塾選びのポイント(1)子どもと相性の良い塾の見つけ方

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

新シリーズ「保護者さんへの手紙」シリーズスタートです。このシリーズではSOILに通ってくださる塾生の保護者さんはもちろん、その他の地域の保護者さんに向けても色々なトピックスをご紹介して参ります。

 

質問箱からのご質問ありがとうございます。Twitterの文字数では到底お答えできないと判断しましたのでブログにて。

ご質問の内容は中学生のお子様の塾探しということなので、中学生視点で考えております。

まず最初に思いつくポイントを列挙してみますね。

 

・塾長(教室長)の人となり
・指導形式
・時間割
・生徒層
・料金
・自習室の有無
・授業外のサービス
・講習料金

こんなところでしょうかね。

これ全部お話しようとすると本が一冊書けそうな勢いですので、これからシリーズで少しづつ書いていきたいと思います。

そうだ!
最近Twitterでお世話になっている学び家@しがさんがご自身のブログで塾紹介をされています。

滋賀県の塾の紹介ですが、京都でも「乱立」する大手さんの紹介が多いので参考になるかと。

あともう一つ。こちらはさくら個別の國立先生のブログから。
同業者の私が姪の塾をガチで選ぶよ!其の壱 - さくら個別ができるまで
「おぉ~お前なにやっとるだ。まぁ~あれやぞ。おまぁそんなフランチャイズとかダイジョウブなんか?ちゃんとやらなか

個別指導を考えている方には非常に参考になるおもしろ企画。

タイトルでやられます。私も全3回、ワクワクしながら読ませていただきました。

ということでここからは私なりの塾選びの方法について。あくまで一塾人としての意見です。

いろいろな意見があるとは思いますがその辺気にせず書いていきますよ(笑)

今日は私が考える塾選びの大前提となる部分についてのお話になります。なかなかデリケートなお話なので書きにくいのですが頑張ります(^_^;)

”相性が良い”塾と”都合が良い”塾を間違えないように!ということ
これが何よりも大切なポイントとなります。第1回ということと台風で暇だったこともあり、ここから7000字の長文となりました。
長旅ですので、この言葉を忘れずに以下お読みください(笑)

塾選びの大前提

 

お子様にあっている塾を探すとなるとさぁ大変。

最終的に学力だけではなく性格や、お住まいの地域、目指す学力、志望校などで色々と変わってしまいます。もちろんお子さんとの相性が良くても保護者さんのお財布と相性の悪い塾だってあります。

それに何より、正直いって”相性”なんてもんは実際に通ってみないとわからない…。

(それ言っちゃおしまいだと言われそうですが・・・。)

飲食店なら問題ないんです。一回行ってみておいしくなかったら次は別の店に行けばいい。でも塾はそういう訳にはいかない。

基本的に塾の評価は絶対評価。人生で何教室もはしごした人はいないでしょう。だから塾は相対評価にはなりにくい。転塾でもしない限り。

年に数回転塾を繰り返しているようなお母さんの評価だと逆に私は参考にはしたくないなと…(笑)

それに何より保護者さんはお子さんの感想をもとに、その”店”の味を確認しないといけないわけですから大変です。

 

体験授業は必須

だからこそ、体験授業はとても大切な要素。そして入塾前の面談。当然のことながらこれを経ずして相性なんて測れるわけがないですよね。

体験授業は無料で受けられるお得なサービス授業なんかではないです。

体験授業は生徒本人と保護者、そして塾側の両者が相性を見る貴重な場

本来はここで塾側に相性が良いかどうかを診てもらうべきです。

相性が良いかどうかは保護者さんよりも塾のほうがよく分かる。

体験授業を客の呼び込みに使っているようなしょーもない塾よりは、「体験授業でふさわしくないと判断した場合は入塾をお断りする場合があります」くらい書いてある硬派な塾の方が断然良いと思います。

体験後、入塾を断られるとなるとお子さんを否定されたようで腹が立つかもしれませんが、金だけとってやろうとするような塾よりはずっと真摯な対応だと思います。

ここで怒ってしまわずにしっかりとなぜ入塾できないかを尋ねてみましょう。

それが成績基準での選別だったなら気にする必要はありません。そこが最初からできる子を集めて実績を稼いでいる塾だったというだけのこと。もしくは完全に保護者さんが間違えてドアをノックしてしまったか。

しかし成績基準以外で入会を断られた場合は、気をつけなければいけません。

その場合勉強を始める前の段階に問題があるということです。

場合によってはお子さんの発達障害や学習障害を疑わなければいけないかもしれません。塾としては「障害」という言葉を持ち出さないと思います。診断ができるわけではありませんので。

しかしこの場合保護者さんが気づいていないと二次障害を発症する恐れすらあります。

話がそれてしまうので今回はこの件には深く突っ込みません。

しかしそうではなくて勉強に対する姿勢を指摘された場合、単に授業を受ければ成績が上がるという安易な考えは捨てたほうが良いです。

その前段階。いかにこの部分を鍛えてくれる塾を探すかがポイントとなります。

塾にとってこれが本当に難しいのです。

(これができる塾とは?というのはまた別の機会に。)

そして気をつけていただきたいのが、お子さんではなく保護者様を見て断った可能性。

怖いのであまり突っ込みませんが、この保護者さんとは協力してやっていけないと塾が判断する場合もあるということ。どの塾もそれを直接は言わないだけで。

いずれにせよ相性が良いかどうかの判断はお子さんや保護者さんだけのお仕事じゃない、ということをご理解ください。

 

 

入会前相談も必須

そして入会前面談。料金システムが気になるのは当然ですが、ここでじっくり塾での指導についてお話を聞きましょう。そして思い切って質問をぶつけましょう。

ここでまごつくような塾長・室長であれば危険。授業は学生講師に任せっぱなしのただの事務員さんである可能性が高い。

例えば英単語を暗記出来ませんがどうしたら良いでしょうかと聞かれたら、私はブログにして8000字近い内容のお話ができます。(近々再公開します)

それを「根性です」と答える先生もいるわけで。

なら塾はいらなくないですか?帰って根性出すしかないでしょう…(^_^;)

塾は塾長・室長で決まる。

これだけは間違いない。どんな立派な教育理念を掲げていても、豪華なシステムを搭載していても、やはりここが何よりも重要。これが駄目なら全て駄目。

だから大手で同じ看板を掲げていても、そこにいる”人”によって全くの別物になる。

そしてそこにいる生徒はその”人”によって創られる以上、教室の熱量や空気感もまたその”人”によってつくられるのです。

だからここでとことん話を聞いて、そして聞いてもらって保護者さんと塾長・室長との相性を見ましょう。

ここで疑問符がつくならやめたほうが良いです。とくにここで熱量を感じない先生だったらもう枯れてしまっているかもしれませんね。

 

体験授業や入会前相談に行く前に

体験授業や面談に向かう前に、保護者さんとお子さん本人に何よりもまず一緒に考えてほしい大前提があるのです。

それが…

なんのために塾に通うのか

ここを考えずに相性なんてはかれません。

お子さんにも当然ここは理解させておきましょう。これは最低限保護者さんのお仕事です。

そしてこれをしっかり塾側に提示して、目的達成に塾側が必要だと考えることをまずは聞きましょう。

これは本来、保護者やお子さんの都合では動かせないものです。

これを保護者さんの反応を見て動かしてくるような塾は、入会させるのが目的と考えてまず間違いないでしょう。

保護者様の持っている情報量は、塾サイドと比べると圧倒的に不利。

まず第一に保護者さんが勉強・学習に関する情報を持っているかということ。

親が高学歴であれば、ご自身が勉強をしてきた経験や、通塾した経験から、「良い塾」や「良い指導」というものがある程度見える。

それが正しいかどうかは別問題ですよ。逆にこれが…やめておきましょう(笑)

ご自身が出来てしまっていた分、お子さんができない理由がわからなかったり…。

しかし保護者さんが塾をイメージしやすい分、そうでない保護者さんに比べて、自分のイメージにあっているかどうかで塾との”相性”を判断しやすくなるのは間違いないです。

ではそういった知識がない場合はどうすればよいのでしょうか。

塾によっては、「塾に一任してください」というスタイルのところと「三位一体、関係を密にして協力関係でお子様の成績をあげましょう」というスタイルに分かれます。

私としてはそれぞれ一長一短あると思います。

前者は塾に力がなければ大変危険。これは説明不要でしょう。保護者対応が面倒なだけかと。これは相当の実績がなければ言ってはいけないことです。そうでなければそもそもまかせていられませんよね(笑)

しかし後者。こちらは塾と保護者の両者に力がなければ大変危険です。

 

塾が困ってしまう保護者さん

・突然市販の問題集を買い与え、塾の方針と違うことを生徒がし始める

例えばこれ、正直良くないです。(かなりの確率でいらっしゃいます。)

塾を信頼していない証拠。

塾が何もしてくれないから心配で…。

お気持ちはわかるんですけどね、それなら事前に塾側へ確認しましょう。それが出来ないのが問題なんですよね。

もしかすると今、塾では「基礎力を徹底」と考えてカリキュラムを組んでいるのに、保護者さんが焦って過去問をやらせる。こんな事になってはいけないのです。

おそらくお子さんの勉強は見ていなくて、なかなか上がってこない成績に焦れてしまった結果だと思います。

しかしただでさえ基礎演習が不足していて伸びてこない生徒に塾が一生懸命基礎演習をコツコツやらせている最中に突然解けるはずもない問題集を買い与え、お子さんは解答を移すだけの勉強をしている…なんて不幸は避けたいですよね。

だから塾を考えるときには次のどちらかに覚悟を決めましょう。

①塾を信頼して一任する
②常に塾と連携をとって協力体制を築く

何れにせよ、塾が言うことが優先だと思います。塾はプロ。そしてお子さんに関して勉強面では保護者さんよりも圧倒的に情報量が多い。

いや、信頼できない塾にはそもそもまかせてはいけないのです。

それを確認するためにしっかりと塾長や室長と面談し、話をする時間を取らなければいけないということです。

 

保護者さんには動かせないものがある

これは当然のことながら、塾はもうすでにそこにあるわけで、そこにはすでに指導理念もあり生徒もいます。あなたが塾へ通ったら貴方好みの塾に変わることはないのです。これは塾ではあってはいけないこと。

もちろんこれは生徒個人の都合を全く無視するというわけではありません。優秀な先生は生徒一人ひとりの性格を考えて指導する際の言葉を選びますし、対応を考えます。

しかし生徒一人のために変えてはいけない部分というのはあるのです。塾には動かせないことは必ずあるという認識を持ちましょう。

例えば、英単語を暗記できないから英単語のテストをしなくても良いといってくる塾。これでは絶対に英語の成績は上がりませんよ。

だから保護者さんが見るべきはテストがあるかどうかを見るのではなく、テストをするだけで生徒に暗記を丸投げする塾なのか、それとも英単語の暗記をしっかりサポートしてくれる塾なのかということです。

であればテストはしてくれたほうが良いに決まっている。しかしテストがとれないとさらし首にされるような塾は避けなければいけない。

英単語の暗記は塾や保護者の一存で不要になるものではないということ。通塾の目的が成績アップならテストはしてもらうべきで、お子さんには負荷をかけるべき。

その負荷を取り除いてくれるのがテストなしという方法ではなく、英単語が暗記できるようになるということでないといけないというわけです。

もう少し見てみましょう。

 

例えばオール3の生徒。部活が忙しいから、部活と両立しながら成績アップが可能な塾というのを探してみましょう。

個別指導Aの場合

うちは一人ひとりにあわせたカリキュラムで指導します。ですので週1回一科目の受講で問題ありませんし、宿題をする時間がなければ宿題を出さないことも可能です。

さて、この塾は一見相性が良さそうです。しかし、保護者さんがお子さんを通塾させる目的はなんでしたか?

部活?

それとも成績アップ?

宿題を出さないで成績が上がるなら、なぜこの塾は部活が忙しくない生徒には宿題を出すのでしょうか?

部活との両立がメインの目的で、成績アップはその次で良いのでしょうか?

「やらないよりはマシ」ということでも良いのでしょうか?

このあたりを塾が説明しない。そして保護者さんも確認しないと数カ月後にこうなります。

お子様の学習時間では保護者さんの求められる成績まで伸ばすことは困難です。受講数を増やしましょう。

ここでそんな話は聞いていないということになるんですね。

となると話し合いは平行線。塾側は週1回でできることをやる。保護者さんは週1回でなんとかしてもらえると信じ込む。そしてタイムアップです。時間は戻せません。

失敗に気づくのが遅れればもう取り返しはつかないのです。

一人ひとりに合わせるというのは、あくまで必要な指導内容が異なる一人ひとりに必要なものを提供できるという意味であって、必要なことをやらなくても良いという意味ではないのです。

だからこそ、保護者さんは部活との両立というところ以上に成績アップという本来の塾に通う目的を明確に塾側に伝えなければいけません。

例えば何をどのように上げるのかですね。

入塾時にオール3だとしましょう。これをオール4にしたい。だから週1回数学を受講する。

本当にそれで良いのでしょうか?塾側から数学以外の科目を4にする方法について説明は受けましたか?

オール4になるのはいつの話ですか?部活引退後ですか?本当にそれは保護者さんの望んでいる結果ですか?

「あわよくば上がれば良い」とは思っていませんか?

 

進学塾Bの場合

B塾では宿題は一人ひとりにあわせて出しますので不要な方には宿題は出しません。宿題よりも小テストに合格することが目的です。

例えば宿題を出さないのに生徒の平均偏差値が60以上のB塾があるとします。

しかしこの場合、B塾は確実に家庭学習をしなくて良いと言っているわけではありません。

塾生が各自しっかりと家庭学習ができる状態を授業で作っているからこそ、理解度や習熟度に差のある生徒に一律の課題は出さないということです。

自分で考えて、自分に必要なものに時間をかけて学習するわけです。

これで宿題をしなくても良いと考えてしまう保護者の方は気をつけましょう。勉強というものの前提が理解できていない以上、塾の価値を判断するのは難しくなります。

B塾は「部活が忙しい方には宿題を出さない」とは一言も言ってません。

「宿題が不要な方には出さない」と言っているのです。不要というのがどういうことか考えましょう。

おそらくはこういうしっかりした塾であれば、入会前にしっかりと説明があるはずです。

保護者さんは塾へ要求するよりも前に、まず塾がどのようなものを用意しているかをまず聞きましょう。

だからこそ体験授業や入会前面談はしっかり行います。

お仕事が忙しい…、わかります。

ですが、大切なお子さんの将来がかかっています。

それに少なくとも年間十万はかかるわけです。決して安い買い物ではありません。

 

塾を操作することの危険性

だからとことん話を聞き、自分の要望を伝える。そしてズレを確認し、それが許容できる範囲かどうかを塾側と一緒に相談しましょう。

その上で要望はしっかり塾へ伝えてください。しかし同時に塾側の要望も聞きましょう。

塾を自分好みに操作しようとすると必ずズレが生じます。力のない塾ほど操作させてくれます。

しかしそれは上辺だけ。上辺だけだから困るのです。

遅刻を繰り返し、宿題を忘れて行くたびに叱られる生徒が、先生が怖いので担当を変更して欲しいと言う。

ここで変更を受け入れてもらうリスクも考えましょう。

次の担当は遅刻しても、宿題を忘れてきても叱らない先生になる。

本当にそれで良いのですか?

「叱り方が合わない」「叱り方が下手だ」というなら別ですよ。

ですが根本の問題は宿題ができない、遅刻をするというところ。担当が変わったらその問題が解消するのかどうかしっかり考えないと、塾側が安易な解決策を提示してくることになり困ったことになるわけです。

塾側が成績を上げるために必要だと言ったことを回避して成績を上げる方法を、保護者さんが探してはいませんか?

それでは”相性が良い塾”などは見つかりません。

見つかるのは”都合の良い塾”だけです。

相性の良さというのは保護者さんとお子さんがどこまで塾を信頼できるのかというので決まるのではないでしょうか。

 

最後に

書きたいことがありすぎて7000字を超えてしまいました。

数日に渡って思いついたことをどんどん書いていたら一万字を軽く超えてしまい、何が一番言いたいかわからなくなり、焦点を絞りきれなくなってしまった感があります。(これでもだいぶ削りました…汗)

質問いただいた方には伝わりにくい内容になってしまったかもと思うと申し訳ないですが、最初にあげた具体的な塾選びのポイントについてはこれから少しずつ書いていきますね。

 

今日はこのへんで。

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