そいる塾長
今日も新高1生のための勉強法。今回は古文のお話しです。
新高1生にお話しすること
今日は「古文」を例にこの高校生の勉強の作法について書いてみます。
古文、その中でも古典文法の基礎なんて1年でサボりまくっても3年でいくらでもカバーできます。”できる子なら”2〜3週間で文法はなんとかなります。そんなもんです(誇張)
ですが、それをすると2年間も無駄に古文の授業を寝て過ごすことになり、なおかつ定期テストのたびにわけのわからんものを丸暗記してテストに挑むという受験にも何の役にも立たない勉強を繰り返すことになります(真実)
昔、うちの塾にいた国公立の医大に現役合格した有能な生徒が、自分の卒業後同じ高校に入学する妹に言い残した言葉を御覧ください。なお妹もバリバリの理系です。
「古文漢文だけは1年生で何があってもちゃんとやれ。あんなもん3年でやる暇ない。」
名言です。
まさにそのとおりで、入試の漢文・古文、特にセンター試験なんて他の科目に比べたら超簡単。(誇張)
だからこそ1年のうちにしっかり文法や句法をしっかり学び、2年でしっかり授業中に実践演習を行うことでそこまで入試対策を自分で時間かけずども3年のときにはノー勉でマーク模試くらいは満点取るべきなんですよね。(めっちゃ誇張)
つまり学校の授業中と定期テスト前に勉強を完結してしまえばこれ以上効率が良いことはない(真実)
それをサボってしまい貴重な3年生の自学習の時間を古文に当てるなんてほんと…
国公立志望で多科目を学ぶ必要がある人は特にこういった時間のマネジメントはとても大事。
やるべきことはもっと色々あるだろうよ。
目的意識があり、自律した人でないと出来ないことですがものすごく大事です。
この辺りがトップ校の生徒と下位校の生徒で如実に差となって現れます。
古文の授業と言えば、寝るやすい授業No.1なんですが、しかし高校の授業はどんな科目でも15分寝ただけでも浦島太郎状態になる可能性があります。(私はよだれを垂らして寝てましたが)
生活習慣をしっかりし、授業でどれだけ完結するかを意識して下さい。
もし先生の授業が退屈で面白くないなら「体系古典文法」を読んでいればよいわけですし。
授業時間にやれることはいくらでもある。この辺を中学時代と変えていけるかが高校デビューを狙っている人には鍵となるでしょう。
特に国公立を狙う人が多科目をしっかりこなしていけるかはこう言った1年生で学ぶ基礎知識をいかに1年生で完成させるかが大切なんです。
だって本当の古文の勉強はそのあと始まるんですから。
古文の勉強なめんなよ!
古文の勉強作法
しかし古文が難しくてそんな基礎すら理解できない人もいる。古文を一生懸命勉強しても出来ない人もいるわけです。あと、とにかくおもしろくないから嫌いだって人。
まあそうはいっても出来ないことには2年後困るのは自分です。なんとかしなければいけない。
ということでちょっとだけ古文の勉強法です。
ただ、今日は時間がないので、あくまで新高1の勉強作法としての勉強法、つまり古典文法入門の入門としてさらっとふれるだけです。
しかしこれは他の科目にも関わることなのでしっかり理解してほしい。いつもの話になってしまって申し訳ないですが大切なのは「考える」ということ。
確かに暗記せねばならない部分がたくさんあるのですが、そこを最小限にして考えて理解していく勉強にすることで多少楽しくなったり簡単になるというお話です。
例えば完了の助動詞を「さみしいりかちゃん」なんて覚える必要性がわからん。「e音やね」で済む話ちゃいますかね。そんなしょうもないこと教えるなら助動詞の接続は音やで〜って言ってあげたらええのにと。
それは置いておいても古文の勉強はどうしてもテスト前によくわからんけど丸暗記して乗り越えるみたいな子が多い。明日のテストのためだけにプリント丸暗記するような勉強が一体何になるか本当にしっかり考えましょう。
例えば古典文法で最初に学ぶ動詞の活用。
私が教えたいのは古典文法を学ぶ時の頭の動かし方、つまり考えて理解する古文の勉強法。
何を覚えて何を自分で導き出すか。覚えるにしてもしっかり考えて覚える。これが大切です。
例えば下二段活用のところ。
まずは下二段活用の基礎知識を教えます。
これが考える条件であり暗記すべき項目ですね。
① 下一段活用は「蹴る」のみ
↓
② 現代語の下一段活用の動詞は下二段になる。
↓
③ 下二段活用は「エ・エ・ウ・ウル・ウレ・エヨ」
↓
④ 古文で「ア行」となるのは「得(う)」のみ
↓
⑤ 他に「う」が出てくるのはわ行「わ・ゐ・う・ゑ・を」のみ
これだけ教えて問題に挑戦させます。
【問題】 「庭に木を植うれば…」下線部「植うれ」は活用の種類は?
みたいな感じ(適当)で練習します。もちろん簡単なことですよ。
でもね、これを論理的に考えて答えを出せるかどうか、その思考の過程を大切にしてほしいんです。
ではどうやるかというと・・・。
まず「植うれ」は現代語では「植える」。
ということは「下一段」かな?と推測するところからスタート。
ここから先程の知識を条件に答を論理的に導き出すトレーニングです。
「下一段」かな?
↓
① 下一段活用は「蹴る」のみ
↓
だから、「植うれ」は下一段ではない!↓
②現代語の下一段活用の動詞は下二段になる。
↓
だから、下二段やな!
↓
③ 下二段活用は「エ・エ・ウ・ウル・ウレ・エヨ」
↓
だから、活用は「え・え・う・うる・うれ・えよ」で「ア行」かな?
↓
④ 古文で「ア行」となるのは「得(う)」のみ
↓
だから、「ア行」じゃない!
↓
⑤ 他に「う」が出てくるのはわ行「わ・ゐ・う・ゑ・を」のみ
↓
だから、ワ行下二段活用の已然形!
これでフィニッシュです。
やってるのは考えるのに必要な条件と手順。
そんなもん当たり前やと思われるかもしれませんが、中学の定期テストで与えられたものだけひたすら暗記してきたような子は、このレベルの思考でも途中で確実にプッツンです。
目をパチパチしながら考えているふりをしていますが、確実にもう思考は停止しています。
だから手を動かして書いて考えてみろと言うと、何も書けません。そうなると最初と最後を繋げて丸暗記になる。本当にそれでいいのかなと。
そんな子が、1人で教科書やステップアップノートなんか古典文法を学ぼうとすると、「全部暗記しようね」ってなる可能性があるということを恐れているだけです。
でもこの例では①~⑤を暗記したら、もう全ての下二段はマスターしたようなもの。
あとは考えたら解ける。これが大事なんですよね。覚えるべきところはどこなのか自分の中ではっきりさせていく。
最悪最初のステップで現代語では下一段という判断が出来ないものを暗記するだけで良い。
これって上二段でも同じようなフレームワークで解けるし、後々やる識別問題とかの考え方とも共通するものがあると思うんですよね。
もっと言うと、英文法や社会に理科、はたまた数学まで通用するフレームワークではないでしょうか。つまり再現性とか一般化です。
暗記した知識を条件に論理的に考えて答を導き出すわけです。
もちろんこの流れを何度も練習して考えなくても解けるようにするのですが、間違ってほしくないのは最初と最後を無理やり繋いで「植う」=「ワ行下二段」と暗記すること。
その時は楽ですが、後々(というか直後に)「据う」や「飢う」も暗記することになる。
そして何よりいつか忘れる。ワ行下二段の動詞なんて次出会うのはいつになるやら。
ということで考えて導出できるようにしておくと忘れても安心。
もちろん条件となる知識は忘れてはいけませんが、それだって考えて暗記しておけば導出できるものがほとんどですね。
なんでこんな簡単なことをくどくど書いたかと言えば、あくまで今回は新高1の勉強の作法。
新高1の勉強作法
その場しのぎ(明日のテストまで覚えていればいい)の勉強では何も解決しませんし、そこで詰んでしまいます。
皆さんが大学入試を目指す以上、定期テストを乗り切れば良いという勉強法はやめなければいけない。
それに、今回紹介した内容は今後古文を学ぶときにも必要となる知識や考え方なので、ここで身につけておかなければ、毎回古文のテスト勉強は丸暗記になる。
丸暗記しては忘れ、丸暗記しては忘れ、そんなことをやっている暇はない。
知識や考え方をしっかり積んでいき、テストのたびに、復習し反復することでこれまでの知識を深化させながら、新しい知識を吸収しさらに積み重ねていくように勉強するのが理想です。
そのためには知識はインプットするだけでなくそれをどのように使いこなすのかしっかりアウトプットする練習をしましょう。
本来アウトプットすることで初めてどのようにインプットすべきかなのかがわかるのです。予備校の先生が書いた問題集はやはりその辺をちゃんと教えてくれるようにできています。しかしそれを読み取ろうとする目がなければ解答見て丸つけするだけの作業になってしまいます。
なお先程書いたステップアップノートはこちら。安くて手頃なので紹介しておきます。定期テスト対策ならこっちのバージョンが良いです。
最後に
新高1のスタートダッシュ講座を毎年やっています。今年はそれをプレ体験授業でやっているんですが^^;
数学で簡単だからといって飛ばされがちな数式のところを扱いながら、チャート式の赤字のところの利用法について指導したり、平方完成の式眺めて30分喋ったり、英語では英単語の暗記方法や品詞の話、今日は「look forward to〜」から見抜く中学英語の穴なんて授業したり、化学のmol計算など様々な勉強作法を指導します。
勉強じゃないお話も。大学受験はもちろん将来のこととかね。
この時期に学校で学ぶことを先取りしてリードする気なんてさらさらありません。そんなもん瞬間で抜かれます。
それよりも「作法」なんて言ってきました高校生のなかでも「できる子」たちの頭の中をのぞいていく作業をしたいのです。
ほかの子が1年かけてやることを半年でできる子を育てるために
以前書いたレペゼン地球DJ社長さんの動画にインスピレーションを得た記事をリライトしました。進学塾SOILで育てたい生徒像とは、まさにこの原付で走る生徒なのかもしれません。
以前書いたこの記事で言えば、今この時期に自転車で走り出すんじゃなく、原付買うためのバイトしてる感じでしょうかね。この話今日3回しました(^◇^;)
とはいえ、結局こういうものは実践していかなければ身につくものではありません。
高等部に通ってくれる生徒には普段の自習室や、テスト前道場(今年から高校生も実施)でしっかり作法を身につけてもらおうと思っています。最初の数ヶ月はとにかくこれ。頑張らねば。
また他の科目も機会があったら書きますね。
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