どうも、そいる塾長です。
そいる塾長の種まき勉強です。アンチ単純暗記というタイトルでおかしな「暗記法に頼らない暗記法」について書いていきます。暗記は勉強に必要不可欠な土台をつくるもの。だからこそ効率と目先の点数を取ることに特化するとその上に大樹が育つことはないというお話です。
こないだ暗記用語の削減について書きながら基本的な暗記に対する姿勢について書きましたので、ついでに「暗記の達人への道」の新たなネタを。
今回お話したいのは、「暗記法に頼らない暗記法」
このタイトルよく意味がわかりませんね。^^;
簡単に言えば語呂合わせやFLASH暗記などのいわゆる暗記するためだけの暗記法に頼らない暗記法のお話です。
はい、余計にわからなくなりましたね(;’∀’)
暗記については何度か書いてますが、私の考えの大前提として理解を伴わない暗記には何の意味もないという考えです。
暗記が不要とは一言も言っていません。暗記した知識が土台となって初めて思考が可能となります。思考のための材料集めが暗記と言えるでしょう。
しかしそうなると思考に「使えない」材料を集めても仕方ないということ。「使えない」というのは、決して「何を」暗記すべきかという話ではないです。くだらないマニアックな知識であっても、それはどこかで役立つ材料となる可能性があります。テストに出るか出ないかなんて関係ないんですよ。
しかし大切なことをアウトプットできない「使えない形」で暗記することを私は意味がないと言っているのです。そしてそういう暗記を「単純暗記」と呼びます。
で、今回は「アンチ単純暗記」ということで私が苦手な2つの単純暗記をバッサリと。
フラッシュ暗記のメリット・デメリット
例えばフラッシュ暗記。これ暗記法の王道だと思います。
幼児教育の定番でもありますね。右脳教育とかいう名のもと、幼児にカードを用いて記憶を刷り込むわけです。実際この方法で大量の情報を脳に刷り込むことは可能みたいです。
こうやってぱっと見て大量の用語を暗記できるようになれば楽に受験ができるのにな~と羨ましく思ってしまうのは私だけではないはず。
幼児教室に通わせているお子さんがある日突然、英単語や動物・植物の名前を大量に覚えて帰ってきたら何万もする月謝を払っている甲斐があったと保護者さんは実感するでしょう。
映画なんかで描かれるサヴァン症候群の方みたいな記憶力の突出した天才になれそうな予感しなくもない。
ところが残念ながら実際はなれないそうです。
こういった驚異的な記憶力なんかは先天的なもので、右脳というものは潜在意識の領域のため医学的に鍛えるのが不可能なんだとか。
なお「ネイチャー」誌の論文では脳トレに何の効果もないことが実証されてしまいました。
これが結論と決めつけるにはまだまだ研究を進める必要があるのかなとは思いますが、ただ右脳教育はどうも胡散臭いぞというのが最近の傾向です。
こちらもなんだかんだで胡散臭い記事ですがねw
ただ実際にフラッシュ暗記で暗記自体は出来るようになるので、そこまで突出した能力は身につかずとも暗記力を鍛えることにはなっているのかもしれません。つまり暗記のトレーニングとしてはありなのかもしればいということ。
かくいう私も社会や英単語の暗記では問題演習を繰り返すようにと生徒に指導します。解答を手で隠しながら何度も一問一答を繰り返させます。いわゆる「反復」による暗記法ですね。
覚えようと思うより先に繰り返すように指導しています。ボケーッと眺めていても暗記なんて出来ません。そういう意味ではフラッシュ暗記の劣化版といわれるかもしれません。
劣化版といったのは、本来のフラッシュ暗記では「いかに速く答えるか」が重要である点。フラッシュ暗記はその名のごとくスピードとリズムが大切。
もちろんスピードやリズムは私の指導する暗記の仕方でも大切です。だらだら時間をかけても絶対に定着はしない。
しかしフラッシュ暗記のような短期記憶は忘却スピードも速いので早い段階で復習をする、つまり反復することで定着率は高まります。
フラッシュ暗記では超絶スピードで繰り返すので定着率が高まる。これが刷り込むという言葉の意味かなと。
しかしフラッシュ暗記がよくないぞと思えてしまうのは「思考を挟んではいけない」というただこの一点。もちろんこれはフラッシュ暗記の時点ではということであってそのあと別のリアクションを取れば問題はないです。最初の刷り込みをフラッシュ暗記でというなら問題はないのかもしれません。
先程私もフラッシュ暗記の劣化版として一問一答をさせるといいましたが、そもそも私は一問一答もあまり好きではありませんw
何じゃそりゃと思われるかもしれませんが、社会の用語にはいろいろな側面があるのであり、それは一問一答型の学習だけでは理解できない。ですのでまずは一問一答で用語を暗記させてから、学習の後半は質問や様々な問題形式の演習を通してひとつの用語に多方面からアプローチ出来るようにします。
こんな単純暗記は中学受験には必要になる場面があるかもしれません。都道府県名や世界の首都名、恐ろしいレベルの漢字や四字熟語。テストに正解すればよいわけです。
しかし将来の大学受験にはハッキリ言って全く不要。東大・京大の過去問を見て、こんな暗記をしなければ合格できないと思ってしまう人は最初から受験を諦めたほうが良いです。さらに言えば将来仕事に役立つものかとなるとさらに疑問。
大切なのはその暗記したものをその後どう生かすかでしょう。それを土台として様々な思考ができるようにすること。しかし幼児や小学生がそこまで考えてやっているとは思えんのです。
つまり単純暗記を求めるだけの中学受験の入試問題こそが無駄な学びを強要している気もするのです。ま、某私立大学の社会のテストもこの傾向があったりしますが^^;
もちろん暗記力を鍛えるトレーニング自体を目的としてやっていると言われればそれまでですが、その先がないかのように指導するのは将来弊害を生じさせるだけ。つまりそのように単純暗記をすることが勉強だと子どもたちに刷り込んでしまってはいけないなと思うわけです。
だからこそ幼児教育でこういう胡散臭いことをやらせるのはどうなのかと。
と、私のような小さな塾屋がいっても信頼して貰えそうにないんですが、実際こんな記事も見つけましたよと。↓
灘出身で、阪大の医学部出身で、かつお医者さんでありながらしかも幼児教育の専門家、というすんごい方がそういうんだからそうなんでしょうw
ライオンについて知るのに、カードで見ながら知りたいですか?
それとも、家族と動物園に行って、「ライオンって強そうだな。あんな大きな動物がいるんだ」という体験と共に知りたいですか?
私が子供なら、実際に体験しながら世の中を知っていきたいと思います。
その理由はいろいろとありますが、一番大きな理由は「自分で自由に感じることができる」からです。
激しく同意します。言い得て妙とはこのことです。自分の子どもを通わせるならこんな先生のところがいいですね。
ノーベル賞受賞者みたいないわゆるすんごいレベルの大人たちが口をそろえて言うのが、幼少期はおもいきり遊ばせてあげましょうよということ。
この時期の子どもたちには暗記のトレーニングをすることよりも様々なものに興味を持ち、疑問を持ち、自分なりに考える時間を与えるべきではないのかなと。それこそが今後出会う知識をどのようにインプットしアウトプットしていくかの土台を作るように思えるのです。
そしてそれは教室の中では体験できないものなのではないのかなという気もするんです。
語呂合わせが嫌いですw
私は語呂合わせが嫌いです。もちろんお世話になった部分がいくらかはあるんですが。
昔、ある生徒(京都でも有名な私立中学出身の子)が大学受験時に語呂合わせでおぼえる古文の単語帳を使おうとしていました。
彼が定期テストの前日、自慢げに私に言いました。
ふっふっふ、これさえあれば古文単語なんて余裕。中学受験で年号を語呂合わせで暗記しまくった俺様の暗記力を舐めるなよ!
と私に見せてきたのが・・・。
「胃透し(いとおし)バリウム気の毒だ」
形容詞「いとおし」の意味は確かに「気の毒だ」です。ですが私にはどうしても理解できないんです。
翌週。
彼が古文のテストを私に見せてきました。
「いとおし」の訳が書けていない!w
おいおい、「バリウムやん」って突っ込む私。
「なんでバリウムやねん!」と授業の間に突っ込みすぎて私のほうがおぼえてしまったんです。
でもその生徒は肝心のバリウムの前後を全くおぼえていなかった。バリウムの話をしたのは覚えているけど肝心の「いとおし」が覚えられず、テスト中に語呂合わせを覚えたことにすら気づかなかったらしい。つまりバリウムと気の毒がつながらないんです。読むのは高校生ですからね。
バリウム飲んだときのあの切ない気持ち知りませんからね^^;
歴代総理大臣やアメリカ大統領、中学王朝や年号や電話番号のように意味を持たない名前、記号の羅列をおぼえるのには適していますが,ちゃんとした語源や意味をもつ古文単語などでそれをやるのは、はっきりいって無能です。そっちの方が効率が悪いような気がしてなりません。
だって語呂は暗記はするんでしょう?古文単語と現代語の意味との接点に語呂という接着剤を付けて無理やり結びつけるわけですが、それなら接着剤は語源や用例などでよいかと思うのです。
少なくとも語呂という接着剤が先ほどのようなものなのであればそれは理解を伴ってはいないので粘着力(定着度合い)は弱く、さらに古文の読解時に応用はきかないですよね。だって古文単語はほとんどが多義語なわけですから。
まるで古文単語は1対1対応であるような覚え方はよろしくないですね。
なお某語呂で暗記する古文単語帳はしっかり語呂以外にも掲載されており、通常の単語帳に語呂が追加されている形です。語呂が主ではないのです。しかしあのレイアウトではそれを使用する生徒がそのように正しい使い方ができるのかというのは疑問です。
こういう語呂を覚えたらそれを暗記したというのは勉強ができない子の勘違いに過ぎません。
鶯どうでもええねんという。この語呂はあくまでその年号を暗記するためであって平安京の理解には結びつかないということです。
大切なのは理解を伴う暗記です。
語呂合わせでは理解が出来ません。
まあ、私のように超絶イケメンカリスマ講師が語呂合わせをつくると、同じ語呂合わせでもちょっと違ってきますけどね。
ん?聞きたい?どうしても??そうか、そんなに聞きたいか~。いや~、でもな~、なんかな~・・・。そこまで言われるとな~。
超絶イケメンカリスマ講師の語呂合わせ「フランス革命 1789年」
時は1783年アメリカ独立戦争。
イギリスと敵対するフランスの支援を受けたアメリカが見事独立戦争に勝利した。
そんな勝利に酔うアメリカ軍のキャンプでフランスの兵士とアメリカの兵士の会話。
いや~、ほんま勝ててよかったわ~。これもひとえにフランスさんがてつどーてくれたおかげですわ。ホンマにありがとうな。内容を入力してください。
いやいや、なにいうてますのん、アメリカはんががんばったからやないの。わてらなんにもしてまへんがな、あっはっは!
そや、フランスさん、野球しまひょ、野球!もうイギリスのアホに気つこうてサッカーなんかする必要はおまへん。これからは野球やで。こころおきなく野球やりまひょ!
ヤ、ヤキュウ・・・?
え!?あんた、野球知りまへんの?そうか~フランスもどうせサッカーばっかりやっとるんでしょ。あ~しょーもな。これからは野球でっせ。ほんまおもろいからちょっとそこで見ときなはれ
すげ~!ヤキュウめっちゃおもろそうやん!い~な~、やきゅう!すごい、すごいで!これが自由の国の新しいスポーツなんやな。自由、平等の精神があふれとる。これからはヤキュウや!これから野球の時代がくるで!わしらも国にかえって野球、いや自由のために革命を起こすんや!
こうしてフランス革命が起きたのだ。1789年のことである。
イー ナ ヤ キュウ
長らくお付き合い頂き誠にありがとうございました。
この話を毎年生徒にしっかりフルで気合い入れて感情込めて全力で話しますが、誰も覚えてなんかいません。(涙)
ちゃんとアメリカ独立戦争とフランス革命の順番を間違えないように、そしてアメリカ独立戦争をイギリスと敵対するフランスが支援したことも織り込み済み。
タダの語呂合わせに終始せず理解を伴う暗記を大切にした心温まるストーリー・・・。
そうです。全て無駄です。こんなもんですよ、語呂合わせなんて。結局誰も覚えてない。
少しでも暗記しやすいように、少しでも理解を伴うように心を込めて語呂を作ったとしても子どもたちは覚えねーんだもん。
でも負けずに来年もやりますけどねw
ようは語呂合わせを覚える暇あったらダイレクトに覚えたほうが速いのではないか説ですよ。もっというと、理解を伴うためには語呂合わせよりも、もっと大事な情報を頭に入れたほうが良いのではないかということです。
ということで単純暗記を批判してまいりました。もちろん単純暗記が全く出来ないようでは困ります。脳トレに科学的根拠がないとしても脳の筋トレと思ってやってみましょう。
必ず暗記力はあがります。自分に暗記力がないという子はまず暗記のトレーニングをしましょうね。まずはそれから。暗記力は成長しますよ。
大切なのは理解を伴う暗記法です。考える力を伸ばす暗記法とでもいいましょうか。
今日はこのへんで。
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