進学塾ソイルができるまで(5)「個別指導のジレンマ【後編】デメリット編」

そいる塾長
そいる塾長

どうも進学塾SOILの塾長です。

前回に引き続き、個別指導に対する愛と憎しみの物語第2弾。今回は個別指導のデメリットです。

とはいっても私が個別指導の塾をやってきて感じたデメリット(難しさ)であって、生徒さんが個別を選ぶデメリットではないです。

個別指導の塾を10年近く雇われ塾長として運営し、地域トップの生徒数にまで成長させた経験をもとに偉そうに語っておりますが、あくまで新規立ち上げ予定のSOILでは集団授業に個別指導を併設する上で必要となる新たな視点を見出すための壮大な独り言です。ご容赦ください。

とか思って書いていたら長くなってしまった。(途中で分けたのでこれもシリーズ化します)

 

 

 

個別指導のデメリット 経営面

個別一本の塾ならなんとかできたとしても今回はそこに注力できないわけです。個別指導併設型をやろうとする上でそのメリットを享受するためには、このデメリットをいかに克服するかが併設型を成功させる鍵ですね。

前回ちょいちょい溢れ出てしまっておりました内容を書こうと思ったのですがちょっと違う方向にいきました。もしかするとみなさんが思っていることとは違うかもしれません。

 

個別指導のデメリットってなんだ?(経営面)

経営面でのデメリットは特にないですかね。もっとも起業しやすい形だと思います。

学生講師を確実に集められる土地であればリスクは少ないかもしれませんし運営もしやすい形態だと思います。

生徒が来たら授業料をもらい、先生(アルバイト)を用意し、授業給を支払う。そして差額を得ると。

人件費という名の在庫を抱えないのでリスクは低い。

また理論上どんな生徒でも対応できるわけでミスマッチも少ない分、よりマーケティングは楽。

立地さえ間違えなければ確実に問い合わせは来る(はず)。

FCでやるなら大手の看板でなんとかなるかもしれませんが。FCが個別と映像塾ばかりというのもこのへんかなと。

世間的には経営面でのデメリットはないように感じられるのではないでしょうか。

 

差別化をどうするか問題

う~ん、確かにそういう部分はあるんですが、繁盛させるにはそんな簡単な話じゃないんですよね。

特にFCでもないのに個人塾でこんなのを安易に信じて”力のない人”が個別塾経営しちゃったら大変だと思います。いやぼちぼちやるんでって言うならできないことはないと思うんですけど。

ここで”力”というのは教務力ではないです。教務力があっても難しいのが個別。必要なのはどちらかというと経営力。

「個別ならできるだろう」はおすすめしません。逆に何が楽しくてやるんだろうと…という疑問はありますが。

個別だからこその難しさってあるんですよ。

個別指導塾はとにかく他塾との差別化が難しい。

これが私が個別をやり始めたときの最大の壁。

実際の中身の話ではなく、それが外へ発信されるときのお話。中身というのは質ですね。当然のことながら質は塾によってほんとに違うんですよ。

それが表面上、めっちゃわかりにくいんですよね。

例えば進学実績なんていう”結果”を貼り出しても進学塾や、全教室からいいとこをかき集めてくる大手と比べたら確実に見劣りします。

偏差値55の高校に何人通ったかなんて誰も気にしない。もしもそれが入会時偏差値40の子だったとしても途中のストーリーは気にしてもらえない。「お金を払って塾に通ったらそれが普通。」これが世間の感覚ではないでしょうか。

どうやって問い合わせまでつなげるか。中身を見てもらう前の差別化が難しいのです。

となると口コミ。これをどうやって創出するかが重要となるわけです。

といっても、もちろん口コミを生むには生徒が必要なんですよね。最初の20~30人をどうやって集めるんだという問題はあります。

現在塾長を務める”某塾”はそうやってほとんど口コミだけで集客しているわけですが、今回の新規立ち上げに関してはその武器は使えません。

全く違う場所で始めるつもりなので、素手で戦う必要があります。

そのへんをどうしていくかが最大の問題ですね。

ちょっと思い出話

その某塾は、6年前まで大手のFC教室だったので大手の看板を掲げていたのですが、それにも関わらず生徒が集まっていなかった。

その第1の理由が立地。

立地の面では、教室を動かしたくても動かせない理由(大人の事情)があったので、文句を言ってもしょうがなかった。

通っている生徒をマッピングしたら悲しいくらい大通りで生徒が止まっていた。

この生徒の足を止める大通りにある大手学習塾と戦わなければいけなかったわけです。

それは地域の保護者さんから、近くの”同じような塾”でいいやと言う感覚を取り除く戦いでした。

FC時代は場所は知らなくても名前は知ってもらっていた。京都にいくつも存在する塾の一教室。認知されて当然です。ですが大手の看板外してから、つまり個人塾となってからは名前すらも認知してもらえない。

そんななか、わざわざ少し足を伸ばして”他塾へ行ったついでに”パンフレットをとりによってくれた保護者さんや、”近所だから”といって体験授業を申し込んでくれる保護者さんを引きつける何かを創らなければ行けなかった。

目に見える形で。

だからこそ商品を増やした。他塾には真似できないような商品。チラシで目に見えて他塾と差別化する部分を作ったわけです。

おかげでかなりしんどくはなったが効果は出た。成績が目に見える形で上がった。

おかげで今はとんでもなく成績があがった子たちの笑顔の写真を一面に配したチラシをつくれる。めったにチラシはまかないけれど、どこぞの中学では先生までうちの塾名を知っている。そのチラシを先生が生徒に見せるために家から持ってきていたそうだ。

こうなると口コミだけで毎年生徒は増えます。

ただ増えたら増えたで今度はそれを今までどおり回していく必要があるのです。

ということで奮闘の日々が始まるわけですね。そして疲弊していくわけです(笑)

本当のことをいうと着任当時は評判最悪の教室だったので、最初の面談ではなんで私が怒られているのかわからないレベルでクレームの嵐でした(笑)

とはいえわずかながらすでに生徒がいたので、とりあえず外部へのPR(チラシ折込や門配)を一切やめ、マイナスの評判から口コミを創出していったわけです。

今から考えるとこれは失敗とまではいいませんが、一番しんどい方法を選んだなとは思います。

ですが大人の事情で色々なしがらみがある中、取れる手段がなかった。それに私の能力不足も影響しそもそも取ることができる手段自体が少なかったのです。

いずれにせよ今回は自由。SOILではこの経験を生かしてやっていかなければこの10年近くが無駄になってしまいます。

 

まだまだあります。デメリット

あれ、こんな話をするつもりじゃなかったのに(笑)なんかデメリットの話ではなく思い出話になってしまった。

多分現在の某塾を周りから見ている印象と実際中にいる印象はだいぶ違うと思います。

それはしんどい手法をとってしまったから。そして自分の塾ではないことの限界。

結局独立してSOILを創ってもしんどい塾になるのは性格上、目に見えているのですが、ただ今のようなしんどさにはしたくないということですね。

別のところにエネルギーを使いたい。

それが個別オンリーの塾にはしない理由です。個別指導をわかっているからこそ自分がやりたいこととのズレを修正しつつ自分が思い描く個別指導を併設することができるのではないかというなんともわがままな考えです。

でもまだまだ個別をやっていて悩ましい点はあるんですよね。

  • 学生講師を使わなければいけない問題
  • 一人ひとりにあわせる問題
  • 小学生に個別は問題
  • 業務が煩雑

…。

とにかくこういった問題点を上手く処理せねばならないわけです。

とりあえず3千字超えたので今日はここまでにして、次回は再度自分の中で個別指導との向き合い方を考えてみたいと思います。

 

ということで今日はこのへんで。

 

 

 

コメント