どうも、そいる塾長です。
大学受験用英単語の場合
少し前に中学英単語について書きましたが、今回は高校生のための英単語のお話。”心配しなくても”中学英単語の暗記法が出来ていなければ、大学受験用英単語の暗記は不可能であり無事死亡です。
安心して中学英単語からやり直して下さい(ゲス顔)
中学時代英語をサボりまくった方はまずはこれから↓
中学時代に英語がやばかったなら高1のうちになんとかしておかないと本気で無理ゲーになります。それは大学受験だけでなくその先も。
高1です。大事なことなので何度も言います。高1がデッドラインです。
中学英単語と高校英単語の暗記する際に忘れてはいけないその違い
高校生とは言いましたが、英会話での単語の習得も実はこちら側ではないかと思います。
ただ暗記する単語の種類が違うのと、楽しくやれるか苦行になるかの違いです。海外留学なんかすればほっといても毎日何千という英単語を浴びせられるでしょうからまだましですが、受験生はそうじゃない。
受験勉強での英単語の暗記となると、スキマ時間を見つけては単語帳を取り出しひたすら高校や塾の単語テストをクリアするだけのイメージ。
だから私は単語の暗記が嫌いでした。そもそも単語帳というものが苦手。暗記が苦手。
素敵な女性講師がマンツーマンで教えてくれて、単語テストで頑張ったら「えらいね、よしよし」ってしてくれるなら命がけでおぼえたのになと思う今日このごろ…。
しかし本当に大切なのは英単語の暗記に対するこの”作業”的なイメージから脱却することだと思います。
英単語に求められる実践力
大切なのは、長文を読むとき、英作文を書くとき、はたまたリスニングのときでもいかに暗記した単語を活用できるか。もちろんこれからの時代はスピーキングにおいてもですね。
単語力が如何に「使える知識」となっているかが重要です。そのためには私のブログでは毎度おなじみ理解を伴う知識が重要となるのです。
そしてその前提として理解しておかなければいけない大前提があります。
英語は日本語と1対1対応しているわけではない
当たり前のことですが、受験生は意外と理解していない。大前提を理解していないからこそ英単語を暗記しても活用できないわけです。
ではそんな風になってしまう要因はなんでしょう?
大きく2つあると思うんですよね。
①中学英語の功罪
この大前提を高校生にもなって理解していない理由。一番大きいのは間違いなく中学英語でしょう。
例えば中学校では「leave」であれば「出発する」とおぼえさせられます。教科書にそう書いてあります。そうせざるを得ないのも理解はできるんですがね。
それでもこのようにとにかく1対1対応で教えていれば英単語のイメージ化は許されません。
定期テストや単語テストで抽象化した意味を書くと、ごまかしたとみなされます。まあ、採点が面倒なんでしょう。
だったらなんでわざわざ根本的なイメージと離れた意味を最初に教えるかな~と思うわけで。
以下の絵をもとに「leave」をイメージ化しておけば「去る」や「そのままにしておく」という意味は自然とわかります。
この絵の意味わかります?(笑)
(授業の時に書いた絵をスキャンしました。画力は…言わないで^^;)
解説しますと、ある男が家を出て家族(妻と子)に「いってきまーす」と手を振っています。ですが、その男の頭の中(気持ち)には愛人が・・・という状況を示した一コマです。
家族には仕事に行くと言いながら、実は愛人のところへ向かうんでしょうね。
(内容は気にしないでください・・・)
この絵で生徒に教えたいのは「leave」のコアイメージ。
- 目的語(どこを見ているか)は行き先ではなく出発地点(家に残した妻と子)
- 行き先(愛人のところ)は気持ちの向きを表す前置詞「for~」を使って修飾句で示す。
目的語が出発地点の方、つまり「残す」ほうにあるのに、「leave」は「出発する」なんて教え方したらそりゃあ目標地点を目的語だと勘違いするでしょうよ。
で、高校入試では前置詞「for」を抜いてしまうわ、高校生になって第5文型の「leave」で崩壊したりでふんだりけったりです。
そもそも「for」のような前置詞をコアイメージで教えないのは致命的ですね。(これは中学英単語で話した気がしますの割愛)
しかし、上で見たようにこうやってしっかりコアイメージから理解されていれば以下のアドバンテージが得られます。
- がっつり脳内にセットされて抜け落ちにくくなります。
- しっかり実践で活用できる知識としてセットできる(理解を伴う暗記)
- 英語的な感覚で英単語を暗記できる
このように英語は日本語ではなく英語として理解してほしいのですよね。日本人には難しいのですがあくまで日本語というフィルターを通さずに英語を出し入れできるようになってほしいのです。
ここで、このような「イメージで英単語を暗記する」ための辞書をご紹介。
全ての単語にイメージとして絵や図が掲載。さらに原義や語源が載ってます。それ以外は発音記号と例文(各3文ほど)とシンプルな構成。
まさにコアイメージで単語を捉えることを可能にしてくれるので気になる方は是非。
ただし1点だけ問題が。品詞が載ってない。(笑)
ということでもう一冊。
3000語と掲載単語は少ないですがかなり詳しくいい感じかなと。
あくまで暗記の補助ですので言語学者みたいに掘りまくる必要はないのでこのへんで十分ではないかなと。
②単語テストの功罪
あと1対1対応で暗記している子って、長文読解なんかでも文脈無視でぱっと思いついた(単語テストで暗記したような気がする)意味を代入し意味不明な文を作り上げてしまいがち。
入試対策なんかで生徒がなんか文章読めていないな…と思って「この単語の意味は?」と聞くと、とんちんかんな答えが返ってくる。それを生徒に伝えると…
え?でも単語帳にそう載ってました!
と返ってくるわけです。
結局それは一番最初に載っている赤字で書いてある意味を覚えてるだけのことですよね。でも、実際その場面で求められているのが赤字じゃない方の意味だったりするわけです。
これは中高通じて単語テストがTHE1対1対応を強制するような形式であることに起因するのは間違いないでしょう。
だって単語テスト嫌じゃないですか。クリアしないと補習だの追試だのといった罰ゲームがついていたりする。だったらそりゃ最短距離を走ろうとしますわな。
つまり英語力強化のための単語の暗記ではなく単語テストをクリアするための暗記。解答欄に書くためだけの意味を覚えればクリアできるわけですから。
”意味をずらす”というのはコアイメージの共通範囲の中で文脈に沿うように別の意味を引っ張り出してくるということです。
単語テストで英単語を暗記していくとこうなりがち。それはとても大切なんですがそこで終わっちゃいけないと思います。
大切なのは英単語に実践力をつけてやること。
そうすれば長文や英作で出てきても使いこなせますし、何より忘れかかった時に語源や語法などの情報が結構印象きつめで引っ張り出しやすいかなと。
例えば中学では、「interesting」=「面白い」、「interested」は「be interested in~」で「~に興味がある」でおしまいかもしれません。それでもなんとかなってしまうので。
ですが、高校で大切なのは「なぜ語形が変わると意味が変わるか」です。そして「それがどのように用いられるか」です。
英会話ではこんなことを理解していなくても、様々な場面で繰り返し使う事により身につくかもしれません。それこそが英語的な感覚を身に着けるもっとも簡単な方法でしょう。
しかし、みなさんは英語がプリントされたTシャツは着ていても、英語を聞くことなんてほとんどない日常を生きています。映画でさえ吹き替えを見るくらいですから。
となるとお勉強でなんとかマスターするしかないというわけですね。
「様々な場面で繰り返し使う事により身につける」ことを「体で覚える(感覚の領域に英単語を格納する)」とするなら、学校の勉強で暗記する英単語は、体が覚えるまで待てないのでちゃっちゃと「頭で理解する」ということですね。
そうすることで必要とされる英語的な感覚を醸成する時間が短縮する感じ。
ま、本来勉強はすべて理屈で理解していくのです。なんとなくわかるなんて数学の先生に言ったらどやされますよ。
そのためには「なぜ?」を理解することが大切なんです。
例えば英単語の場合、理屈を理解することで一気に複数の同種の単語をマスターすることが出来るようになり暗記スピードが上がる。言い換えれば暗記すべき容量が減る。これはもちろん時短につながるわけです。
そして入試では問題に臨むうえでも訳に柔軟性がでて、文章の内容を取り出しやすくなるというわけです。
さきほどの「interest」の話で言えば「なぜ語形が変わると意味が変わるか」を理解すれば「それがどのように用いられるか」も理解できます。
わざわざ二つの意味を丸暗記したとしても「それがどのように用いられるか」までは暗記できません。何度も何度も実際の文章で用いることでやっと体が覚えてくれます。
しかし高校生の皆さんにそんな暇ありますか?
理解を伴う英単語の暗記
スペル⇔意味という1対1の関係よりも、スペルー意味ー発音ー品詞ー語源ー例文のように情報をつなげ複雑化したほうがより覚えやすくなります。
暗記の基本はとにかく音読
品詞の理解こそが活用できる英単語の第1歩であり最短ルート
問題:次の英文の( )に入る語はつぎのうちどれ?
- brave
- bravely
- courage
- encourage
接頭・接尾詞なんかは暗記しやすくしてくれるので率先して暗記しておく。
「-ly」なんてこれだけで「形容詞⁺ly=副詞」という公式を与えてくれます。さっきの「bravely」のはこれで副詞だとわかりますし、「brave」は形容詞だとわかりますね。
死ぬほど出てきますよね「-ly」。接頭・接尾詞なんかはこれだけでぐっと暗記が楽になる上に品詞の理解もセットでついてきます。
この辺のサイトが詳しいので一度見てみましょう。
ただし、このサイトの語源を全部覚えてから英単語の暗記…なんてしようとするとこれまた気が遠くなります。白目向きます。
まずは「un-」「-able」のようにこれは見たことあるなというものだけぱぱっとチェック!そして普段から接頭・接尾詞に意識が向いていれば「あれ?このパターン…前にも見た気が…」みたいになったらその都度確認するのが良いでしょう。
例文をしっかり確認して用法を頭に入れておく
They bravely defended themselves against the enemy.
「bravely」という副詞の用法が一発でわかる。「戦い」っぽい例文で「勇敢に」というイメージも定着しやすいですね。ただし例文を丸暗記しようとすると逆に死ねます^^;
できればミニマル・フレーズと呼ばれる複数の単語で構成される小さな意味の塊で覚えるのがよろしいかと。特に単語として覚えにくいもの、多義語で暗記しづらいもの・忘れやすいものを優先的にこのミニマル・フレーズや短い例文で暗記すればよいかと。単語として暗記しやすいものは単語で暗記すればいい話です。
オススメ単語帳
定番ですね。ミニマル・フレーズで暗記なら外せない一冊。高校入試~高1英単語に不安があるならBasicから。
が、アプリが悲惨。音声がでないとか…。まだ改善されていないようですね。
代替案としてはこれでしょうか。
今日は高校生が英単語を暗記する際の心構えについて書いてみました。実践編はまた次回。
今日はこのへんで。
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