高1、高2からめちゃめちゃ多い質問。「模試の点数はどうやったら上がりますか?」についてのお話です。主に高校生向けですが、中学生の方にも同じことが当てはまりますので参考までにどうぞ。
模試の点数を上げるために間違えてはいけないこと
模試のたびに生徒からは同じ質問を受けます。
とくにこの1月2月は高2でマーク式の模試が始まり、判定も気になり始めるころ。
推薦入試を目指すのでないなら学校の成績よりも模試の成績を重視するのは私も普段お話ししているところですし、保護者の方も模試の成績が悪いと心配になるのはよくわかります。
しかしここで絶対に間違えてもらっては困ることがあるのです。
点数が伸びない原因として生徒が言ってくる内容で最も多いのがこれ↓
よく分かります。私も入試直前まで時間配分には苦労しました。
しかし、だからといって次のような質問が来ると本当に心配になります。
う~ん、これってとても心配^^;
分かるんですよ、現在の力で最高のパフォーマンス、つまり得点を出したいという気持ち。
しかしですよ、あくまで模試です。
去年までのセンター形式の試験ならマーク模試は確かにドンピシャですが私立や国公立二次の試験とは全く無関係。ましてや記述模試なんて…。そんな形式の模試で形式慣れして点数上げてどうするんだ?というのが正直な気持ち。
過去問のお話しでも言いましたが試験に「最適化」した勉強法にはデメリットがあるのです。
確かに時間が足りないなら、正答率が低い大問を最後に回すのがもっとも効率よく点数を上げる方法です。これを「最適化」と言います。
しかしそれは自分の実力をあげることには全くつながっていないということは理解するべき。
「国語で評論捨てたら点数上がりました~♪」って言われても…。じゃあ本番も捨てるの?
なおセンター国語(おそらく来年度の共通テストもこの形式になるかと)で満点を取るための解く順番について解説した記事がありますのでこの辺気になる方は↓の記事をどうぞ。
それにしても最近では自称進学校も模試の成績を上げるために模試の過去問を配るという状況…。何がしたいんだろ…^^;
模試は実力テストではないの?という…。
別に形式慣れはしなくていいとは言いませんが、それを受験対策だと思われては困ります。
大切なのは入試本番で合格点をとること。
そのためには特に高3の秋頃までは英数国に関しては試験の形式に”慣れる”必要なんてないですよ。どうせそのころからはひたすら過去問演習に入りますので嫌でも形式慣れはするのでね。
それよりもスピードを重視して適当に(雑に)解いたりして時間配分の帳尻合わせをする癖をつけて欲しくないのです。過去問からは形式などよりも求められるレベルを知ってください。
いつも言っていることですが、スピードアップを変な受験テクニックに頼らないでください。
問題を解く順番などその代表です。どの順番で問いても最初から6割を狙って捨てる問題を作るとかならわかりますが、そうでないなら順番変えても問題の総量は物理的に変わりません。
中学の因数分解の計算も最初は遅かったでしょ?あそこで変なテクニックなんて使う必要ないです。ずっと使っているうちに速くなる。そのためには何度も練習をするしかないのです。
数学はこの時期はセンター形式のような誘導付問題をやる必要なんて全くないです。0から自分で組み立てる練習を。英語や国語も速く読むことより速く解けるを目標に、「しっかり正確に読み、設問で迷わない」ということを意識して練習しましょう。
分かっていれば、読めていれば、必ず速く解けます。フリーズしている時間を以下に減らすか。それが何よりも大事。
ですので「模試の成績を上げるにはどうすればいいですか?」と聞かれても次のように答えるしかないのですよ。
実力を伸ばしてください。
このレベルの長文ならこう解けばいい。誘導付きの数学はこう考えると解きやすいなどのテクニックはあります。しかしそのテクニックの習得に時間を費やし、それで点数を伸ばした子はそこで止まります。
マーク模試かセンター過去問あたりを春先で7割~8割とれてもちゃんと実力を伸ばさないと、そのまま本番まで7~8割のままピクリとも動かなくなりますよ。
基礎・基本をしっかりと
次は高3から塾や予備校に通い始めた子から、特に英語や古文の勉強に関して多く受ける質問の内容。
はい、確かに読み方はあります。とても重要です。
ですがね、英語でも古文でも、なんなら現代文でも一文をしっかり読めないのにどうして長文が読めると思うのでしょうか…。数学で言うと計算できないのになぜ入試問題が解けると思うのでしょうかといった感じでしょうか。
語彙力は全くなし、文法もダメ。一文をしっかりと和訳・現代語訳できないのはそういった基礎基本がなってないからです。そこをすっ飛ばして入試問題を解くのは不可能です。
何か世間には”それっぽい”勉強をすると”それっぽい”能力が身に付くと思っている節があります。これはとっても良くないです。
高1の最初の英国の模試ははっきり言って高校履修単元が関係ないので、中学での学力がものを言います。
ここで勘違いしてしまうのですよね…「俺は英語と国語はできる子だ」みたいな^^;
そしてサボる…^^;
しかし高2になるころには高1での勉強の具合が如実に現れ始めます。そうなるとこの”自称できる子”たちはズルズルと偏差値を下げていきます。それは基礎基本の習得をサボったから。
一方、高1でしっかりと語彙の強化と英文法など基礎の習得を行った生徒はこの辺りから次第に伸びていきます。なぜなら英国に関しては1年である程度の基礎のインプットは完了。ここからは読解など基礎知識をアウトプットする練習に入っていくからです。
模試というのは究極のアウトプット。
アウトプットするためにはインプットが必要。出すものがないのに出そうとしても無駄。
やり方という「アウトプット方法」ばかり求めずまずは基礎のインプットを。
そして模試の見直しこそしっかり行い、何が自分に足りなくてこれからインプットしなければならないのか、そしてインプットしたはずのものはちゃんとアウトプットできていたのか。
模試からは合格判定よりも、何が自分に必要なのかを学びましょう。
模試でA判定をとってもどこの大学も推薦枠をくれたりしませんよ。
A判定を目指すのではなく実力を伸ばし志望大学の合格力をつければ自然とA判定になるくらいに思っておいた方が良いでしょうね。
模試は定期テストとは違って実力を測るもの。だからこそ実力でA判定を狙いましょう。
手段と目的を間違えてはいけません。
今日はこのへんで。