どうも、そいる塾長です。
今回から、何回かにわけて過去問を利用した勉強法についてお話していきたいと思います。
大学入試定番の赤本ですが、駿台や河合塾が過去問を出している大学を受験される方はそっちをおすすめします。単純に解説が詳しいです。あとクオリティーと開きやすさ(笑)
国公立二次試験の国語における記述式の問題なんかだと、解説はもちろん模範解答も出版元によってかなり異なります。
そういう意味で複数持っていると独学で頑張る方には勉強しやすいかなと。
一応京大の過去問集を例に紹介しておきます。
有名大学になるとこういうのもあります↓
25年分やるかは別にして、おそらく上の過去問集1冊では到底演習量が足りないと思いますので、こういうのは助かります。
ただこれが自分が受験する大学のものが販売されていない場合、中古で古い年度の過去問を買うなどして対応するしかないですね。
あとは学校や塾、予備校に置いてある赤本を借りて使う(学校なんかはだいたい年度が古いのが置いてあるはず)。もしくは予備校のWEBサイトから過去問をダウンロードするかですかね。
東進さんは本当に過去問が豊富。私立大学の過去問などでは、赤本には収録されていない日程のものが掲載されていたり、解答もつけてくれているので助かりますね。
今回のお話は大学入試がメインになるかと思いますが、中学入試、高校入試、大学入試すべてのカテゴリーで重要となるポイントばかりなので特に高校入試を控えた中3生にも読んでいただきたい。
京都府公立前期・中期の過去問はこちら(英俊社)がおすすめ。前期と中期をお間違えなく。
何のために過去問を解くのか
その昔、司法試験という日本で最も難しいとされていた試験がありました。その後、法科大学院という仕組みができ、合格者は増え、試験自体はかなりゆるくなります。
そして現在は予備試験という形で旧来レベルの司法試験のかたちも復活し、高いお金を払ってボッタクリ法科大学院に行かなくても良くなりました。最近では史上最年少18歳での予備試験の合格者も出て話題となりました。化け物ですね(笑)
そんな話は置いておいて、私も法学部卒なのでこの司法試験を目指す人が周りにたくさんいました。
同じ京大生でも力の差は歴然。在学中に合格する人から永遠に受からない人まで。
なにが一体違うのか。
少なくとも京都大学に受かる人たちなので暗記力だったり、集中力だったり、思考力だったりの最低限の頭の良さは全員持っているのですが、やはり命運を分けるのは勉強のやり方です。
(本当はやる気があるかどうか、真面目かどうかというのが一番大きいとは思うのですが、それ言っちゃおしまいなので…)
その最たる例が「過去問の活用法」でした。
彼らが言うには「過去問も知らないで、なにを勉強しようとしているの?」だそうです。確かに最初は参考書系を買ってしまいそうですよね。
「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」孫氏
最初に書いた孫氏の兵法ですね。
過去問演習の意味とは彼(入試問題の出題者)とそれを解く己(自分の力)をしっかり見抜くことにあるのです。
スポーツの世界では当たり前のこの分析作業。意外にも勉強では実践していない人が多い。
おそらく受験勉強において”人から与えられたもの”で勉強してきた人なのかなと。
いや、そりゃあ誰だって受験勉強で過去問はやるでしょう。
しかし”分かっていない人”は、たとえ過去問を与えられたとしても、ただ闇雲に解き、解答を読んで正解を理解する。そしてそこで止まる。
それでは駄目なんですよ。多分やる意味ない。
同じ問題は、もう出ない。その問題自体に価値はないのです。
大切なのはその問題から出題者の意図を知り、完答するための思考プロセスを知り、そして自分に足りないものを知ることで、次の学習の指針とすることなのです。
だからこそ・・・
受験勉強は過去問演習から始まる
ということになります。まずはこれが大切ですね。
中3で公立志望とか普通の私立を目指すなら冬でもいいかなと。模試の問題が過去問の代わりになったりするし。しかし、いわゆる独自問題が出てくる難関校受験者なら遅くとも夏には必ず見ておきたい。正直冬に見ても手遅れ。塾でそういった授業を受けている人でもない限り、対応はほぼ不可能。
通常の入試レベルと比べ、問題形式やレベルに、偏差値以上の差があるからです。
高3だとやはり春。夏では正直遅い。
これまたセンターとかなら高2の2月くらいからマーク模試とか始まるし、なんなら今どきセンターチャレンジとかもあるので問題ないでしょうが、私立大や国公立2次はできる限り早く見ておきたい。志望校決まってるなら高校入学時に見ておいてもいいのではないかというレベル。
「見ておきたい」と書いているのは、この時点では普通解けるわけないからです。
自分が目指す目標地点を、地図上にマーキングしておきたい
もちろんその時点で一通り履修している科目はガチで挑む。はじめてのときは時間無制限で良い。
自分の持っているものを全部出し切ってどこまで勝負できるかを見ておく。全然解けないからすぐ諦めるとかありえません。
とにかく全力で挑んでみることが大切。その後の見直しは適当で良い。模範解答を眺めて「ほえ~」って言うくらいでいい。
最初にやるのは最新年度
ではお次は、過去問を使って受験まで勉強をしていく上での注意点などについて。
勉強をする上で大切なのが、なんでその勉強をするのかということ。その「目的」をしっかりと考えながら取り組むことが必要です。
過去問から自分の弱点を見つける
例えば国公立二次試験の数学のベクトルの問題で手も足も出なかった場合
その問題が出来なかったというところから、今現在の自分のベクトルという単元の理解度を測るわけです。基礎がなっとらんのか、発展的なレベルに対応が出来ないだけなのか、もしくはベクトルという単元の中の何か細かな内容を理解出来ていないのか…。
ただベクトルを間違えたから、チャートのベクトルの問題全部やり直すとかではなくてね。
もし自分が青チャートしかやっていないとしたら、まずはチャート式を使った勉強で対応できる問題だったのかどうかを考える。
私は2次試験対策として青チャートの例題しかちゃんとやっていなかったので、過去問を解いたら出来なかった問題に対して解説を読む前に、その問題に結びつきそうな例題を青チャの中から探し、その”接点”を探すように勉強していました。
つまりは青チャートの例題を自分の基礎とし、その組み合わせというか、延長というか、つまり応用して入試問題が解けないかの分析を行いました。
文系でそんなに数学が得意ではなかったので、できる限りそれで確実に解ける問題を増やしたかった感じです。
青チャの例題だけ理解すれば解けるという意味を自分で考え、青チャを丸暗記するのではなく、そこで学んだ知識と頭の動かし方で対応しきる練習をしました。そしてそれが不可能と自分で判断した問題は解説読んで「おぼえてろよコノヤロウ」と捨て台詞を吐いて逃げてました。
数学の勉強法でこれが良いと言いたいわけでなく、しっかり過去問と普段の学習(基礎学習)を結びつけるように意識することが大切だと言いたいのです。参考書は自分にあったレベルなら何だっていいでしょう。
いくら難しい過去問でも解説を読んだらそりゃだいたいはわかるんですよ。でもそれでわかった気になっていたら結局次も同じように解説見ないとわからないのですよ。
つまり本番は解けないということです。
例えば過去問演習中、何か単純なミスをしてしまった場合
「別にわからなかったわけではないからまあいいや」とするのは無能の極致。
一回やったミスは必ずまたやる。と考えるのが大切。入試は一発勝負ですからね。
徹底的にミスが起きた原因を突き詰めましょう。
できればノートにどんなミスをしたか(ミスのパターン化)を記入(言語化、アウトプット)して、客観的に自分のミスを捉え直すようにしましょう。
一番わかりやすいミスといえば例えばマークミス。
「本番を意識する」というのが何よりも大切。
となれば「マークミス」とは何をどうミスをしたのかを分析しないと。そしてそのミスが起きないように対策をたてないと。
次は気をつけます。ウィスウィス
おいこら、なめとんのかワレ?
こんなことでは「怖い人」に叱られますよ。当然です。
しかし本番のミスは誰も叱ってくれません。けれど慰めてもくれませんからね。ミスったらおしまいなのです。次があるとしたら一年後。
この辺は次回お話するとしましょう。他にも過去問を使った勉強はまだまだたくさんあります。
この辺シリーズ化して書いていきます。
今日はこのへんで。
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