中学生がテスト前にやってはいけない勉強法 その2「書くだけ勉強法」

そいる塾長
そいる塾長

どうもそいる塾長です。

引き続き前回に中学生のみなさんにテスト前にやってほしくない勉強法。今回は「書くだけ勉強法です」が書いて勉強するというのは基本的に暗記をしたいときに用いる勉強法です。数学で「図を書こう」みたいなお話ではないのでご注意下さい。

前回は読むだけ勉強法のお話をしました。まだそちらを読んでいらっしゃらない場合は先に読んでおいてくださいね。前提部分のお話が書いてあります。

中学生がテスト前にやってはいけない勉強法 その1「読むだけ勉強法」
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あともしも保護者さんがお読みの場合はこちらも大前提となるのでまず最初にこれを。

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書くだけ勉強法

小学校の漢字の書き取りに始まり、英単語や社会の用語など書いて書いて書きまくっておぼえる人多いですよね。

「青ペンで書くと暗記できる」なんていう都市伝説みたいなお話も。

https://matome.naver.jp/odai/2135734449687315301

そのへんは脳科学の先生にでも聞くとして、これが黒だから暗記できないとかはないと思いますよ。ただし、書いて書いて書きまくりたい方にオススメなのはボールペンというのは間違いないですね。

ボールペンをおすすめする理由
☑ 鉛筆よりも書きやすい(同じ書き心地が継続する)
☑ どれくらい頑張って書いたかインク残量が見えて分かりやすくやる気が出る
ですがこの”やる気が出る”のが問題だったりするんでご注意を。

最初に言っておきますと、書いて書いて書きまくらない方が良いと考えています。

理由は何を目的にやってるのかわからない人たちをたくさん見てきた(自分も含めて)

私も中学~高2くらいまでは書きまくってました。

私が書いておぼえるのをやめたのは、高校に入ってそもそもそんなに書いている時間がなくなったから、というのが最大の理由です。

この勉強法はたしかに手がすんごく疲れるんで、なんだか頑張った気がするんです。

つまり”やる気”を生み出しているのが覚えられていることではなく、覚える努力をしていることが原因となってしまいす。

でもだんだんと気づき始めるんです。しんどいだけで実は対して見てるだけと変わんないんじゃないかと。逆に何回書いてもおぼえられている気がしないときもあったり、何より体力の消費がきつくて勉強時間かけられない。手な感じで誰かに言われてではなく自発的にやめました。

ちなみに書くと覚えやすいということには科学的根拠はないようです。ただ書くと集中力が増すということなのでしょう。この集中力については先程紹介した前回記事を参考にしてくださいね。

でもね・・・

本当はぱっと見ただけで暗記できたらそれこそ最高です。

それが出来ないから「読むだけ」「見るだけ」はダメだというお話なんです。

でも最終的に手数をかけない、極力シンプルな勉強法へ最終的に近づいていくべき。

当然最初からは無理です。だから書かないと集中できないというなら書けば良い。それを「書かなければいけない」というように思い込まないでほしいということ。
それこそ書くことが目的となって別のところに集中が向いてしまい結局覚えるというところには意識がいかないことになってはいませんか?ということです。

それに高校生になって「読むだけ」で入って来る情報量が少ないと詰みますよ。大学生なら死にます(笑)全部じゃなくていいですけどね。

見ているだけよりも書くというアウトプットの動作が加わる分、脳も働く(かもしれない)と思うので暗記しやすくなるという意見には科学的根拠はなくても一理あるような気もします。これは前回読む”だけ”では勉強が出来ない子は頭が動かないといいました。となると暗記のときも声に出したり書いたりしながら覚えたほうが、本来は覚えることを意識するはず。

特に漢字は書いておぼえるのにはピッタリなのかなと思うこともあります。象形文字だけに、書くことでビジュアルでイメージできる可能性があります。

アニメのキャラクターを何回も書いているとうまくなる感覚ですね。私もドラえもんの絵はよく書いていたので未だに完璧に描けます。

ほらね!↓

頭でかいな…(^_^;)

ま、うまいかどうかは別にして・・・

ドラえもんなんて生まれてから1000回以上は見てますが、一度も書いたことのない人は目や鼻の形とか位置を意外とおぼえてないですよね。

塾のイベントなどで絵心クイズをよくやりますがほんとに面白い作品が毎年生み出されています。トトロとかホントみんな描けない(笑)

これまた都市伝説みたいなお話ですが「手がおぼえてる」という話はよく聞きますし、私も体験者ですので書くことで覚えやすくなるということは否定するつもりはありません。

テスト中に心頭滅却すればなんとか…な感覚で、頭で考えず手の動きに身を任せて英単語や漢字を書いたら出てきたことはあります。もちろん普段からいちいち頭で考えて書いてないですからね。体(無意識のレベルなのかな?)が覚えてる領域のものはあるのかもしれませんね。

しかしやっぱり大切なことを忘れてはいけません。

勉強ができていない子の書くだけ勉強法はやっぱりダメ。

これまた結局、書く「だけ」になっているんですよね。

 

心頭滅却している場合やない!

心を無にして、ただ手の動きに身をまかせ

・・・

あ~心があらわれるこのかんじ~

・・・

いやそれ・・・写経ですやん

 

これはこれで素晴らしいんですよ・・・。でも、なんせ今は暗記しないといけないもんで…心を無にしてたらおぼえられるわけ無いでしょう(^_^;)

先程私が言った「体がおえている」という話は、あくまでおぼえた後の話であって、おぼえるという作業のところで心を無にするわけではないです。無にするというのは「意識」をしないということ。「意識」というのは何度も言っていると通り目的意識。

これが欠如しているということは結局、手段と目的を間違えてるんですよね。

書くのが目的になってしまっておぼえるという本来の目的がどっかいってしまう。

ペンの全量を見て喜ぶんじゃなくて、覚えたものがテストで出来たら喜ぶべき。

先ほどの青ペンを使った勉強法や、書きまくり勉強法の一番危険なところは結果ではなく「頑張った」に目が行くことです。

典型的なダメパターンは、回数決めて書いている人。

なんで回数が目的になるの?覚えられるなら0回でよくね?

 

小学校の定番宿題「漢字の書き取りの功罪」

私が小6とき、夏休みの宿題で漢字の書き取りがでました。定番ですね。「漢字練習帳○ページやってくる」みたいなものでした。

(私達の時代は表紙は昆虫でしたがね。色々うるさい世の中になりましたね…)

おお、こんなのもあるんだ…今っぽい(おじさん感)

宿題のルールは縦一列に一つの漢字を書くこと。ちなみに一列は10マスだったので10回同じ感じを書くということですね。ただし漢字は何を書いても良い。

これぞ学校の宿題にありがちな目的を見失ったおきまりの宿題パターン
漢字の書き取りは大切です。異論ありません。

しか~し、このときクラスのみんなが書いた漢字TOP3は、1位「一」、2位「ニ」、3位「三」(笑)

小学生に「おぼえる」という目的を理解させるのに、こんな宿題の出し方では無理です。

ちなみに当時神童と呼ばれた(嘘です)私は、塾の国語の先生が漢字テストで不合格になるとマジで怖かった。

簡単に言うと・・・

・・・こうなるので、宿題のやり始めはみんなと同じ人気TOP3を書くも、途中から塾の漢字テストの練習にしてました。

どうせめんどくさいことやるならそれに意味が目的(意味)が会ったほうが良くないですか?

学校って宿題の出し方が・・・ちょっとね。事情はわかりますし、私が通ってた塾みたいなやり方は良くないですから難しいのはわかるんですが。

でもこれではどうしても子どもたちが宿題をおわらせること(一定回数漢字を書くこと)自体を目的化してしまうんですよね。

だから塾の宿題は書くことではなく、おぼえてくること=テストにします。

もちろん学校と塾ではやるべきことが異なるのも理解できるんです。生徒の質やそもそも目的が異なっていることもね。

ですが、経験上、この手段と目的をはき違えてる先生も一定数いるような気がします。暗記の宿題の正しい形はやはり「10回書け」でではなく「おぼえるまで書け」です。

だっておぼえるのが目的で、書くのは手段にすぎないんですから。3回でもおぼえたんなら終了。

逆に10回でもおぼえられないんだったら11回、12回と書き続ける・・・。

でもそれを中学校でやったらどうなりますか?

怒りそいる
怒りそいる

評定下げたりしてやいませんか?せんせ?

正直今中学生にとっての宿題は、「提出物」と呼ばれ、内申点のために先生に提出することが目的。そこから何を学ぶかなんてことよりも先生がどんなものを評価するかしか考えていない子が山盛りいます。

このシリーズでお話する「やってはいけない勉強法」、つまり間違った勉強法はこのように形式だけが伝えられ(それが本来正しいやり方だとしても)表面上だけ実践していることがほとんどと言えます。

勉強法の話をするとこれを毎回言うことになりますが、だからこそ塾での自立学習と自習は違うのです。見た目は同じでも中身が違う。その中を見ることができるのが我々塾の仕事でもあるのです。

 

書いておぼえるときのルール

だからどうしても書いておぼえたい人は今から言うルールを守ってやってほしいんです。

大切なのは目的:おぼえること これだけです。

 

 ルール1:書いたものを手でかくしてテストみたいにどんどん書いていく!

勉強が出来ない子は最初に書いたもの見ながらただ写すだけにしようとする。つまりずっと答えを見ながら暗記している。

これでは覚えようという気がおこらないし覚えているかもわからない。

さっき書いたものを写し、さっき書いたものを写し、5回目くらいで写し間違えてそのまま違う単語になったまま10回書いてしまう子が実在します。写しているだけで覚えようという気がないんですね。

あともっというと実際に書く必要はありません。先程書いたように別に書いても暗記できるわけではありません。多少集中しやすい子もいるくらいのことです。となると書かなくても見て覚えられるなら書く必要なんてない。もしも手を動かしていたほうが集中できるというのであればエアー書きすればよいです。


こちらは敬愛する藤わら塾の藤わら先生のツイートから。自立学習型の塾でこの辺の勉強法が本当に徹底されていますね。

「AiR ペンシル」みなさんも作ってみては?(笑)

 

ルール2:最大何回までにおぼえるか決める!

何回書くみたいなのはいりません。おぼえたと感じたら即終了です。だらだら書き続けない。

回数は目的じゃない、覚えるのが目的!

逆に最大数は決めておいても、それまでにおぼえ切らないといけない、というようなルールを自分で作る。

昔ある中学生にこの話をした後、自宅で単語を暗記しているとき2,3回しか単語を書いておらず全然おぼえられていないことを親に怒られた子がいました。そのとき彼がお母さんに言ったのが…

高校生
高校生

先生が10回も書かなくていいって言ったもん

ね?やっぱりズラすでしょう?(前回記事を参照)

「覚えたなら書かなくて良い」と言ったのに彼の頭に残ったのは「書かなくて良い」というところのみ。

なんのために書くのか全く考えていない証拠です。こういうことにはならないでくださいね。

 

ルール3:英単語の暗記は特殊

漢字よりも「書くだけ勉強法」と相性が悪いのが英単語。こないだ詳しく書いたのでこちらを。

【そいる塾長の種まき勉強法】中学英単語のおぼえ方
中学英語が苦手な方、単語の暗記の仕方それで本当にいいですか?頑張れというアドバイスは本当に正しいのでしょうか?誰でもできると思い込んではいけません。英単語の暗記ができない人に決定的に足りないものとは!?この記事で詳しく説明します。

 

ルール4:用語は意味をしっかりと理解する

英単語の意味だろうが、なんだろうが、やっぱり今覚えようといしているものはなんなのかしっかり理解していなくてはいけません。10回書いた単語の意味を尋ねて「知らん」と言われたときの絶望感…。目的意識が0だとこうなります。

もちろん英単語だけじゃないです。あらゆるものがどのような文脈で用いられるのか、他の用語とどのような関連性があるのかなどなど・・・。

社会の勉強は暗記だと言う人がいるんですが、暗記って用語を覚えることを言うわけじゃないですよ。理解が必要で、その理解までを暗記だと考えて下さい。

社会の勉強法はこの辺を参考に。

【そいる塾長の種まき勉強法】中学社会「歴史の流れってなんだ?」
高校入試の社会:歴史でも頻出の出来事の順番を問う問題。この問題を年号暗記でやろうとするのは悪手です。年号よりも大切なことを理解できなければこれから高校でも対応できなくなりますよ。社会の勉強に本当に必要なもの。それって暗記力なんでしょうか?考える「社会科」という視点で社会を勉強してみましょう。

なんか社会の用語だけ書きまくって暗記してる人って、数学の答えだけ暗記してくる困ったちゃんとおなじに見えて心配になるんです。それ、テストで答えられるの?って。目の届くところでやってくれているならすかさず確認できるので良いんですけどね。そのたくさん書いてる「荘園」って何なの?みたいに。

またどっかでちゃんとした社会の勉強法も書いてみたいと思います。

 

最後に必ずテストする

これが一番大事。でもできないんですよね。勉強ができない子はこれだけで劇的に変わります。

テストと言っても立派な塾で配られるプリントじゃなくて良いんですよ。例えば英単語や漢字なら最後に1回何も見ないで書いてみたら良いだけ。社会や理科ならテキストの問題を解くことこそテストになる。

つまり自分が勉強出来ているのかどうかを確認する、そしてそこに照準を合わせて勉強するだけで目的意識がぐーんと変わります。

でも勉強が苦手な子に今から10分暗記ね。その後でテストしたげると言うと発狂します。

JK
JK

え~、テストいやや~

ほな今から何するつもりやねん?覚える気ないんやったら、覚えられる気がせんのやったら最初からやめておきましょうよと。ひたすら書きまくって…なんの儀式やねんと。

 

結論

と、まあ「書くだけ勉強法」のダメなところを書いてみました。

今回も結論として「だけ」ってのが問題だということです。この「書く」という行為もあくまでインプットのためですよね。読むだけ、書くだけでインプットする際に本当にインプットが出来ているのか。

前回の「読むだけ」の記事で書いたように、同じくインプットで終わってしまっては未完成のまま。大切なのはアウトプットでしたね。

今回は「テストする」というアウトプットとの組み合わせ。これが何よりも大切です。

何のためにやってるのかはしっかり考えましょう。

インプットにおいて「書く」という行為はあくまで補助輪みたいなもの

 

大切なのは今何のために書いているのか

それを常に意識すること。忘れないで下さいね。

 

今日はこのへんで。

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