【大学入試】ひとつ上のレベルの過去問を解くという意味

そいる塾長
そいる塾長

どうも、そいる塾長です。

受験生の皆さんはセンターも終わり私立や国公立の過去問をひたすら解いていますね。そんな皆さんに一つ上手い過去問の使い方を。

志望校の過去問を解く意味

受験生が過去問を解くうえで、気になるのは点数。

当然合格ラインまであとどれくらいなのか自分の力を測るのは大切。

そしてそこから自分に足りないものを分析し一つずつ潰していく勉強は効果が高い。

また大学によりけりですが、時間配分や問いの形式になれることは、基礎学力の向上以上に簡単に得点アップにつながりやすいです。特にセンター試験など形式がほとんど変わらない試験では有利。

後で書きますがこれには大きな問題もありますのでご注意ください。

ということで第1志望の問題については重点的にその形式になれることは重要です。

とまぁ、ここまではいつも私が言っていることです。詳しくは以下の記事をどうぞ。

【そいる塾長の種まき勉強法】過去問を用いた勉強法の話をしよう(その1)
過去問を使った勉強法のお話。過去問は正しく使って最大限の効果を出しましょう!
【そいる塾長の種まき勉強法】過去問を用いた勉強法の話をしよう(その2)
過去問を使った勉強法のお話第2弾です。
【そいる塾長の種まき勉強法】過去問を用いた勉強法の話をしよう(その3)
過去問を使った勉強法のお話第3弾!

番外編はこちら

【本当にあったセンター試験の怖い話】過去問を用いた勉強法(番外編①)
センター試験で実際に起きたこわ~い話をもとに過去問演習の正しい演習方法と心がけるべきポイントを。その1

しかし、今日はちょっと違う視点で過去問をとらえてみたいと思います。

志望校の”一つ上のレベルの”問題を解くということの意味

例えば、英語なんかで言えば、産近甲龍(日東駒専)を第1志望とする生徒が関関同立(MARCH)の問題を解く。関関同立のなかでも立命館を第1志望とする生徒が同志社の問題を解く。もしくは同志社を第1志望とする生徒が青山学院の問題を解き、青山学院を志望する生徒が慶応や上智の問題を解く。

ひとつ上のレベルの過去問を解く。こういうのって必要なのか…という問題。

その大学を受験するなら当然ですが受けもしない大学の過去問を解く必要なんてない!…そう思っていませんか?

しかし、これには大きな意味があります。

それはずばり!

問題に対して別次元の視点を得られるということ
例えば、立命館と同志社の英語。
立命館で8割取れる人でも同志社は6割ぐらいになることも。同志社で配点の大きい記述問題の存在は大きいですが、何よりも問題を解くために必要な語彙力のレベルが段違い。
青山などになると、さらに必要な語彙レベルが上がる感じですね。学部によってはどうやったら時間内に解ききれるのか分からない問題量だったり。このような場合、圧倒的な速読力が求められます。
しかし一方で同志社と慶応などを比べれば、変わってくるのは設問の質。慶応レベルになると英語を訳す戦いではなくなり、英文で書いてある内容をどこまで理解できるかというより高度な読解力(国語力)も求められるようになります。またそれに伴い前提知識の有無が読めるかどうかを左右するようになり、まさに科目横断的な内容となってくると言えるでしょう。
このように大学ごとに英文と設問の両面で受験者に求めているものは、出題者の意図となり、問題にはっきりと現れてくるものです。
もちろん志望校の大学で合格点が取れるならそれでいいのですが、7割を8割に、8割を9割に、といったように現在のところからもう一歩抜け出したい場合、その7割や8割をとれる過去問をやるよりも5割、6割になるような「一つ上のレベル」の問題で頭を動かす練習は大きな効果を得ます。
これはある程度のレベルにまで達して問題を解く際の負荷が低下するとそこから吸収できるものが減ってしまう状況を避けるためです。
実際、この春から一人の生徒(春の時点でマーク模試5割)が、産近甲龍レベル→センターレベル→立命館→同志社→青山→慶応みたいな流れで安定して7割超えてきたら次へと進めていきましたが、青山で停滞感というか閉塞感があったのが早慶の問題に取り組み始めてから気づいたのがこれ。
慶応の解けない問題の解説を読んで、自分が思っているレベルよりもさらに深いところまで読まないと解けないことが分かった。
どのような状態を「読めている」というか、というのはなかなか難しい。特に選択問題などは問題が解けてしまうと分かったような気(英文が読めたような気)になってしまうこともあります。
しかし実際は6割~7割くらいしか読めていないことも多いのです。難関大のなかにも単語の意味が分かれば…みたいな中身のうっすい選択肢の問題を出す大学も多いですしね。
そういう意味では難関国公立の記述対策をしている生徒も強い。国語や数学は言うまでもないですが、英語においても和訳と英作は最強のトレーニングです。
記述式という0から誘導のないところで解答を作っていく練習は実力錬成には不可欠です。志望校の出題傾向にないからやらないという生徒はもったいない。
入試問題というのは単に学力を測るだけのものというよりも、大学が求める能力を伸ばすための最強のツールだと思います。だからこそ、傾向と対策を知る以上の効果を、入試過去問から得ることは可能なのです。

注意点

ただし注意点があります。
志望校の大学の問題で何度やっても合格点を大きく下回る…というような場合、その大学が求める基礎力に到達していない可能性大なので、一つ上のレベルの問題は当然ながらやめておきましょうね。
上記のようなしっかりとした視点を持たず過去問を”ただ解くだけ”では何の能力も伸びません。
必要な「基礎力」を身に着けるための勉強を参考書や問題集を使って行いましょう。
過去問は言うならば「練習試合」。だからこそ学べることはありますが、筋トレや基礎的な技術の習得にはつながりません。「基礎力」は過去問で身に着けるものではないです。
また、過去問は特別な難関大でないとあの赤いやつしかありませんよね。
となるととにかく解説が薄い。これでは余計に何を学べばよいのか分からなくなります。
そういう意味で「基礎力」を付けたり、また一つ上のレベルの問題に取り組みたい場合は、その形式になれることが目的ではないので、良問が厳選されていて、より解説の充実した問題集で取り組むとよいでしょう。
上記は一例ですがたくさんありますので本屋さんで手に取って自分が求める解説が載っているものを選んでみてください。
最後にもう一度言っておきます。
過去問で形式になれることはとても重要ですが、形式慣れとは言うならば小手先。
その問題を解けるための、言い換えればその大学に合格するための実力錬成とは分けて考えましょう。今自分が目標点に届かない原因はどこにあるのか、それを見定めて必要な措置をとることが重要です。
今日はこのへんで。

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