにお給料をもらっているんです。ビジネスです。でもやはり教育は人と人との関係性のなかでのやりとり。それを保護者さんがぶっ壊すのはよろしくない。

もちろんとんでもない学生講師はたくさんいるでしょう。私でもこれまで数人はクビにしました。怒鳴りつけたいような子でした。しかしだからといって今の個別指導の授業料、システムであれば学生講師を使うしかないのです。

まだ都会で優秀な学生講師が集まる地区の方は幸せだと思ったほうが良いです。

だから学生講師が嫌ならもっとお金を出してプロ家庭教師を雇いましょう。それしかないです。

ただし某大手には名前だけのプロがいっぱいなので注意してくださいね。それでも個別指導塾の3倍くらいの授業料は覚悟しましょう。

ただし地域によってやはり学生のレベル・質が変わります。

そして教室の空気感がそのまま学生講師の質につながります。これが塾長や教室長で変わる一番大きな部分です。

しかし学生はどんなに熱心な教室長が研修をしていてもまだキャリアが1・2年の人がほとんど。

しかも週に2~3回の勤務。今どき「週1回からOK」なんて求人広告珍しくもありません。

ためしにこれまた「週1回からOK」で検索してみましょう(笑)

となるとキャリア1年の学生講師でも100コマの経験すらない先生です。

わたしは一時期今の塾で夏期講習期間のみで120コマとかでしたよ(笑)

つまり圧倒的に経験不足なんです。

となると、どうしてもそこまでに学生講師がどれほど勉強してきたかが指導に如実に出ます。

勉強ができれば教えるのがうまいわけではありませんが、勉強ができないから教えるのがうまいわけでもない(笑)

大学生なら中学生くらい教えられるだろうという考えは捨てましょう。まず誰でも教えられることじゃないですし、教えられても下手すると生徒のその先がなくなる。あくまで私の考えですが。

そういう意味でもちろんキャリアの長い先生にお願いするのがベストですが、それにはデメリットも。

卒業です。

キャリアが長い学生講師は、同時に卒業にも近いということです。さらにいうと、就活が控えていますし、ゼミや研究室で忙しくなります。教員志望の先生だと教育実習という罠がまっています。

その辺も気をつけておかねばなりませんね。

 

チェック:☑ 講習料金

これはもう言うまでもないことかもしれませんが、講習費用は本当にしっかり確認しましょう。

私は講習は必要だと考えます。講習を否定しているのではありません。

しかしやっていて申し訳なく思うのは、個別ならではの「生徒一人ひとりにあわせた指導」のせいで、そのときになってみないと必要な講習がどんなものでどれほど必要かがわからないのです。

だって一人ひとり、そのときの状態にあわせてカリキュラムを考えるわけです。

前回も言ったように都合よくはいきません。本来は予算は関係なく、必要な講習を提供されるべきです。予算がないと言うとコマ数は減って助かるかもしれませんが、それはお子様にとって必要な授業数が減るということです。

塾へ通う目的は何だったのか考えるとこれは塾にとっても保護者にとっても良くないのですよね。

ただしここまでのお話は全て塾が子供本位で考えてくれる誠実な塾だったらの話です。

売上本位の塾だったら…そう考えると保護者さんが講習を信頼できないのも理解できますね。

この辺も入会時にちゃんと話をしておくこと、そして信頼に値する塾かどうかを見極めて置かなければいけません。

 

チェック:☑ 受講外科目への対応

最後はこれ。結局個別はどこも同じ悩みを抱えるのです。受講科目以外どうするの?っていうね。

だいたい犠牲になるのは理社国なんですが、これは自分でやりなさいになる。

塾によっては映像がついていたりするんですが、これがひどい(ところが多い)。

ほとんど誰も見ていないという…。

そもそも考えてください!集団でついていけないから個別に来た。ならばそんな子がどうやって映像授業でついていけるのでしょう。できるのであればなぜ英数を映像授業でやらないのか…。

とまぁ矛盾をはらんでいるかのようなんですが、確かに個別指導の授業がなくても理社国をしっかり80点、90点超えて来る子はいます。うちの塾でも。

国語は少し違いますが、やはり英数に比べて前提となる知識が不要というところが大きいと思います。正しい勉強法を身につければ授業がなくても定期テストで目標点が取れる子はたくさんいます。

なんならウチの場合、講習をのぞいて理社国は自習で攻略してしまいますからね。

ただし、全員じゃないです。自立学習ができる子。これは絶対です。

英数の授業で宿題をやってこないような子。つまり自立学習ができない子には無理な話です。

あくまで英数で勉強に向き合う正しい姿勢を身につけさせながら、塾によってではありますがテスト前(や普段)のサポートで点数を取らせるというのなら可能だということ。

そうでない子は何をしても無理ですね。

と最後は自立学習のお話になりましたので次は自立学習系(空間系)の塾のお話をと思いましたが、文字数が…また7000字…

 

ということでそのお話は次回に、自立学習と自習室の有無という観点から塾選びのポイントをお話したいと思います。

 

今日はこのへんで。