【そいる塾長の種まき勉強法】過去問を用いた勉強法の話をしよう(その3)

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

今回は過去問について語るシリーズ第3弾。英単語をキーワードに過去問演習後の対応方法について考えてみたいと思います。キーワードは「作業」と「目的」。

例えば、どこかの大学の英語の過去問を解いたとします。そしてわからない単語が多すぎて長文問題が壊滅的だったとします。

パターン①

「英単語むっず!」といって放置

できないことをできるようにするから点数が伸びるわけで。出来ないことがわかっていても手を出さない人は無理ですね。何も言うことはありません。こういう人はそもそも受験に向いていないのです。

 

パターン②

わからなかった英単語をすべて辞書で調べてノートにまとめる

これが一番多い間違った過去問演習かなと。

真面目で素晴らしいと思う方もいらっしゃるとは思うのですが。

ポイントは「わからない単語が多すぎて…」のところ。少ししかないなら全ての見直しが終わった後、絶対に調べますよ。調べた時点で暗記できるから。それにこういう人はもう単語帳を卒業(ほぼ完成)している可能性が高い。

だからこういう場面でコツコツ単語量を増やしたり、穴を埋めたりしていく勉強は非常に効果的。

でもね、わからない単語が多すぎて長文が読めなかった人が、過去問を解いてわからなかった単語を暗記するのはなんのためでしょう?つまりこういう人たちの「目的」は何かということです。

単語力を高めたいのなら、過去問なんて解いてないで最初から単語帳をやれば良い。

過去問で出てくる単語をおぼえたとしても次の過去問がとけるようにはならんわけです。

もしかして単語の意味を全部調べて解けるようにしてオッケー次!みたいな勉強してないですよね?

過去問は自分の単語レベルを「測る」ためのもので、単語力強化が「目的」ではない。

高校入試ならまだわかります。というか当然かなと。わからない単語なんて本文中にあってはいけない。いや、中3でもやはり過去問やってわからない単語だらけというなら過去問を解く前に単語のお勉強をすべき。

まぁ、自分の圧倒的な単語力不足に気づけただけでも過去問をやった甲斐があったとも言えます。

逆に大学入試で長文中の単語の意味をすべて答えられるような人ならそもそも英語の対策なんて必要ないんじゃ…?ある程度はわからない単語がある前提で解くのが大学入試の英語ではないかと。

その前提を無視して全単語の意味を調べてから解き直してたらそりゃあそのときは解けるでしょう。

いや、それでも解けない人はいる。

それだと確かに英単語の勉強にはなるんですけどね。一度読んだ長文で出会った未知語を全部吸収していけるならそれがベスト。しかし他に必要となる能力が伸びないのです。

それにそもそも、こういうタイプの子はノートに書いた単語を全部ちゃんと暗記しているのでしょうか?

そこも疑問なのです。というかこれが大問題なんですよ。

「作業」をして満足してはいませんか?

たとえその単語を完全に暗記したとしても、それだけでは次回の過去問演習時にまた知らない単語がたっぷり出て来る。たっぷりと。

もちろん本番も。でも本番は辞書がない。その時点で試合終了です。

こういう人はまったく本番の状況が想定できていない。

あくまで本番にどうやって合格点をとるかが大切なのです。

その辞書を今すぐ捨てなさい。

(あ・・・やっぱもったいないので大事にしまっておいて下さい。)

わからない単語の意味を調べるのは大切。でも「今」がそのときなのかを考えなければいけない。つまり過去問演習が単語の暗記のための勉強にはなっていないか認識しましょうということ。

過去問演習自体が勉強だというのは大きな間違い

過去問演習はあくまで何をこれから入試までに学べばよいかを知るためのものであってそれ自体が勉強の目的ではないのです。あくまで練習試合。本番の大会で勝つための練習にならなければいけない。

だからこそ、時間がかかってしまう全単語の意味を調べてまとめるような勉強をする意味を考えなければいけない。そしてそのノートをまとめた後の使いみちを考えねばなりません。

 

パターン③

自分の単語レベルと問題の単語レベルの差を分析し、入試までに暗記すべき単語レベルを設定すると同時に、単語力以外に不足しているところはないのかを分析しながら解き直す→◎

これが正解です。小難しい言い方をしましたが、簡単に言えばもっとちゃんと見直せってことです(笑)

私ならそこまでできない英文に出会ったときは、その英文を全訳していました。もちろん辞書無しで。

そこまで出来ないなら、おそらく自分で何が分かっていて、何が分かっていないかがもうすでにわからないわけです(笑)

だからそこを明確にするため、ガチンコ時間無制限で本文と格闘してみます。それでいわゆる速読している状態よりも深いレベルで一旦アウトプットしてみるわけです。

自分の出来ているところとできていないところをしっかり分析してみる。

その上で全くわからない英単語に関しては、今おぼえておかなければいけない英単語なのか、それともこれから受験までにおぼえなければいけない英単語なのか、いやいや、そもそも単語帳にすら載っていないハイレベルな英単語なのか、もしくはあれ?これこないだ単語テストしてもらった範囲の単語やん?となるか…。

いやそもそも単語がわからないのが問題じゃない、ということに気がつく可能性もあるし、なんなら意外と本文はちゃんと読めていた可能性だってある。つまりは設問の方で詰まっているパターンですね。

 

過去問演習後のノートに何を見る

大学入試の英語は単語テストではありません。

単語力は当然大切ですが、あなたに足りていないのは本当に単語力なのでしょうか?

長文が解けない=単語力不足の人もいますが、単語力が原因ではない人もいるわけです。その吟味もせずに単語の意味さえわかれば問題を解けるようになるとは思ってはいないでしょうか?

例えばしっかり英文を構造分析をする力があれば英文中の英単語の品詞や語・句・節の役割が見えます。そうすると文脈とあわせて未知語の推測に大いに役立ちます。

また、頭のなかで整理ができていない、インプットはしたもののアウトプットができないレベルの英単語がどれほどあるのかを過去問演習から知ることは重要です。

単語テストはいつも満点、でも英語長文になる出てこない…という人もいますよね。こういう人が盲目的に単語の暗記に走ると点数は伸びません。なぜ自分が暗記した単語が、単語力となって試験本番で出てこないのか、そのことを考える必要があります。

私は単語帳で英単語1000個おぼえたときよりも、それを使いこなしながら英語長文を毎日読みまくっていたときに本当の意味で単語力がついてきたと感じています。

もちろんそれは単語帳での暗記があったからこそ。そのうえで英語長文中で”生きた”英単語に合う経験をすることが重要なのです。例えるなら図鑑で調べてから動物園に言って実際に目にする感じ。

これで英単語の推測はもちろん、インプットした英単語がアウトプットしやすくなることで同じインプットの時間でより数多くの英単語を身につけることが出来たわけです。

それに受験生の時間は有限。だからこそ…

 

過去問演習で自分に何が足りていないのかを分析することが何よりも重要

ある意味では英語力ではなく国語力が必要になる場面もでてくるでしょう。

逆にそれができていれば細かな単語の意味はさほど重要にならない場面もあります。

そういった内容を読み取る力を問う問題で、「単語の意味がわからないから解けません」ではそもそも出題者の意図を無視していると言わざるを得ません。

逆に国語力に頼りすぎて、英単語力のような本当の意味での英語力を鍛えることを疎かにしていれば当然すぐに天井にぶつかってしまい一切点数が伸びない時期がきてしまう。そのタイミングから英単語を始めたとしても時すでに遅し。

単語をどうやって暗記するか、そしてそれをどうやって入試問題でアウトプットするかを意識しながら日々コツコツとインプットしていくべきです。

だからこそ第1弾で書いたように、早めに志望校のレベルを知っておくべきなのです。

単語帳の「裏」活用法

こないだの学習計画の話でも書いたことですが、過去問はどこまでやれば良いかも教えてくれるツールなんですよね。

英単語はまさに終わりなき勉強の沼。

とにかく自分が受ける大学入試のレベルとやる時期に応じて、そしてまた自分の能力、と相談して他科目との兼ね合いも考慮しながらどこまで単語帳をやりきる必要があるのか、そしてやりきれるかを分析することが重要。

もちろんオーバースペックになるくらいでいいのですよ。駄目なのは間に合わない方。

本当に目標としているレベルに辿り着けるのか、その辺を過去問演習という実践の場で到達度を確認し、自分の伸びをチェックする感じでしょうか。

そのへんが分かっていれば、過去問でわからなかった単語をその単語帳の索引を使って調べ、自分が設定した覚えなければいけない範囲内なら意味を調べ即暗記し、そうでないなら未知語として未知語のまま処理するのも練習。これこそ本番を想定した勉強となるかもしれません。

辞書を捨てて単語帳で意味を調べるのは、意味を知る以上に単語レベルを知るためにも大切。(古文も同じです。)

普段の単語学習(単語帳で根性暗記)と実践演習とをつなぎあわせる機会となる

単語の暗記は単語の暗記、過去問演習は過去問演習なんていうように、分断してしまっていたらもったいないに決まっているじゃないですか。

英語が苦手なら、1冊これだと決めた単語帳があるならそれを聖書のように信じてとことんその単語帳を極めるのがベスト。この単語帳に載っていない単語がでたらそれは未知語の推測をしろと言われているんだと考えるくらいに。

しっかりやっていれば知らない単語が出てきてもひるむことなく突き進むことが出来ますよ。

英語が苦手だと言う認識がある人が、それでも全部の単語の意味を辞書で調べたいというならすべての分析をやり終えた後で調べて下さい。そしてそれを調べてまとめたで終わらせず、すぐに暗記し、さらに単語帳での根性暗記を今すぐスタートさせましょう。

何度も言いますが絶対やってはいけないのが全英単語の意味を理解した上での解き直しで自分が何かを理解した気になることです。単語以外のことに集中して何かを分析したいというのならありですが。

人によってはそういった時間は決して点数が伸びる時間ではないということも認識しておきましょう。

受験が差し迫る状況では、私ならその時間をもっと点数が伸びるところに当てます。過去問の英単語を調べている暇があったら、さっさと解説でその単語の意味を見て暗記し、残った時間で英単語帳をもっと必死に暗記します。

間違っても「作業」はしないです。

英単語はあくまで例

今回お話した英単語に関してのお話は過去問での勉強法を伝えるための例に過ぎません。
こういったことを全科目、全ての単元、問題形式においてしっかりと分析しましょう。
受験生の時間は有限です。特に現役生は気づいたときにはもう遅い…ということにならないようにしてほしいのです。
その辺は浪人した身だからこそ分かる部分があります。なんで現役のときに…ってことがたくさんありました。
とにかく本番を意識しましょう。そうすれば見えてくることがあるはずです。
次回はこの辺のお話をしようかなと。
今日はこのへんで。

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